はるきと光の『労働相談室🪴』|カスタマーハラスメントと「誠実」の呪縛【第1話/全2話】
🥀鳴り止まない怒号の残響
🏢森本さん
窓口に座るのが、怖くてたまらないんです。
毎日、開庁のチャイムが鳴るたびに心臓が跳ねて、指先が冷たくなります。
昨日も、一時間以上も至近距離で怒鳴られ続けました。
「税金で飯を食っている癖に」
「お前の代わりなどいくらでもいる」……。
何を言われても、私はただ頭を下げることしかできませんでした。
👩⚕️篠原 光
それは、本当にお辛かったですね。
一時間もの間、
逃げ場のない場所でそんな言葉を浴びせられ続けるなんて、
どれほどの恐怖だったことか。
森本さんは、今日まで本当によく耐えて、
ここまで足を運んでくださいましたね。
🏢森本さん
上司に相談しても、
「市民の皆様には誠実に対応するのが私たちの仕事だ」
と言われるだけなんです。
私がもっと上手く受け流せればいい、
私の説明が足りないから相手を怒らせるんだ、
そう言われているようで。
もう、自分が何を間違えているのか、
何が正しいのかも分からなくなってしまいました。
👩⚕️篠原 光
誠実であろうとすればするほど、
ぶつけられる悪意に心が削られてしまったのですね。
それは森本さんの「能力」や「性格」の問題ではありません。
ひとりの人間として、そんなふうに扱われていいはずがないんです。
今はまず、その痛みをそのままここに置いていってくださいね。
🥀「誠実」という名の構造的不備
🏢森本さん
でも、
やっぱり私がもっと毅然としていれば、
あんなにエスカレートしなかったのかも……
と思うんです。
他の職員はもっと上手くやっているように見えて。
私だけが、
組織の足を引っ張っているような気がして申し訳ないんです。
👨💼はるき
森本さん、
少し視点を変えてみませんか。
森本さんが「上手くやれない」のは、
個人のスキルの問題ではなく、
組織の「防護壁」が機能していないからではないでしょうか。
今の森本さんのお話を聞く限り、
そこには適切な「境界線」が存在していないように感じます。
🏢森本さん
境界線……ですか?
でも、役所という場所は、どんなに理不尽な要求でも、
まずは聞かなければならない場所だと思っていました。
👨💼はるき
確かに公的なサービスという側面はありますが、
それは「個人の尊厳を差し出すこと」と同義ではありません。
組織には、働く人を物理的・精神的な危険から守る
「安全配慮義務」があります。
暴言や長時間にわたる拘束を
「誠実な対応」という言葉で職員個人に丸投げしている状態は、
仕組みとしての欠陥、
つまり「安全管理体制の不備」と言わざるを得ません。
🥀仕組みの歪みを見つめる
👩⚕️篠原 光
はるきさんがおっしゃったように、
森本さんが感じている違和感は、とても正しいものなんです。
組織が森本さんを守るためのルールを持っていないことが、
今の苦しさの根本にあるのかもしれません。
まずは、森本さんの心がこれ以上傷つかないための「盾」を、
一緒に探してみませんか。
具体的な仕組みの話は、少しずつ整理していきましょうね。
👇 第2話へつづく👇
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