【セルフケア2025/7/22】仕事をやめたい内科医👨🏻⚕️ ~カウンセリング編 #6~
こんにちは。カウンセラーの篠原です。
今回のセッションでは、
黒川さんの心に眠っていた「怒り」という感情が、
思いがけない場面で顔を出しました。
それは、
休職中の「産業医」面談をきっかけに吹き出したものでした。
私たちはときに、
「落ち着いていること」が回復だと誤解します。
けれど、
抑え込まれていた感情が動き出すことこそ、
心が回復し始めている証です。
もしあなたが、
怒りや葛藤の波に揺れながらも、
前に進もうとしているなら――
この記事が、きっとお力になれると思います。
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[1]🌅 静けさの中の一歩
👩⚕️篠原(ナレーション):
前回のカウンセリングを終えたあと、
私はしばらく黒川さんの言葉を反芻していました。
「焦って未来の地図を完成させようとせず、
まずは『誠実に回復しようとしている父親』として、
ただ、ここに在ることを自分に許そうと思います」
この一言に、回復の本質が凝縮されていたように思います。
何かを成し遂げることに慣れてきた人生のなかで、
ただ在ることを許すというのは、
決して簡単なことではありません。
とくに、
自責や焦りにとらわれがちな心の中ではなおさらです。
けれど――
それは、
黒川さんが初めて「役割」や「結果」ではなく、
「自分の存在そのもの」を静かに見つめ始めた、
かけがえのない瞬間だったのです。
この日は、
そんな決意のその後をたどる、6回目のカウンセリング。
どこか表情が和らいだ黒川さんが、
ゆっくりと口を開かれました――
[2]🪶「肩書き」を脱ぐ勇気
👔黒川さん:
先生、こんにちは。
本日もよろしくお願いします。
前回のカウンセリングから、
ずいぶん日にちが経ちました。
あれから、ゆっくりと過ごしたり、
いろいろなことを考えています。
最近芽生えてきた思いがありまして、
それは、
「医師という社会的立場であること、
医師という職業であることを、
忘れてみようと思うのです。」
家庭の生活費、子供の教育費のことがありますので、
非現実的なことかもしれません。
メンツとか、職場や知人たちへの体裁を気にせず、
一旦、やるべきことから荷を降ろして、
本当は何をしたいのか、探してみたいと思うようになったのです。
まだ、妻には言えないことですけどね。
👩⚕️篠原:
……黒川さん、ようやく、その言葉が出てきたのですね。
「医師という立場を、一度忘れてみたい」――
それはきっと、
今の黒川さんにとって、
とても大きな内的変化のあらわれです。
やるべきことや果たすべき役割が何層にも重なってきた人生の中で、
それらを「一時的に降ろしてみたい」と思えることは、
心が少しずつ余裕を取り戻し、
自分の内側に耳を傾ける準備ができた証拠です。
社会的な肩書きや責任感は、
ときに私たちの「本音の声」を遠ざけてしまいます。
でも黒川さんが、
「それを一度外してみよう」と考え始めたのは――
本当に生きたい自分と静かに出会いたいという、
深い願いが芽生え始めたからなのだと思います。
もちろん、
現実的な条件や家族への配慮があることも、
よく分かります。
すぐに環境を変えることはできなくても、
まずは「思考のなかだけでも、自由になってみる」ことが、
とても大切なのです。
黒川さんがその思いを口にしてくださったこと自体が、
私はとても尊い一歩だと感じています。
この芽生えをどう育てていくのか。
今日のカウンセリングでは、
そのヒントをご一緒に探していけたらと思います。
[3]🌏他の世界を見たくて
👔黒川さん:
妻や家族、
そして勤め先の病院には言いづらいことなのですが、
医師以外に、他にも収入の手段があるのでは、
と思うようになったのです。
人生には生きていくために、
いろんな選択肢があるはずなのに、
医学部を卒業したこと、
内科医として長年やってきたこと、
これらのことに、こだわり過ぎているのではないか、
と思うようになったのです。
じゃぁ、具体的に何をするか、まで結論は出ていません。
医師以外の職業や働き方で、
収入をそんな簡単に賄えるとは思いません。
ただ・・・
もっと他の世界を見たくなったのです。
これって、夢物語でしょうか?
👩⚕️篠原:
夢物語――
いえ、私はそうは思いません。
むしろ黒川さんが今、
「医師以外の可能性」に少しでも心を向け始めていること、
それこそが、心の旅における大きな転換点なのだと思います。
たしかに現実は厳しいものです。
医師としてのキャリアがあり、家庭もある中で、
今すぐに別の職業に就くというのは、簡単なことではありません。
けれど、
「見たい世界がある」
「ほかの生き方があるのでは」と思う気持ちは、
抑え込むものではなく、
これからの人生における羅針盤になってくれるものです。
実際に転職をしなくてもいいんです。
重要なのは、「そういう考え方もあっていい」と、
自分の中に新しい可能性の窓を開けておくこと。
黒川さんはこれまで、
「責任ある大人」
「稼ぐ父親」
「専門職としての役割」を
誰よりも真摯に背負ってこられました。
だからこそ、いま、
その枠の外側を見てみたいと感じるのは、
決して逃げではなく、
「内面の成熟」から来る自然な欲求なのです。
夢を持つことは、現実逃避ではありません。
夢を描くことが、
現実を少しずつ動かす第一歩になることもあります。
無理に何かを決める必要はありません。
まずは、心の中で「こうだったらいいな」という仮の未来を、
自由に描いてみることから始めてみましょう。
その絵は、きっと、
これからの黒川さんの歩みに光を差してくれるはずです。
[4]🏠 家庭のために、もう一度
👔黒川さん:
ありがとうございます。
子供みたいなことをいってるのかな、
と恥ずかしく思っていましたが、
先生に肯定していただいて、心の重荷がとれました。
夢は持ちながら、何をしようか、
ゆっくり考えていこうと思います。
その夢、やりたいことは、
家庭にもう少し経済的な余裕が出てから、
そして、妻が納得してくれてからの話だと思います。
現実的には、その夢をいつか叶えると準備をしながら、
勤め先の病院で、復職するのがよいと思います。
明日から、いきなり復職は無理ですが、
一時的、いえ、もしかしたら、
定年まで続けられるかもしれませんが、
仕事や職業のためではなく、
家庭のために復職を目指そうと思います。
現在休職中と言っても、退職ではないので、
定期的に勤め先の病院へ、生活の状況や、
体調などを連絡することになっています。
とは言っても、勤め先の心療内科へ
2~3週間毎に通院しているので、
それが連絡となっていますけどね。
👩⚕️篠原:
黒川さんが今、
「家庭のために復職を目指す」とお話しくださったこと――
そこには、以前の「義務としての復職」とはまったく異なる、
柔らかく、でも確かな決意が感じられました。
復職という言葉は、
しばしば「仕事に戻ること」だけを意味しがちですが、
本当に大切なのは、
どういう気持ちで戻るかという内面の姿勢です。
かつての黒川さんは、
「職場に戻らねばならない」
「仕事を全うしなければならない」と、
たくさんのねばならぬで、ご自身を縛っておられました。
でも今は、少し違いますよね。
たとえその職場が、
自分の希望する場ではなくても――
「家族のために、今はこの道を選ぶ」と、
ご自身の意思で方針を定めようとしておられる。
その変化は、
心の回復が、確実に一歩進んでいる証拠です。
未来の夢を持ちながら、
現実と誠実に向き合っていく。
その姿勢こそ、これからの黒川さんの人生を
しなやかに支えてくれる「生きる軸」になるのだと思います。
通院による連絡も、
今の黒川さんが職場との繋がりを保ちつつ、
無理のないペースで復職への準備を進めている証です。
それで十分です。
焦らなくて大丈夫です。
「今の自分にできる形」で関わり続けることこそが、
本当に意味のある、勇気ある行動なのですから。
[5]🔥 試される怒りのエネルギー
👔黒川さん:
なるほど、ですね。
ただ、そこで、私にとって問題が発生したのです。
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🍀仕事を辞めたい内科医👨🏻⚕️(セルフケア特別版)
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