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#058|世界放浪-ユーラシア横断編-Day23🇰🇬|旅の偶然が連れてきた、キルギスのディープな世界

前回はこちらから。


ビシュケクの宿で出会った旅人二人とカラコルで再会した。
そのうちの一人の縁で、キルギスで暮らす日本人とドライブへ。

自分一人では絶対にできなかった今日の旅。
旅先の出会いと偶然が連れてきてくれた、ディープなキルギスに酔いしれる。


週一回、日曜朝一番のアニマルマーケット

今日は日曜日ということで、週に一度のアニマルマーケットが開くとのこと。
せっかくなので、ドライブの集合前に我々旅人三人でその市場へ向かった。

朝7:30アニマルマーケット会場に到着。
既におびただしい数の人と家畜が敷地いっぱいに広がっていた。

牛、馬、羊、ヤギ。
動物ごとに、なんとなくエリアが分かれている。

ただ、市場といっても想像していたような激しい競りがあるわけではなかった。
大声で値段を叫び合い、熱気に包まれて売買される…という感じでは全くない。

もっとヌルッとしている。

飼い主らしき人と買い手らしき人が話す。
なんとなく話がまとまる。
すると、家畜がヌルッと荷台へ乗せられていく。

ヌルッと売られ、ヌルッと運ばれていく。
当たり前でないことが淡々と目の前で起きている。


キルギスに行き着いた人たち

9:00、本日のドライブ集合場所へ。
キルギスで暮らす日本の方たちと合流した。

現役でJICA海外協力隊として活動されている人たち、そして以前その活動でキルギスに来た後、再度この国に戻って暮らしているという人も。

旅人とはまた違う形で、海外にいる人たち。

それぞれに、海外にいる理由があり、キルギスへ行き着いた理由がある。
協力隊に憧れがあった人。
環境を変えたかった人。
新しい挑戦として来た人。

同じ「海外にいる」でも、その形は本当に色々ある。

消費者として国から国へ移動している旅人という自分とはどこか対照的に思え、こういう生き方もかっこいいなと、そしてシンプルにすごいなと思った。

なかなか直接話をする機会のない人たちとの話は、自分の中の選択肢を少し増やしてくれるし、価値観を広げてくれる。
「こういう生き方もあるんだ」と知るだけで、人生の見え方は少し広がる。

それがやっぱり面白い。


名もなき道、名もなき景色の美しさ

車はカラコルの街を離れ、東部の山中へ入っていく。

山には雪が残り、花が咲き始め、緑の大地は果てなく続く。

名前のついた派手な観光地へ向かっているわけではない。
それなのにずっと美しい。

何度か車を止めてもらい、写真を撮る。

一つひとつは、名もなき道、名もなき場所だ。

でもそういう名もなき絶景こそ、後から思い出したときに鮮明な記憶として蘇る気がする。


川辺でピクニック

昼食には、川のほとりでピクニックを。
車を止め、荷物を広げる。

サラダを作り、パンを切り、サラミとチーズを挟んで食べる。
食後には川で冷やしておいたスイカをみんなで。

気候も完璧。
日差しがポカポカと暖かく、時折吹く風が涼しさを運んでくれる。

絶景の中、なんという幸せ…、なんという優雅な時間…。


放牧地のユルトへ

さらに車を走らせ、実際に地元の人たちが暮らす放牧地へ向かった。

夏の間に家畜とともに山へ上がり、ユルトで暮らす人たちがいる。
そういう夏の放牧地を現地では「ジャイロー」と呼ぶらしい。

この日は、そのジャイローにあるユルトを訪ねることになった。

もちろん、観光客向けに整えられたユルト体験ではない。
現地の人たちが実際に夏の間を過ごす場所だ。

アポなし訪問の後、直接交渉。
みな、キルギス語やロシア語が話せる。頼もしすぎる。

自分一人ならまず来られなかった。
間違いなく。

仮にこの場所までたどり着けたとしても、遠くから眺めて終わりだ。
そこに誰がいて、どういう暮らしをしていて、何を話しているのか。
何も分からないまま通り過ぎていたと思う。

ひとり旅をしていると、自分の足でどこへでも行けるような気がしてしまう。
でも実際には、ひとりでは行けない場所がたくさんある。


「やっぱりジャイローのクムズに限りますわ~」

ユルトでは、クムズをいただいた。

クムズは、馬乳を発酵させた飲み物だ。
いわゆる馬乳酒。

作り方も見せてもらった。

燻した容器に馬乳を入れる。
それを何度も何度も、1000回以上はかき混ぜるとのこと。
そうすることで発酵し馬乳酒になっていくのだとか。

匂いは、かなり独特だった。

燻製のような香り。
酸っぱい匂い。
乳製品っぽさ。
その全部が混ざっている。

クセは強いが、比較的飲みやすい。
どうやら新鮮なクムズは飲みやすいらしい。

今日まさにこのユルトで作られたもの。
これが他の所で飲むと、時間が経ち、味は落ち、クセが強くなって飲みにくさが増してしまうんだとか。

そんな話を聞きながら、
「やっぱりジャイローのクムズに限りますわ~」
なんて言いながらみんなで笑う。

いや、普段からクムズを飲み比べている人みたいに言うな。笑

でも、こういうしょうもない一言ほど旅の中で残ったりする。


温泉でのんびりと

山を下り、街の方へ戻る。

途中で温泉に立ち寄った。

湯加減はちょうどよく、のんびり入るには十分。

ここでも改めて、現地で暮らす人目線でのキルギスという国の話をたくさん聞いた。
人は思っているより、色々な場所で、そして色々な形で生きていけるのかもしれない。

そんなことを、温泉に浸かりながら考えていた。


最後の晩餐

カラコルの街に戻ってきて、夜はみんなで夕飯へ。

ここでも話は尽きない。

旅先では不思議なくらい深い話になることがある。

普段の人間関係では少し重く感じるような話でも、こういう場所では意外と自然に話せる。
たぶん、互いの背景を深く知りすぎていないからだと思う。

立場が違う。
暮らしている場所も違う。
これまで選んできた道も違う。

そしてこの先、二度と会う機会が訪れないかもしれない…。

だからこそ、少し踏み込んだ話ができる。

一瞬の出会いなのに、妙に濃い。
だからこそ、濃いのかもしれない。

あっという間に時間は過ぎ去り、ついに別れの時が来た。
本当にディープで最高に充実した一日、この出会いに感謝しかない。

これだから旅はやめられない…。


キルギスを振り返って

この日でキルギスは最後、明日カザフスタンへ抜ける。

改めて、キルギスは本当にいい国だったなと。

圧倒的な大自然。
旧ソ連圏らしい街の雰囲気。
少しシャイだけど、優しい現地の人々の雰囲気。
物価は安い。
ご飯も美味しい。
温泉もある。

そして日本からも比較的近い中央アジアという立ち位置。
いきなりリピート候補。

もちろん二週間程度の短い滞在でその国の全部が分かるわけではない。
良いところだけ見ている部分もあるだろう。

それでも、この国にはまた戻ってきたいと思った。

もっと急がずに。
何かを回収するためでもなく。
ただこの国の中で、もう少し長く時間を過ごしに。


~Special Thanks~

偶然の出会いがさらに別の出会いへとつながっていった不思議な縁…。
改めてありがとうございました!!!


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