#063|世界放浪-ユーラシア横断編-Day31~35🇰🇿|消えた都市サライシクと、境界の街アティラウ|海外旅行|一人旅
前回はこちらから。
カスピ海から、ウラル川の街へ
アクタウでのマンギスタウツアーを終え、列車で次の街アティラウへ向かった。
所要時間は約19時間30分。
13時20分に出発し、翌朝9:00前に到着予定だ。

再びひたすらにカザフスタンの広い大地を列車でのんびり進んでいく。


アルマトイからの53時間の列車の後だと、不思議とすべてが短く感じてしまう。
ヨーロッパとアジアの境目
翌朝、定刻にアティラウに到着した。

宿にチェックインし、少し休んでから街へ出る。
アティラウは、ウラル川沿いに広がる街だ。
地理上、この川をヨーロッパとアジアの境界の一つとして扱うことがあるらしい。



川の西側がヨーロッパ。
そして東側がアジア。
一応、それぞれの側に「Europe」「Asia」のようなモニュメントもある。


でも実際に渡ってみても、当然ながら何も変わらない。
橋のこちらも向こうも、ただの"アティラウ"という街でしかない。
それでも地理的にはここが境目になる。
ヨーロッパとアジアの境界。
言葉にすると大きい。
でも現地に立つと何でもないほどにあっけない。
境界なんて案外そういうものなのかもしれない。
こんなところに日本人
宿には日本人が一人いた。
こんな所に日本人がいるとは思わなかった、とお互い笑う。
28歳でかなりの歴史好き。というか歴史オタク。
自然や風景よりも、歴史的な遺跡や遺産に全振りして旅をしているらしい。
旅の形は、旅人の数だけある。
絶景を追う人。
食を楽しむ人。
国境越えにロマンを感じる人。
都市の空気を見る人。
そして、遺跡を巡るために旅をする人。
そんな当たり前のことを改めて考える。
自分の旅の形って何だろうか…。まあなんだっていいか。
そして彼がアティラウに来た理由は、近郊にある「サライシク」という遺跡だった。
正直、アティラウは街歩きくらいしかすることがないと思っていた。
せっかくなので、そのサライシクへ行ってみることに。
サライシクへ
翌日、バスでサライシクへ向かった。
103番のバス。
料金は500KZT(≒170JPY)。
1時間ほどの道のりを行く。


やがて到着。
想像していたよりもずっと何もない。

まずは博物館へ。
自分以外の客は誰もいなかった。貸切。

入場料を払い、中へ入る。
展示を順に見ていくと、少しずつサライシクの輪郭が見えていく。
かつてここには、交易の要所として栄えた都市があった。
君主が埋葬され、商人が通り、旅人が訪れた場所だったという。


今この周辺にある景色からはとても想像できない。
都市だって永遠には続かない
博物館を後にして、サライシクのかつての都市の跡に立つ。
今ここにあるのは、僅かな遺跡、小さな集落、そして静かなウラル川のみ。






かつての都市の面影はほとんど何も残っていない。
ここに大きな都市があったと言われてもにわかには信じられない。
でもだからこそ面白い。
都市というものは、土地そのものに永遠に宿るわけではない。
その時代の交通。
権力。
経済。
技術。
そういうものが重なった時、ある場所が都市として選ばれる。
サライシクは、ウラル川と草原を結ぶ交易の中で栄えた街だった。
しかし、戦乱や時代の変化を経てその都市は姿を消していった。
今自分たちが大都市だと思っている場所も、千年後には跡形もなくなっているかもしれない。
逆に今は何もない荒野が、未来には大都市になっているかもしれない。
都市も、国も、繁栄も、決して永遠ではない。
そんな当たり前のことが、何もない場所に立つと妙に現実味を持った。
アティラウへ戻る
博物館をじっくり回ったせいもあり、帰りの最終バスを逃した。
というか最終バスは14時半発、早すぎる。
博物館のスタッフに帰る手段がないか相談すると、シェアタクシーを手配してくれた。
狭い乗用車に、助手席と後部座席あわせて客が4人。
普通に狭い。
しかしアティラウまで約50kmの道のりが、たったの800KZT(≒270JPY)。
安すぎるので文句は言えない。
やがて街に到着、無事帰ってこられた。
宿へ帰る途中にサッカーコートを見つけた。
といってもフットサルコートより一回り大きい程度。
その中で異常な数の子どもたちが遊んでいる。
サッカーだけではない。
自転車に乗る子。
バレーをする子。
ギターの弾き語りをする子。
ただただ座っておしゃべりする子。
なかなかのカオスだった。
少し眺めていると、あっという間に人だかりができた。
「ヤポーン!」
日本人だと分かるだけで大盛り上がりだ。
しばらくすると、英語を少し話せる子が現れた。
彼が通訳になってくれ少し交流。
どこから来たの?
何しに来たの?
何歳なの?
一人なの?
家族は?
結婚してないの?
いつもの質問ラッシュだ。
そしてそのままサッカーに混ざり、結局1時間以上遊んでいた。


サッカーをやっていてよかったなあと、改めて思う。
中国でも、キルギスでも、そしてこうしてカザフスタンでも、何だかんだで地元の子どもたちとサッカーをしている。
言葉が通じなくても、ボールがあれば心を通わせられる。
この旅で何度もそれを実感している。
アジアとヨーロッパの境目を歩き、過去の大都市の歴史に触れ、最後は地元の子どもたちと言葉を越えた交流をする。
最初は特別何もないと思っていたアティラウで、意外と濃い時間を過ごしてしまった。
これでカザフスタン編は終わり。
次は、いよいよロシアへ向かう。
