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【七つの会議】半沢直樹ファン必見の企業ミステリー。人材業界で泥水をすする男が八角と北川の激突に涙する理由

「鬼が来る」

この身の毛もよだつ最初の一言から始まるこの作品は、
一度再生ボタンを押したら最後、
息つく暇も与えぬ圧倒的な引力で最初から最後まで一気に見入ってしまう恐るべき映画です。


池井戸潤原作、福澤克雄監督による『七つの会議』


本作は胸がすくような単なる企業エンターテインメントではありません。
日々ノルマと理不尽なプレッシャーに追われるすべてのビジネスパーソンに贈る、
極上のホラー映画であり痛烈なブラックコメディとして全力でお勧めしたい一本です。


予測不能なストーリーと圧倒的な「顔圧」

舞台は中堅メーカー「東京建電」。

会議中も居眠りばかりしている万年係長・八角(野村萬斎)がトップセールスマンのエリート課長(片岡愛之助)をパワハラで訴えるという、
昨今のコンプライアンスの隙間を突いたような事件から物語は幕を開けます。

そしてその不可解な人事の裏から利益至上主義が生み出した「データ偽装」という想像を絶する巨大な闇がズルズルと引きずり出されていくのです。

見どころはなんといっても豪華俳優陣による「顔圧」のぶつかり合い。

絶対的権力を持つ営業部長・北川(香川照之)が会議室に降臨した瞬間のあの胃がねじ切れるような空気感たるや。

スクリーンいっぱいに映し出されるおじさんたちのテカテカの脂汗と、
狂言・歌舞伎界の重鎮たちが繰り広げる尋常ではない顔面演技は、もはや日本の新たな伝統芸能の域に達しています。


組織の狂気と我が身の偽装・隠蔽

会社を存続させるためなら多少のデータの改ざんは許されるのか?

映画はそんな正義を我々に突きつけてきますが、
翻って自分の日常を振り返ってみると全く笑えません。

昨晩などは良かれと思って急いで帰宅した結果、
我が家の最大ステークホルダー(妻)が全神経を研ぎ澄ませていた5歳児の「寝かしつけオペレーション」を最悪のタイミングで破壊。

その重大なコンプライアンス違反の事実を必死で隠蔽(平謝り)しようとしたばかり。

スケールこそ違えど私も立派な「偽装」と「隠蔽」のプレイヤーなのだと妙なリアリティを持って背筋が凍ります。


働くすべての人に突き刺さる極上のカタルシス

そんな薄汚れた中年営業マンの小さな罪悪感すらも一瞬で吹き飛ばしてくれるほどの圧倒的なカタルシスがこの映画には用意されています。

「会社の常識は、社会の非常識」

誰が悪で誰が正義なのか二転三転するミステリーに釘付けになり、
終盤で八角と北川が真っ向から対峙するシーンでは気づけば熱い涙(あるいは冷や汗)を流していることでしょう。

「半沢直樹」ファンなら思わずニヤリとしてしまう、東京中央銀行の名刺が一瞬登場する胸熱なファンサービスも見逃せません。

休日の夜、家庭内に潜む「本当の鬼(妻)」の冷ややかな視線から逃れるように自室へ引きこもり、
暗闇で息を潜めて鑑賞するにはこれ以上ない最高の一本です。

ただし、あまりの面白さに途中で一時停止することが不可能となるため、翌日の深刻な睡眠負債にはくれぐれもご注意ください。

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