【読書記録 -95】7つの習慣
真の成功を手にするための不変の原則
この分厚いハードカバーの本…『7つの習慣』を手に取ったことがある人は多いだろう。
かくいうボクも2年前にこの本を読んだ。
いや、正確に言うと「読もうとした」というのが正しい。結局その時は途中で投げ出してしまったからだ…
要は(以前に書いたことがあるが…)当時のボクには、外山滋比古氏の言うところの「アルファ読み」しかできなくて、今年になってやっと「ベータ読み」ができるようになったということなんだろう。
さて、言わずもがなだが…
本書の著者 スティーブン・R・コヴィーは、世界で最も影響力のある経営思想家の一人と称され、特定の文化や時代に左右されない「普遍的な真理」をビジネスや家庭の場で実践できるよう体系化した人物だ。

パラダイムと原則
本書の根幹となっているのは「パラダイム(自分自身の世界の見方)」を根本から転換すること、そして「インサイド・アウト(内面から外側へと働きかけるアプローチ)」の考え方によって、自分の内面(人格)を磨き、真の成功と幸福を手に入れるというゴールを目指すことだ。
原題が『The Seven Habits of Highly Effective People』なので、この日本語表記の「習慣」とは、意識的に行う「ルーティーン(Routine)」ではなく、無意識下における「考え方の癖」や「思考の特性」(Habits)のような意味合いなんだろうと思う。
そして「7つ」と題されているものの、実際には①依存状態から脱却して自立し、それができるようになったら②相互依存の状態を作る、そして③その状態を維持向上するために、自分自身を磨いていこう…という3つのステップが書かれているに過ぎない。
「P/PCバランス」とは
そのステップの効果測定基準として「P/PCバランス」という概念が提唱されている。それは「達成したい目標(P:Performance)」と「それを達成するために必要な能力(PC:Performance Capability)」のバランスを指している。日本語的な表現をするなら「啐啄同機(そくたつどうき)」といったところだろう。
機が熟すタイミングを捕まえないと、何事も上手くいかないもんだ。いくら「目標を達成したい!」という思いが強くても、それを実現するための能力が足りなければ目標を達成できないばかりか、自己肯定感を減衰させてしまう原因になるだろう。
とはいえ、タイミングを待っているだけでは「P/PCバランス」を向上させることはできない。いや、誰でも「P(目標)」は高く持とうとする傾向があるが「PC(目標を達成するための能力)」がそれに追いつかないと言った方がいいかもしれない。
「PC」を向上させるには時間が必要
コヴィーはそれを「第2領域」と呼んでいる。
それは「第1領域(日々の生活における問題対応)」以外の、人脈づくりや自己研鑽などに費やす時間だ。この「第2領域」の活動に時間を投資しない限り「PC」を向上させることができず、「PC(目標を達成するための能力)」が向上しないと「P(目標)」に到達することはできないのだ。
そのためには「お金」が必要だ。
禅問答のようなお話になってしまうが、「P(目標)」を達成するためには自己投資が必要で、そのお金を稼ぐために時間を費やしてしまうと自己投資のための時間を失ってしまう。だから「P/PCバランス」の考え方が重要になる。自分に与えられた環境の中で最善を尽くすことが重要なのだ。
できることはいろいろあるだろう。
日々を無駄に過ごしてしまわぬよう時間を整理すること、自分より高い能力を有している人にルーティーンワークの一部を委任すること、後々大きなロスを生まないよう定期的にメンテナンスをしておくことなどだ。だが、どんな時でも重要なのは、周囲の人たちと接するとき… 特に「P(達成したい目標)」に関する問題が起きたときに、その解決に対する真摯な姿勢こそが「PC(目標を達成するために必要な能力)」を向上させる絶好の機会だと捉える「インサイドアウト」の考え方だ。
以上のことを踏まえた上で、『7つの習慣』の全体像を3つのステップに沿って紹介していこうと思う。
【ステップ1:私的成功】依存から「自立」へ
自分自身をコントロールし、自立した人間になるために必要な行動
第1の習慣:主体性を発揮する:自分に起こる出来事や環境のせいにせず、自分の人生に対する「責任」を引き受けなければならない。自らの価値観に基づいて行動を選ぶことが重要なのだ。
第2の習慣:目的を持って始める:人生のゴール(自分がどうありたいか、何を大切にしたいか)を明確にしてから、日々の行動を始めなければならない。言い換えると、自分自身の憲法となる「ミッション・ステートメント」を持つべきなのだ。
第3の習慣:重要事項を優先する:ゴールを達成するために、自分自身をマネジメントしなければならない。第2領域(人脈作りや自己研鑽など)に優先して時間を投資することがゴールへの近道となるからだ。
【ステップ2:公的成功】自立から「相互依存」へ
自分が自立した上で、他者と深く有意義な関係を築き、一人では達成できない大きな成果を出すために必要な行動
第4の習慣:Win-Winを考える:自分の意見だけを押し通したり(Win-Lose)、相手に妥協ばかりしたり(Lose-Win)するのではなく、全員が心から納得できる解決策を探す姿勢を持つべきだ。双方にとって有益でなければ、サステナブルな関係を構築することができないからだ。
第5の習慣:理解してから理解される:自分の言いたいことを話す前に、まずは相手の立場に立ち、相手の感情や考えを深く理解しようとするべきだ。信頼関係を築いた上で自分の考えを論理的に伝えることこそが、本当の対話を可能にするからだ。
第6の習慣:相乗効果を発揮する:お互いの違いを尊重し、妥協案ではなく「第3のより良い案」を生み出すことを模索すべきだ。クリエイティビティな協力関係を構築することが相乗効果を生むことにつながるからだ。
【ステップ3:再新再生】継続的な向上
ここまでの6つの習慣を支え、さらにレベルアップさせるための行動
第7の習慣:刃を研ぐ:最も大切にしなければならないのは自分自身という資源だ。「肉体」「精神」「知性」「社会・情緒」という4つの側面をバランスよく鍛え、休息や自己投資の時間を定期的に取ることによって、他の6つの習慣を実行する能力が高まるからだ。
これら「7つの習慣」をバラバラに行っても意味はない。
第1から第7までを関連づけて日々の生活に落とし込むことによって、螺旋階段を登るように、継続的な成長を続けることができるのだ。
参考リンク集
・フランクリン・コヴィー・ジャパン:公式ウェブサイト
・Amazon『7つの習慣』書籍紹介ページ
