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被爆80年 /2024/ スキャンデータを使用した原爆ドームfbxアセットの制作

原爆ドーム3Dスキャン

 2017年、広島平和記念資料館東館がリニューアルされ、広島県産業奨励館と原爆ドームの 1/00サイズのブロンズ模型が設置された。

 このブロンズモデルは広島市の被爆70年の2015年に実施された「障碍者ピースアート事業」の「ヒロシマにさわろう ~手でさわる平和記念公園の制作~ 」により制作されたもので、視覚障害者が、平和記念公園内の建造物などを理解しやすいよう、実際に手で触ることができるブロンズモデルとして製作されたものである。産業奨励館は図面をもとに制作できるが原爆ドームの複雑な形状をモデル化するためにレーザースキャナーを使用して3Dモデル化しその3Dプリンター出力を鋳型として製作することとなった。
 本学で原爆ドームの配信モデルを制作するために、原爆ドーム外側のスキャンデータを保有していたことから、ヒロシマにさわろう」プロジェクトに協力する形で、内部スキャンデータを加えて3Dデータを作成することとなった。2015年10月22日、広島市立大学と共同調査を実施し、4月に実施した8か所のスキャンデータに加えて15か所の内部スキャンを実施し 同時に内部再現のテクスチャーデータとして4K撮影を行った。

原爆ドームスキャンポイント(27地点を表示)

 FOCUS 3Dでスキャンしたデータは FARO SCENEを用いて点群座標データとして再構成を行う。点群データには色情報を付加することができ、FARO SCENE 2017バージョンからはVRモード対応となり、サンフレッチェ広島ピースマッチ企画でVR(点群)による原爆ドーム体験等で使用した。
 2024年10月、あらためてFARO SCENE 2024を使用し、原爆ドームデータの再処理を行った。

FARO SCENE 2024を用いてスキャンデータを再処理・可視化

Reality Capture

 Reality Captureは Unreal Engineを提供するEpic Games社が提供するフォトグラメトリソフトウェアであ。写真を使用して3Dモデルデータを生成するアプリケーションであるが、写真の代わりにスキャンデータを使用し、より精度の高い3Dデータを作成することができる。Reality Captureで認識できるスキャンデータは .e57 フォーマットファイルであり、 SCENEの「エクスポート」・「プロジェクト点群をエクスポート」と進み、 .e57ファイルをエクスポートする。(スキャンごとのファイルではなく、1つに統合されたファイルとしてエクスポートする。尚、事前に空中のスキャンノイズ等を取り除く。)
 FARO SCENEのスキャンデータにはスキャンされた点群の座標データと、各点に色をつけるためのテクスチャーデータが含まれており、.e57データをエクスポートする場合、色データを付加するチェックを入れておく必要がある。

位置合わせを行ったスキャンデータを .e57フォーマットで出力

 Reality Capturを起動し、縦三画面構成に設定した後、ワークフロー、レーザースキャンと進み、SCENEで作成した .e57 ファイルを指定する。
 インポートの設定は「正確-既存の登録情報を使う」を確認し、出力するワークファイルを収納するフォルダを指定して「OK」のボタンを押す。

レーザースキャンデータ(.e57)のインポート

 データ読み込み後、ワークフローからアラインメントを実行する。

アラインメントの実行

 アラインメントを実行後、モデルを作成するエリアをボックスで囲う。SCENE 3DをVIEWに切り替え、上や前、左右に視点をきりかえながら対象物をボックスで囲う。

SCENE3DのVIEWから「遠近法」を前に変えて上下を指定
視点を上に変えて対象範囲を指定

 対象物をボックスで囲い、「ワークフロー」の「アライメント」を実行する。アラインメントの処理が終了したら「モデルの計算」を実行し、点群データに面を張る作業を行う。
*PC・グラボの性能にもよるが原爆ドームのような複雑な対象物のスキャンデータは点の数が多い(3億2千7百万)ためそれぞれの処理に60分程度かかる。

データ入力後「アラインメント」「モデルの計算」を実行

 ワークフローのメニューに従い、「簡素化」「テクスチャ」「色付け」の処理をそれぞれ行う。

このままでは面の数が多すぎるため、簡素化の作業を実行する。
「簡素化」の処理後「テクスチャ」「色付け」を実行する。

 アライメントで得られた点群データに面を張り(モデルの計算)、面数を調整(簡素化)したあと、ポリゴンの点と面に色をつけて(テクスチャ、色付け)をノイズの面ができるため、SCENE 3DのVIEWモードを Solidに切り替え、SCENE 3DのTOOLSの Lasso(投げ縄ツール)でノイズ面を囲み、Filter Selection(選択面を削除)を繰り返すことで、ノイズ面の削除を行う。

ドーム上部のノイズ削除 1 投げ縄ツールで面を囲う
ドーム上部のノイズ削除 2 投げ縄でセレクトした面を削除
余分な面を削除後 SCENE 3DのVIEWをSweetに戻す。面の裏側は青く表示

 ポリゴンの修正を行った後は、もう一度ワークフローから「テクスチャ」を適用し、完成したオブジェクトを fbx形式で出力する。
 ワークフローから Export を押し、Autodesk's file format(*.fbx)を選択し、変換プリセットに Unreal があることを確認しOKを押す。

Autodesk's file format(*.fbx)を選択
テクスチャオプションが「はい」になっていることを確認しOKを押す

Unreal Engineへの配置

 配置した原爆ドーム内を探索する目的でサードパーソンモードで原爆ドームアセットの配置を行った。Unreal Engineはもともとはゲーム開発ソフトウェアであるが、今日では映像制作や3D空間の制作にも使用されている。一人称目線のファーストパーソンモードやVRモード等の設定も可能であるが、標準的な人間(昔の人間の身長を考えて少し縮小)を置きサイズ感を知る目的でサードパーソンモードを使用した。サードパーソンモード標準の床は狭いので標準のゲーム用オブジェクトを全て削除し、床をX軸、Y軸方向それぞれを50倍に拡大し、スタートポイントを床のほぼ中央に移動した。
 ソースブラウザを開き、Reality Captureで作成した fbxアセットをドロップし。さらにソースブラウザからfbxアセットを床にドロップすることにより原爆ドームアセットを配置できる。配置したアセットを選択すると詳細のトランスフォームの位置、回転、拡大(1倍)を変えながら床の中央に配置した。

コンテンツブラウザに fbxファイルをドロップ
コンテンツブラウザからアセットを配置し、位置を調整

 原爆ドームアセットの中に入り込めるよう、アセットのコリジョン設定を行う。コンテンツドロワーの「表示」から「単純なコリジョン」を選択し、「コリジョンを取り除く」を実行し、あらかじめデフォルトのコリジョンを取り除く。ふたたび「コリジョン」から「自動凸型コリジョン」を選択し、画面右下の「凸型分解」の「ハルカウント」「マックスハル」の値を入力、適用しながら調整し、キャラクターが通り抜けられるような空間を設定する。
注)学生が新しく発見したポリゴン単位でコリジョン設定を行う方法を実施する方が良い。

以下の記述は上の新方式を参照。
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デフォルトのコリジョンを取り除く
「自動凸型コリジョン」を選択し、コリジョンを調整する

 コリジョンの再設定を行うことにより、ゲームモードで原爆アセットの中に入り込み探索ができるようになった。


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