【高校受験:息子|ep14】言葉にならなかった気持ち
前回までのお話
通級の先生からの連絡を読んだ後、
私はそのことについて考えていました。
息子は私に、
「朝がしんどい」
とは一度も言わなかったな、と。
機嫌が悪くなる。
返事をしない。
不満そうな顔をする。
けれど、
本当の理由は何ひとつ言葉にしていませんでした。
そう気づいた時、
受験の話になるたびに息子が口にしていた、
あの言葉を思い出しました。
「めんどい」
怒り混じりに吐き出していたあの言葉。
私は、
何がそんなにめんどいんだろう。
どうして話し合おうとしないんだろう。
そう思っていました。
でも、
息子の怒りに飲み込まれないように、
膝を突き合わせて話した時、
息子が抱えていたのは、
「めんどい」
じゃありませんでした。
「高校が怖い」
「友達ができないかもしれない」
そんな気持ちでした。
「めんどい」の奥にあったのは、
まだ経験したことのない世界への不安でした。
私はたまたま、
その気持ちを聞くことができました。
そして今回も、
通級の先生を通して、
息子の言葉の奥にある気持ちを知ることができました。
人って、
口から出る言葉が全てじゃない。
当たり前のことなのに、
私は改めてそう思いました。
その時、
ふと浮かんだんです。
あれ。
私も同じだったかもしれない。
寂しい。
苦しい。
助けてほしい。
そうやって言葉にできたことが、
私にはどれくらいあっただろう。
言っても仕方ない。
そう思って、
黙る。
元気がなくなる。
ため息が増える。
笑えなくなる。
でも心のどこかで、
気づいてくれないかな。
そう思っていた。
「言わなくても分かってほしい」
そう思っているんだと、
ずっと思っていました。
でも違いました。
言わなくても分かってほしかったんじゃない。
言葉にできないくらい苦しかった。
だから、
誰かに気づいてほしかった。
息子の姿を見ていたはずなのに、
思い浮かんだのは
あの頃の自分でした。
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