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【受験学年対象】大受小論文学習の時事問題対策には「中受のニュース解説本」が使える!(2025年版)【小論文対策】

更新日:2025/11/07

 小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導で教えている、作文・小論文・志望理由書作成における実践的な技法をレクチャーするのが、このシリーズ【文章作成の実践】。

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(〆野の自己紹介はこちらから見られます。)


小論文学習の時事問題対策にこれを使ってみて!

 去年も同じ時期に記事にしたことですが、今年もこれを声を大にして言いたいです。それは大学受験の小論文対策に「中学受験のニュース解説本」が使えるということです。

日々の指導で痛感する「社会問題・時事問題に対する理解の欠如」

 普段、小論文の添削指導をしている中で一番痛感すること、実はそれは「文章作成力の不足」ではありません。noteで日々記事を書かれているみなさんなら自身の肌感覚でわかると思いますが、文章作成力は毎日文章を書いていれば上達します。「日本語が母語ではない方」はまた別として、日本語が母語である方なら日本語の文章を書く力は文章を書き続けることで身につきます。「文章作成力の不足」自体は、その受験生本人が小論文の勉強をあきらめない限り、最終的にはどうにかなる問題なのです。

 本当に一番の問題として私が痛感すること、それは「社会問題・時事問題に対する理解の欠如」です。「課題文章が読めていない」、「論理的な文章が書けない」以上にその問題で話題にしている社会問題や時事問題に対する理解が大きく欠落していることです。

 ご存じの通り、小論文の問題ではしばしば現代社会で問題になっていることがトピックとして挙げられます。このとき、そのトピックとなっている社会問題を論じる上で必要な知識が脱落しているために適切に論じることができていない答案をよく見かけます。小論文を作成するためには「総合的な力」が必要です。そこには課題文を読んだり長い文章を作成したりするための「国語力」もかかわってきますが、それだけではありません。その話題となっている社会問題がどういうもので何を問題としているのかがわかっていなければ、課題文への理解もおぼつかず論理的かつ現実的な内容の小論文を書くこともできません。「社会問題・時事問題に対する正しい理解」が必要なのです。

 ここである生徒さんの答案を見ていただきましょう。

 そうした問題(注:少子高齢化)に対する解決策として、医療を充実させて平均寿命をより上げるといったことが挙げられる。このように死亡者数を減らすことができれば人口は増加していくため、少子高齢化という問題は徐々に解消していくと私は考える。

ある生徒の小論文答案(一部)

 これはある生徒さんの小論文の結論部を〆野が少し改変したものです。読んでいただいて大人の方ならおわかりの通り、これは少子高齢化の解決策になっていません。そもそも「医療や福祉を充実させて死亡者が減り結果平均寿命が上がった」ことで引き起こるのが少子高齢化なのであり、この生徒さんは少子高齢化のメカニズムがわかっていないと言えます。それがさらに進行することでもたらされるのは「さらなる少子高齢化」であり、これは他の先進国の人口バランスを見てもわかることです。死亡者数を抑制し平均寿命をさらに上げたところで、出生数が今より上がらなければ人口は増加に転じないのです。このように、そもそもの社会問題への理解が大きく欠落しているために小論文が書けていないケースをよく見かけます。

時事問題の把握と理解に「中受のニュース解説本」が使える

 こうした社会問題や時事問題に対する理解を促進するためには、普段から新聞やテレビ、ネットで日々のニュースや時事問題にふれるなどの取り組みが必要です。小論文が自身の入試科目にあるとわかった時点でこうした取り組みを行うべきです。しかし、これは一つの理想であり、現実的な受験対策の勉強としてはやや効率的とは言えないのも事実です。受験生は小論文の勉強だけしていればいいというものでもありません。他の教科の勉強にも時間を割く必要があるでしょう。また、日々流れてくるぼう大な社会ニュースの全てに目を通して理解を深めるということは実際不可能です。

 そういう受験生のためにあるのが、いわゆる「小論文のネタ本」です。前述した「少子高齢化」の問題も今まで多くの小論文の問題で「何度もこすられてきた」、いわば「定番のネタ」なのです。こうした「小論文で頻出のテーマや社会問題」を集めて解説した「小論文のネタ本」が受験参考書としていろいろなところから出ています。英単語帳でも出題頻度順で整理されたものがありますが、その小論文版のような参考書です。これは、よく出る社会問題の理解を促し知識を補充するための本と言えます。多くの社会問題は一朝一夕で問題となったものではありません。たとえば環境問題は明治期の足尾銅山鉱毒事件などを考えれば、日本の近代化のはじまりから問題視されていたと言えます。このように、多くの社会問題は日本の近現代史を貫いていまだに社会の中で問題視されているものであり、またこれらは今までも度々小論文では話題とされてきたのです。それがこうした頻出テーマと言えます。

(「小論文のネタ本」の例。用途や志望学部・学科にあったものを選びましょう。)

 しかし、こうした「頻出テーマ」についての理解を十分にしていればいいかというとそうではありません。これらの本で学べることはあくまで「今まで過去に小論文の問題でよく扱われてきた社会問題」であり、「近年問題になってきたこと」はこの本の中では扱われていないことが多いです。たとえばAIは、それが長い間今に至るまで研究されてきたのは事実ですが、専門家のみならず一般的に私たちの生活で誰もが使うようになったのはごく最近のことであり、そのように一般化したことでもたらされる多くの問題が近年指摘されるようになりました。こうした時事性のある問題に対する理解については、この「ネタ本」だけでは十分に対応できません。

 また、小論文でどういった社会問題やテーマが出題されるかは、そのときの社会の時流に大きく左右されます。たとえば政治の問題で言えば今年「憲政史上初の女性総理の誕生」がありましたが、これを受けてジェンダーと政治との関係性などが小論文でも今年以降とり上げられるかもしれません。そのため、日々の社会の動向にも意識を向けておく必要があるでしょう。

 こうした「時事問題対策」に大いに役立つのが、この「中学受験の重大ニュース本」です。これは中学受験生を対象にした、今年起きた重大ニュースの解説本です。難関私立中学の受験でも、主に社会や理科などで時事性のある話題が問題としてとり上げられることが多いため、このような本がいろいろな塾や会社で作られています。これは当然小学生(中学受験生)向けなので、わかりやすく整理され解説しています。これを小論文対策として活用するのです。

 「小学生向けの本が役に立つのか」と多くの高校生は考えるかもしれませんが、中学受験参考書はバカにできません。なぜなら、難関私立中学の入試に求められる知識は一般的な大学入試のそれを越えるものです。十分使用に堪えられます。また、「小学生向け」だからこそ誰もが使用しやすいと言えます。これが「大人向けの新書や専門書を読もう」となったら、多くの受験生がついていけないでしょう。この「重大ニュース本」で、今年の時事問題を知り小論文の対策に活かしてみてはいかがでしょうか。

(各社から出ている2025年版・2026年度入試用重大ニュース本)

まとめ ~小論文を書くには「社会問題への理解」が不可欠~

 以上のように、小論文の勉強はただ「小論文を書く」だけでは十分ではありません。書くために前提となる知識をインプットすることも必要となってきます。

 多くの小論文では社会問題や時事問題が話題としてとり上げられます。いくら文章作成力があったとしても、その話題を知らなかったりそれを十分に理解できていなかったりしたら小論文を書くことをできるはずがありません。巧みな文章が書けても、知らないことを論ずることなどできないのです。

 ですから、この「重大ニュース本」で、今年社会の中で何が問題とされたかを学びましょう。文章を書くのに必要なのは「文章の書き方」といったアウトプット技術だけではありません。その話題に対する知識がインプットされていなかったら、それに対して自分の意見を提示して読み手を説得する文章など書けるはずないのです。

(ちなみに去年版の記事はこちら)


(その他の小論文作成のための記事は、こちらのサイトマップからお探しいただけます。)

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