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北海道のラベンダーグロワーが語る園芸用土についてのアレコレ。

えー、エフゲニーマエダが園芸用土の種類や機能について語ったnote記事で前作にあたるものが以下の記事!

前作と異なり、今回は完全にラベンダーを育てる目的でそれぞれの市販用土を評価していきます!
一応ラベンダー栽培についての用土のマイナーチェンジなど試行錯誤を7年やってきているので、一応の信頼性はあるかと思ってますw


黒土(リン栄養素を奪うデメリット)

黒土は園芸初心者から見ればピカピカの栄養満点な植物も大喜びの肥沃な土に見えますが、使用アッカーーーン!!!といった超辛口コメント。

なぜならば、黒土の土粒の中心核にあるのは植物片などの有機物ではなく、なんと火山灰の微塵。この火山由来の鉱物質が長期に渡って多くの雨を受け土壌が酸性に傾くとどうなるかというと…
活性アルミニウム(アルミニウムイオン)&活性鉄(鉄イオン)が湧き出てきて、土壌中にあるリン栄養素(P)をめちゃくちゃ奪って黒土に閉じ込めて"不活性化"してしまうのです!!
こうなると作物はリン栄養素を自分の成長のために使えなくなり、結果としてリン欠乏状態となってしまうデメリットを抱えた用土になります。

宿根草などの草花を数年間同じ用土で植えておくよ!という方はマジで黒土の使用に警戒しましょう。。。
鉱質用土なので腐敗(菌類繁殖)のリスクはありません。

実は土壌にアルミニウムイオンがうじゃうじゃだよ!というわっかりやすいサインがあります。それは「スギナがめっちゃ生えてくる」です。
スギナはアルミニウムイオン過多の障害を克服している植物種であり、スギナの密度が高いイコールそれを示しているんだそうです。

バーク堆肥&牛フン堆肥(黒土と似ていて非なるもの!)

主に期待する機能としては、用土のクッション性確保。
栽培用土での堆肥の比率をあげすぎると作物種によっては栄養過多になるので注意!

実際、黒土とはぜんぜん違うのがこの堆肥類。

市販の培養土には最低1/3くらいは含まれているんじゃないかと思ってみています。
黒土と共通しているポイントは色が黒い…つまり「腐植化していること」くらいじゃないでしょうか?
黒土は中心核構造が火山灰(鉱物性)なのに対して堆肥は植物片。なので腐敗のリスクがあります。雨が多く温暖な時期に急激に土壌菌類が増えて作物の根圏を菌類によって阻害されるリスクです。

堆肥とはほんっとうに簡単に説明すると、樹皮(バーク)や植物の細かい繊維などが、土壌微生物により不朽発酵され、その発酵分解レベルがかなり進んでいる状態の物体。なので菌類の分解生産物である腐植の色が出て黒いのです。

細かく説明すると、堆肥は植物性と動物性に分けられるそうです。
植物性はまさしく腐葉土バーク堆肥完熟ココピートなどでしょうかね?長年かけて土壌菌が有機物分の分解を頑張ってくれた産物です。
バーク堆肥は未分解で"大粒の木材片"が含まれているので、ラベンダー農家のおいらは重宝しています。(用土の水はけ性が通常堆肥に比べて高い!)

対して動物性堆肥とは、牛フン・馬フン・鶏糞など。あれ、鶏糞は肥料区分だったかな?
動物のお腹の中で乳酸菌やら腸内細菌が分解してくれていて、堆肥化するまでの時間が短いためチッソ栄養分やらリン,カリウム栄養分などを植物性堆肥よりやや多く含んでいるという特徴があるそうです。
が、グラム当たりの含有比率はせいぜい1~3%ほどなので、化成肥料ほど高くはありません。(化成肥料は8~15~30%など)

赤玉土:粒径それぞれ(耐凍性がかなり低い!)

ラベンダーの定植に際してそれなりに警戒しているのが、この赤玉土。
まぁ鉄分を含んでいるので赤っぽい(明るい茶色)色をしており、まぁ鉄分がリンを強く吸着して使えなくしてしまう機能・デメリットは黒土と同じ点なのですが、エフゲニーマエダが強く注視警戒しているのは赤玉土の物理構造性について。

一冬越して赤玉土が見事に粒が砕けきってしまった鉢用土。
こうなると水はけが一気に悪化して植え替えの手間に駆られる。

実は、赤玉土は水分や湿気を含んだままマイナス気温に晒されると、バッキバキに砕けて翌年には泥砂のような状態に変質していまいます…
これが厄介で、この泥砂が春時期に雨を受けて下の方へ沈んでいくと、用土土中の空隙をしっかり埋めて見事にラベンダーが根腐れを起こす要因を作ってしまうのです。
それもたった1シーズン経ただけで…!!

4年間ほど栽培し続けてほじくり起こしたラベンダーの鉢植え株。
用土の下層では赤玉土はしっかり原型を保って空隙を保つ役を果たしている。
上層は火山灰の細粒である「エゾ砂」で植えている。

しかし全て赤玉土がダメダメなのではなく、花壇や鉢の中層以下(内部から深い部分)ではマイナス温度に晒されませんので、意外と長期・長年にわたって粒の状態が維持されるのは救われている部分だと評価しています。

なので、赤玉土はラベンダーの植栽用土において表層部分での使用を避ける形で用いれば、いまのところ大きなリスクは見当たらないものとみています!

パーライト(とても軽い砂つぶ。しかし保水性が意外と高い注意点)

市販培養土によく含まれている白くて硬いつぶつぶがこのパーライトです。
パーライトはあまり値段が張らず、30Lや50Lなど大袋売りされているので、
ウチではかねてよりありがたく挿し枝の床土として利用していましたが、2025年度より現在は鹿沼土の細粒にその座を取って代わられています。

紙のロール筒を用いたエコな挿し枝床土!

はじめは「無菌・清潔であること」を理由に挿し枝床土として採用していたのですが、赤玉土そして黒土そして市販培養土でも案外しっかりラベンダー苗として成長したのであんまり違いがなかったようでした。

パーライトは土壌の物理性改善…つまり水はけ性を上げたり通気性を高めたりする用途として販売されている人造の用土基材ですが、実は実はめちゃくちゃ保水性が高いデメリット…

まだ1粒しか食えてねぇのに…とマジでこの表情に。

パーライトだらけの特製用土でイチゴを育てていたら、ものの1ヶ月半ほどで見事に枯らしました…。
いつまでもビショビショのままだったことによる根腐れです。
という経験から、実はパーライトも謳われる機能性の過信は禁物でした。

軽石(鬼のように高い排水性、肥持ち効果は最も低い)

赤玉土の「低い耐凍性」を克服した用土というのが、この軽石です。
粒は赤玉土と同じく小粒・中粒・大粒の3種あり、大粒はよく鉢底石として名前を変えて売られていたりしますね。

軽石は赤玉土の2~3倍ほど値段が高いのですが、それもそのはず。
いくらマイナス気温に晒されても割れたりビクともせず、何年もの寒冷地使用に耐えます。なのでここ2年ほど鉢の表土として使っていました。
高く貴重なので表土のみの限定的な使用です…!!

しかし、ラベンダー以外の作物においてデメリットとなりうる軽石の機能が、恐ろしく低い保水性と肥持ちの悪さ。
似た性質の鉱質用土である赤玉土や鹿沼土はクッション性があるので保水性や保肥性を持つのですが、それをオミットしたのが軽石。
とにかく水は抱えず下に流すわ、肥料も引きつけないで即下に流すわで、軽石のみに植えるという特殊な植栽方法を取る方はなかなかいないと思われます。
ですがその排水性の高さあって、よく市販培養土ではこの軽石粒かパーライトが水はけ基材として含められていますね。

鹿沼土

初手…まぁ袋詰めされている状態ではpHが酸性を帯びているので、どうしてもラベンダーに使いたい!とならば石灰を散布してpHをむりくりアルカリ側へ傾ける処理を行ってからラベンダーの栽培用土に用いれば何の問題もないのです。が。
性質としては赤玉土にかなり近いので、まぁ赤玉土が手に入るのならわざわざ鹿沼土を使うことはないよなーと思っています。

ちなみに、「鹿沼土の細粒」というニッチな製品は、ラベンダーの挿し穂用土に利用しています。
パーライトよりも高い保水性があるので枯死率の低さ(挿し枝の)などから成績優秀な差し枝用土だと思っています。

石灰石(一応ホームセンターの化粧砂利コーナーに存在)

南フランスの高山帯ではまっじでこのような白亜の石灰岩の岩場に生育している・できる生命力の高さがコモンラベンダーにはあるようだ。

ラベンダー(Lagvandula angustifolia)のより原生的な栽培方法…を模索・考えると、やはりこのような明らかな石灰岩大地での生育方法をとりたくなるのがラベンダーオタク。
しかしまず日本で石灰石を入手するとなると、セメント工場にかけあうかホームセンターの化粧砂利販売コーナーで入手するくらいしか経路が思いつきません。

で、石灰石をベースにラベンダーの栽培用土を組むとなると、まず重くなります。そりゃ当然です。岩です。めっっっちゃ重くなって、おそらく植え替えが二度と効かなくなります。重い石灰石を根っこが巻き込んで育ってしまうためです。

なので栽培用土に混ぜることはオススメしません、メンテナンス性が最悪となります。
しかしラベンダーからすると故郷の土を思い出せるので一番嬉しいのは確かなんでしょう…(カルシウム分を存分に確保できる)

アメリカイギリスなどラベンダーの園芸栽培が盛んな地域では、ラベンダーの株元に敷いてあげると石灰石の白さが太陽光の反射材となってラベンダーに好適な影響を及ぼすと説明されています。

★市販培養土(各メーカーそれぞれ星の数ほどある)

市販培養土の中身はどれもだいたいこんなかんじ?

「市販園芸培養土」の何が最大の特徴・役目か?というと、最初(購入時点)から肥料成分が染み込ませてあるという点です。
赤玉土や黒土などの単体用土は当然ながら栄養成分無添加であり、基本的に無栄養と考えるべきかもしれません。

おそらくどこのメーカーの培養土も、基本的には「堆肥類」「ピートモス類」「軽石粒」だいたいこれら土壌基材が主体なのではないかな?と見ています。細かいそれぞれ基材の種類についてはさておいて。

野菜類用なのか、花類やハーブ向けなのか、プランター向けなのかで素材の粒の大きさに差が出てきて水はけ性の分野に大きく変化が出ているハズです。

そして、基本的には一般的な野菜苗や花類などを1年間(ワンシーズン)健康的に育てるくらいは栄養分や機能性が保証されているはずです。

となると、中級者〜はこのある程度プリセットが組まれた完成品の市販園芸用土に対して、さらに赤玉土やほか用土基材を適量追い足して自分の作物…「私ならラベンダー用に」味付けを変更することが可能となっています。
そういった意味では、「市販培養土」は途中で変更の効く扱いやすい「基本」用土なのです。

どういった事情なのかはわかりませんが、ほとんどの市販培養土にはなぜだか赤玉土や鹿沼土は含まれていないのが不思議なところです。
劣化しやすいからかな…?


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エフゲニーマエダ(平成林業。) 若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。