ヤクヨウサルビア(コモンセージ)を用いた園芸用土各種の栽培実験の概況!
さてこちらの記事では市販されるポピュラーな栽培用土の実験内容を画像付きで解説していきます。
たぶんこちらの方がぱっと見でわかりやすいです!
実験趣旨を長ったらしく書いたプレ的記事。
「ラベンダーでは成長が遅すぎるし枯らしたらもったいないので結果出るのが早い同じシソ科のサルビアで試すよ!」といったことを長ったらしく書いてます。
まぁ論文でその手の研究手法をみつけたのでそれにならっているのもあります。
■栽培管理について
基本的には肥料・施肥はナシでいきます。
そりゃそうで、化成肥料など与えられてしまうと明らかに元気に育ってしまい、本来の用土の栄養効果をみれなくなってしまうので、わざわざ枯らして殺す覚悟で無施肥栽培します。さすがに水はあげますw
ヤクヨウサルビア(Salvia officinalis)はどちらかといえば葉モノハーブなので葉っぱの成長・展開が大きく、ここで観察しやすいと考えています。
ポットまわりの土と降雨の栄養分で育ってもらうことにします。
例外として、発根を促す目的かつ極端な用土との根っこの直接接触を避ける緩衝帯としてポット直下にはポット培養土を若干配置しています。
枯れそうだったらそれまでの状況を結果として残し、枯れる直前で救出します。さすがに料理に使える¥250のハーブなのでちゃんと食います。。。
■全体の概況!


ざっくりとこのような並びになっていまっす!パッと思いつく限りは試しました!
何らかの観察意義になればいいなーとラベンダー苗も並びに植えてあります。まぁ若い株なので庇蔭地でモリモリ育ってくれるのでしょうが。。。
■土の種類
クロエゾマツの日陰に近い側から紹介していきます。
巨木の日陰というどうしようもない条件があるので、排水性の良い用土から順に並べています。この状況的偏りは許してちょ。

①ポピュラーな軽石(青白っぽい)
ホームセンターで買える一般的な軽石だと思っています。小粒サイズです。
北海道のものに比べると青白さが一目瞭然で、明らかに含まれる元素の比率が異なっていることを示しています。(たぶん鉄分の多さ)
本州より輸入しているためか、わりと値段が張る用土です。
北海道においてあまり多くは使えません。
②エゾ砂:北海道樽前エリアの軽石(黄色っぽい)
かつて、ラベンダー栽培2年目にラベンダーの土として多用し、見事に成長を遅滞させた実績を持つ無栄養用土の代表格です。
(ラベンダーは根っこを花壇底の土に到達することでようやく成長できた)
商品名「エゾ砂」として売られているので、北海道の火山灰であることは明白です。土地が違えば元素的な組成も異なるので、その点観察できたらいいな〜と期待しています。
はたしてポピュラーな火山灰:軽石とどう栽培効果が違ってくるのかが楽しみです!
この用土を購入する際、どうやらエゾ砂の充填ロット差によって粒の細かいもの・大きいものが比較的目でわかるくらいには差があるように感じました。
今回の実験では粒の大きいものを選んで購入してきました。細かいものは本当に砂のように細かいものが充填されていましたので、栽培用土に慎重な方は気をつけないと排水性の部分に関わってくるのかなーとみてます。
③富士砂(溶岩)

おそらく富士山の山麓で採集された火山性の用土で、火山灰というより溶岩が正解なんだと思います。袋はズッシリと重いです。
コモンラベンダーの亜種にピレネー山脈の火山灰土地帯に生育するピレナイカ亜種がおり、おそらく溶岩・火山灰土壌での生育耐性を獲得しているとみてサルビアでも検証します。
なのでポピュラーな園芸用土とはいえませんが、サルビアの生態理解目的で栽培します。
④赤玉土(小粒)

黒土などと対をなすポピュラーな園芸用土の赤玉土です。
ラベンダーを栽培する際のベースとなる中粒サイズと迷いましたが、保水性を優先して小粒をチョイスしました。
機能的には、無栄養用土ですが水分の吸収・保水機能と栄養分の吸着・保肥機能の高い用土として活用されているはずです。
土壌の粒が大きいので水をサーっとすぐ下へ流しつつも微細なクッション的構造があるのでしばらく水分を保水します。根腐れしにくいとされます。
しかし時経劣化で砂・粘土に変化しやすく、砂だらけになると根腐れさせやすくもなります。
さつまいものプランター栽培はこの用土使用を推奨されているようです。
⑤海底堆積型泥岩粒(地元の土)

この実験の趣旨(期待ポイント)です。
貝の化石が出てくる露頭(崖)の下に溜まっている砂をとってきました。
どうやらスレーキングと呼ばれる、水気を含むとボロボロと崩れる性質を持つ(保水性がある?)ようですが、石粒にエッジの立った鋭利な劈開をもって砕ける性質がある泥岩の粒です。
この粒が鋭利なことによりとてつもなく高い透水性(水はけ)を持っています。
もともと海底に堆積した泥が固まってできた岩石ということで、海洋性のミネラルが豊富なのではないか?という見立てで栽培観察をします。
たくさん採取可能な排水性用土なので、良好な結果を得られればラベンダーに即応用したいと考えています。

この海洋堆積型泥岩粒を用いて春から大型ポットにずっと居たローズマリー2株でも実験を行なっています。(7/15より開始)
8/6 追記。
もしかしたら栄養嫌い&水はけのとにかく良い用土で育つスイートマジョラム栽培の悲願が叶うような気がしてきました!(主に黒土とのブレンド用土での栽培となるか?)
来年度、場所を確保してあぜ板使用で高畝を何列分か設けて、実生苗からのスイートマジョラム栽培を開始しようかと計画しています。
以降はブレンド用土エリアとなります。
⑥花と野菜の培養土

ポピュラーな園芸用土としてこちらもチョイスしておきます。
おそらく園芸初心者がまず最初に無難に購入する業者ブレンドされた用土がこれらになるかと思われます。
黒土やピートモスなど腐植土をベースとして、多少の火山灰や赤玉土、堆肥、パーライトなどが混ざっているのがだいたいの構成かと思います。
それに対して花用や葉モノ野菜、根菜用など細かく比率が調整されてるものかと思います。
ラベンダーだとこの用土で植え付けると、まず間違いなく枯れます。
腐植分のクッション性で多雨時期に常に水気を多く含むことで夏の高温で土の腐植分の発酵が進んでチッソ栄養過剰となり、ラベンダーが根腐れ&葉っぱ腐れを起こして枯れる、というプロセスです。
ラベンダーもとい貧栄養土壌に生育する植物は水分や栄養素を止めどなくバクバクと吸収してしまうんですね。
普段は水の得られない土地に原生しているのでしゃーない性質です。
⑦赤玉土&黒土ブレンド

こちらも対照群・プラセボ区として検証します。
ごく初期の頃にラベンダー栽培のために組んでいた用土のブレンド構成になります。
乾燥環境には強いですが、高温多湿となるとラベンダーを殺しにかかるデメリットを抱えた用土構成です。
ただこの実験ではラベンダーではなく葉っぱが大きいヤクヨウサルビアとなるので、ラベンダーほど顕著にデメリットが現れないんじゃないかなともみています。たぶん枯れるだろうという見立てで栽培実験します。
⑧赤玉土&泥岩粒ブレンド

さて一番期待の子です。まるで工事現場のような栽培用土
保水力を持った赤玉土の中粒と、その空隙を埋める用に地場産用土をブレンドしてあります。
上記実験区⑦の黒土を地元産の泥岩粒に置き換えたようなイメージです。
おそらく水はけは超良好で、赤玉土の保肥機能的にも元素的な栄養効果が観察しやすい用土構成なんじゃないかなとみてます。
実験区⑤の海洋堆積型泥岩粒オンリーでの結果が芳しくなくても、こちら保水性のある赤玉土とのブレンドならばいくらか緩衝的で即座にサルビアを殺すものではないだろうと考えています。
まぁ何かしら良好な結果が得られれば地元の農産業にもデータを還元できるので楽しみですね!
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