学食から始める日米文化の違い
個人的な、ではありますが、学食今昔について書きました。
このエッセイに写真として嵌め込んだ学食ショーケース中のメニューについて、カナダ在住のnoter、たなかよしあきさんから、コメントをいただきました:
それにしても、「ヒレカツカレー」が488円とは。。。
夢のような価格ですね!
2年半前の価格ですが、確かに安いです。
アメリカの(たぶんカナダも)学内レストランでは有り得ない価格でしょう。もちろん物価の違いはありますが、文化(社会ルール?)の違いもあるようです。
しばらく怠けていたマガジン『新・再勉生活』の記事として書いてみます。
母校イリノイ大学(University of Illinois at Urbana-Champaign)の広大なキャンパスにはもちろんカフェテリアがあります。
いや、確かに『カフェテリア』と呼ばれていますが、まったくオシャレではなく、自分でトレイを持ってテーブルに着く、マクドナルド形式のレストランで、まさに学食です。
学生なんだから、多くはここで昼メシを取ると思っていたら、
「いや、あそこは高いから……」
確かにキャンパスタウンのレストランと同じ程度か、底辺クラスよりはやや高価。私も、よほど時間が無い時以外は行かなかった。
「日本の大学の学食はもっと安いけどねえ……」
つぶやくと、
「いや、それでは大学が町の人のビジネスを妨害することになってしまう。だから、学内の店は市中の店より安くしてはいけない、というルールがあるんだ」
友人(米国人)が言う。
「へえ……それはそれでひとつの見識だね」
じゃあ、貧乏学生はどうなるんだ!
── あなたはそう言うかもしれない。
そもそも学生の多くは外食せず、昼は簡単なサンドウィッチを持ってくるか、部屋に帰ってスパゲティなど自炊する。
パンにピーナッツバターを塗って食べたり、パスタを茹でてバターだけを絡めて食べる、なんていうのが(少なくとも当時の)貧乏学生によくあるパターンだった。
日本で言えば、メシだけ炊いてなめ茸茶漬けにする(かつての私)なんて感じでしょうか。
だから、(日本と違って)学食に毎日来れる学生は、むしろ豊かな方なんです。
そしてその学内カフェテリア、さらにキャンパス内のホテル、プールなどの体育施設、図書館……それらの施設で働いている多くがそこの学生でした。
例えば、大学には観光学とかリクリエーション学なんていう専攻があり、その学科生がホテルやプールで働いているのです。給料も出て、かつ、実習として単位が認められる仕事もあったようでした。
それどころか、大学院生になると、『Teaching Assistant』として授業を代行する者もいました。日本の大学でも『Teaching Assistant』が採点や実験などを手伝いますが、米国では先生の出張時に授業を行う場合があり、文系になると、学部生の授業をスルーで受け持つ博士課程学生もいました。卒業後に教職を目指す学生にとっては『実習』も兼ねた仕事だったでしょうね。
こうした『学内業務』で生活費を賄っている学生はたくさんいました。
休暇中企業でインターンとして働く学生も多く、単なるバイトを大きく上回る給料を得ます。
もちろん、理系大学院生の多くは自分の研究をしながら『Research Assistant』として給料を得ます。
このように大学がらみで生活費を得る学生は親の援助なしで学生生活を送ります。
こうした『ハーフ学生・ハーフ社会人』の時間は『自立』や『自覚』に向けての理想的な期間なのではないか、と思いましたね……いや、日本での学生生活がまったくのアマチュアだったことを後悔と共に振り返り……。
表題写真はトルコの大学キャンパスのカフェテリアです。ここはまさに、『日本の学食』状態でしたね……。
