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【はじめてのnote】Fラン大卒・ポンコツPTの私が、大企業の本社中枢に抜擢されるまでの泥臭い道のり。


こんにちは。理学療法士として某JTCの介護事業部門で施設長を務めたのち、現在は本社スタッフとして勤めているshunです。

前回の記事では、介護現場の「気合と根性」を排除し、仕組み化によって残業ゼロを実現したオペレーション改善についてお話ししました。この話を聞いた若手の医療職や介護職の方から、「最初からマネジメントの才能があったのですね」という声をいただくことがあります。

しかし、実態は全く違います。
私のキャリアのスタート地点は、控えめに言っても「底辺」でした。偏差値の低い大学を卒業し、新卒で入った病院では仕事ができずに逃げるように退職。ビジネススキルを身につけようと飛び込んだ転職先の企業でも、トラブルに耐えきれず「退職代行」を使ってバックれました。

私は、プライドだけは一人前で、ストレスに弱く、すぐに逃げ出す最低のクズだったのです。
そんな私が、なぜ30歳を目前にして、大手企業の「本社運営部門」への異動を社内公募で勝ち取り、現場から経営の中枢へと這い上がることができたのか。
今回は、私がどのようにして自分の致命的な欠点をメタ認知し、キャリアの垂直登攀を果たしたのか。若手理学療法士や医療職が「現場のプレイヤー」から「ルールの設計者」へ移行するための泥臭いピボット(方向転換)の全貌と、その戦略的思考のプロセスを共有します。



第1章:臨床至上主義という逃げ道と、自己効力感の喪失

私のキャリアの始まりは、医療法人社団の総合病院でした。しかし、そこで待っていたのは「社会人としての基礎能力の絶望的な欠如」という現実でした。
当時の私は、リハビリ技術の向上や患者様とのコミュニケーションには一定の自信を持っていました。しかし、書類の期限を守る、組織のルールに従う、他部署と円滑に連携するといった、社会人としての総合的な処理能力において、同期に大きく劣っていました。

今思えば、それは組織からの正当な評価だったのですが、当時の私は自分の非を認められませんでした。「自分は患者様のために技術を磨いているのだから、管理や書類なんてくだらない」とマネジメント層を見下し、「臨床至上主義」という耳障りの良い言葉を盾にして、自分の社会人としての未熟さから目を背けていたのです。

Bandura(1977)が提唱した「自己効力感(Self-efficacy)」の理論に照らし合わせれば、当時の私は組織内での成功体験が皆無であり、自己効力感が完全に底をついていました。仕事で満たされない承認欲求を、身の丈に合わないブランド服の散財や、不特定多数の女性関係にのめり込むことで埋め合わせようとしていたのです。
結局、私は現場での劣等感と惨めさに耐えきれず、逃げるようにその病院を退職しました。


第2章:退職代行からのリスタートと「メタ認知」の覚醒

その後、半年ほど何もしない無職生活を貪ったのち、ビジネススキルを身につけるという名目で、医療系の一般企業へ転職しました。しかし、そこでも事務作業への圧倒的な不適合から重大なトラブルを発生させてしまい、完全に心が折れた私は、「退職代行」を使って即日で会社から逃げ出しました。
この時、私は27歳。職歴は傷だらけで、逃げ癖のついたダメ人間の典型でした。

しかし、このどん底の経験が、私の「メタ認知(自己客観視)」を強制的に覚醒させました。
「自分は、事務作業やミスの許されない細かいオペレーションでは絶対に勝てない」
「現場の理学療法士として、手技や知識を競い合うゲームでもトップにはなれない」

経営学者のピーター・ドラッカー(1954)は著書の中で、「強みの上に自らを築け」と説いています。私は、自分の弱み(不注意や事務処理能力の低さ)を努力で克服することを完全に諦めました。その代わり、「自分が持っている手札で、勝てる盤面(ブルーオーシャン)はどこか?」を徹底的に分析したのです。


もし今、当時の私と同じように暗い部屋で「なぜ自分はこんなに仕事ができないのだろう」と自責の念に駆られている人がいるなら、それはあなたの能力不足ではなく、所属している組織の「構造的なバグ」である可能性が極めて高いです。

古いシステムに自分を適応させる前に、まずは以下のチェックリストで、今の環境が「損切り」すべき泥舟かどうかを冷徹に見極めてください。


第3章:「勝てない土俵」を降り、現場とビジネスを掛け合わせる

行き着いた答えが、「医療福祉の現場」×「ビジネス(マーケティング・組織論)思考」の掛け合わせでした。
理学療法士の多くは職人肌であり、現場の治療技術をひたすら磨くことに特化します。一方で、組織の仕組み化、マーケティング、利益構造に強い関心を持つPTは極めて少数です。つまり、この領域であれば「戦う相手が少ない」と判断しました。

私は、現在の企業に入社した際、現場のルーティンワークをこなしつつも、上層部に対して「私は現場の一作業員ではなく、組織を管理・改善する視点を持っています」というアピールを意図的に行いました。

結果として、入社わずか3ヶ月で新期立ち上げ施設の施設長に抜擢されました。

ここからの戦略は明確でした。気合と根性で回っていた介護現場に、3C分析を用いた論理的な営業スクリプトを持ち込み、属人的な感情労働を「システム」へと置き換えることで、事業部トップの成績(最優秀施設賞)を収めたのです。私は「1対1の治療で同期に勝つゲーム」を降り、「組織の仕組みを作るアーキテクト」へのクラスチェンジを果たしました。


第4章:大企業の本社中枢へ。泥臭い「インサイドセールス」の全貌

施設長として成果を出した私が次に見据えたのは、現場を離れ、ルールの設計側に回るための「本社運営部門への異動」でした。
大企業において、単に「施設の成績が良い」だけで本社の中枢に引き上げられることは稀です。
私が社内公募を突破し、本社への切符を勝ち取ったのは、上層部の「ペイン(痛み・課題)」を的確に把握し、それを解決するための「インサイドセールス」を泥臭く仕掛けたからです。

当時、本社の上層部は一部エリアの集客不調に頭を悩ませていおり、施設集客の営業力を評価されていた私は、該当エリアの営業活動をエリアマネージャーより依頼されました。そこで私は、自施設のエリア集客と同様のやり口で居宅介護支援事業所を20件以上回り、ケアマネジャーから直接集めた一次情報をデータ化しました。

そして、そのファクトを「上層部が喜ぶ経営組織論のロジック」へと変換し、A4のWordレポートにまとめました。レポートを提出する際は、直属の上司(エリアマネージャー)のメンツを絶対に潰さないようCCに含める配慮を徹底しつつ、決定権を持つさらに上のマネージャーの脳内に直接「私の分析と仕組み化のノウハウ」が届くようデリバリーしたのです。

社内公募の面接で面接官から評価されたのは、「優秀な理学療法士であること」ではありませんでした。「現場の泥臭い課題を、データとロジックを用いて自律的に解決し、仕組み化できるビジネスパーソンであること」でした。


第5章:現場と経営を繋ぐ「エビデンス」の力(大学院での学び)

現在、私は本社業務と並行して、医療系公立大学の大学院(修士課程)に通っています。
なぜ今、大学院なのか。それは「学歴」が欲しいからだけではなく、学術的なエビデンスこそが、巨大組織や行政を動かすための「最強の共通言語(パスポート)」になるからです。

医療福祉の領域において、単なる経験則(「なんとなく運動が体に良い」「スタッフの笑顔が大事」)は、経営層に対する説得力を持ちません。

例えば、田中・戸梶(2009)が示した「欲求の充足に基づく顧客満足」のフレームワークや、坂本ら(2014)の「ハード面(身体機能改善)だけでなくソフト面(サービス品質)が満足度を規定する」というエビデンスを用いれば、現場のケアの質を「経営指標」として論理的に説明することが可能になります。
さらに、田近ら(2022)による「通いの場と介護予防の縦断的研究」などが示す通り、高齢者の社会参加やソーシャルネットワークの構築は、要介護リスクの悪化を明確に抑制します。
これからの次世代ヘルスケア事業を牽引するリーダーは、現場の泥臭い一次情報と、学術的な理論を統合し、「データ駆動型のビジネス」を構築できる人間でなければ生き残れません。



おわりに:「逃げ癖」を「戦略」に変える

もし今、あなたが職場で「仕事ができない」「この職種に向いていないのではないか」と絶望しているのなら、それはあなた自身が無能だからではなく、単に「戦う盤面」を間違えているだけかもしれません。
事務作業ができないなら、事務作業をシステム化するか、他人に任せられるポジションを目指せばいい。現場の技術で勝てないなら、現場を「管理・設計する側」に回ればいいのです。

私は過去の「黒歴史」を隠すつもりはありません。あの惨めな退職代行の経験と、どうしようもない劣等感がなければ、メタ認知は覚醒せず、今こうして大企業の本社スタッフとしてビジネスを動かす自分は存在しなかったからです。


あなたが本当に勝てる盤面は、意外とすぐ隣にあるかもしれません。今いる土俵で無理に勝とうとせず、自分の持っている価値(医療職としての知見×別のスキル)を掛け合わせ、勝てる盤面を自ら構築してください。

コンプレックスやルサンチマンは、決して忌み嫌うべきものではありません。それは、自分を安全地帯から引きずり出し、圧倒的なスピードで成長させるための「最強の燃料」になるのです。

ここから先の私のNoteは、単なる臨床の勉強や、耳障りの良い自己啓発ではありません。
古い医療現場のシステムから「完全脱獄」し、医療・福祉業界の「設計者側」に回るための具体的なマニュアルとなるよう設計していきます。

あなたが現在抱えているペイン(痛み)に合わせて、以下の真実をインプットしてください。
読んだ瞬間から、明日職場に行くのが「観察ゲーム」に変わるはずです。


① 給料とキャリアの壁に絶望している方へ(マクロ構造のハック)


現場で汗を流しても給料は上がりません。国が仕掛けるゲームのルールを知り、市場価値を再定義してください。



② 圧倒的な「時間貧困」に苦しんでいる方へ(AI・外部脳の構築)

気合と根性で時間を捻出する昭和のOSは捨ててください。1日13分で知的な上位階層へ跳躍する技術です。



③ 職場の人間関係やヒエラルキーに疲弊している方へ(メタ認知の掌握)

「コメディカル」と見下してくる他職種の論理を具体的に解剖し、安寧を手に入れる方法です。



このNoteでは今後も、ヘルスケア現場の残酷な真実の解剖と、凡庸な医療職が市場価値を極大化するための方法を発信していきます。

記事の感想や、今の理不尽な職場環境に対するご相談があれば、ぜひX(Twitter)かコメントでお気軽にお声がけください。
あなたの「完全脱獄」の第一歩を、歓迎します。



参考文献・公的データ

本記事におけるキャリア戦略およびマネジメントの裏付けとして、以下の学術的知見を参照・引用しています。

  1. Bandura, A. (1977). Self-efficacy: Toward a unifying theory of behavioral change. Psychological Review, 84(2), 191-215.

  2. Drucker, P. F. (1954). The Practice of Management. Harper & Row.

  3. 田中亮, 戸梶亜紀彦 (2009). 「欲求の充足に基づく顧客満足測定尺度の信頼性と内容的妥当性および基準関連妥当性の検討」 『理学療法科学』, 24(4), 569-575.

  4. 坂本晴美, 髙田祐, 稲田晴彦, 奥野純子, 柳久子 (2014). 「介護老人保健施設におけるリハビリテーションの利用者満足度に関連する要因の検討」 『日本プライマリ・ケア連合学会誌』, 37(4), 324-332.

  5. 田近敦子, 井手一茂, 飯塚玄明, 辻大士, 横山芽衣子, 尾島俊之, 近藤克則 (2022). 「『通いの場』への参加は要支援・要介護リスクの悪化を抑制するか:JAGES2013-2016縦断研究」 『日本公衆衛生雑誌』, 69(2), 136-146.

  6. 厚生労働省. 「介護労働実態調査」各年度版.

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