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【簡易アニメ感想文】京都アニメーションナイズされた『Dr.STONE』とも言える『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカ』を視聴してみて~『Dr.STONE』とは何だかんだ言ってやっぱり違うけど、それでも初めて電灯が灯るシーンは感動せずにはいられない~

1 はじめに~2026年夏アニメにおける京都アニメーションの新作『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』とは~

 2026年夏アニメは個人的に豊作だと思っている。シリーズ物の続きだけでも『逃げ上手の若君』『ぐらんぶる』『幼女戦記』といったものが挙げられるし、話題作としては士郎正宗原作準拠の新作『攻殻機動隊』があるし、ダーク(ヤニ的な意味で)ホース的ポジションである『ヤニねこ』も話題に事欠かない。そんな話題作ばかりの中で今回私が取り上げたいと思っている作品は『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカ』という作品である。私はこの作品のことをテレビの録画設定をするまで知らなかったのだが、どうやらタイトルや新番組の告知内容的に「20世紀初頭の日本を舞台に『電気』という新しい科学技術を日本に普及させるための物語」と思われ、その科学的内容に思わず「唆られた」私はこの番組の視聴を決意した。勘の良いガキもとい読者の皆様は勘付かれただろうが、私は『Dr.STONE』という作品が大大大大大好きなので、『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカ』にも似たような雰囲気を期待したのである。

 とりあえず、大まかなあらすじを公式HPから引用する形で紹介したい。

<Introduction>
── 少し昔。今ある歴史とは異なる進化を遂げた20世紀初頭の京都。蒸気機関のみが発達した世界で、街は煙に覆われていた。

印象派絵画を思わせる挑戦的な美術背景と緻密なアニメーション表現で、
激動と革新の時代に輝く少年少女の夢を描く。

京都アニメーションの新境地。

<あらすじ>
“電氣の時代”を夢見る少年たちがいた。「二十世紀電氣目録」に、思い描く電氣の発明を書き込む主人公・坂本喜八。憧れの兄・坂本清六と共に夢の実現を誓う喜八だったが、清六は「二十世紀電氣目録」を持って戦争に行き、帰らぬ人となる。

月日は流れ、酒造の娘・百川稲子との出会いによって、失われたはずの「二十世紀電氣目録」が喜八の前に現れる。それを狙うのは、稲子との政略結婚を進める蒸気の財閥御曹司・三添洋輔。洋輔に対抗する喜八と稲子の、夢をかけた電氣の挑戦が始まる─!!

なぜ洋輔は「二十世紀電氣目録」を追い求めるのか。そして、洋輔と清六だけが知る「二十世紀電氣目録」の“秘密”とは。

「二十世紀電氣目録」を巡り、少年少女の夢が再び動き出す─

これは〈再生〉の物語。

『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』公式サイトより引用

 第1話をちゃんと視聴していなかったため見落としがあったのか、原作小説を先に読んでおかなかったためなのか、厳密に言えばこの作品内の「20世紀の日本(あるいは、それまでに至る過程)」は史実とは微妙に異なるらしい。なので、『Dr.STONE』並みに科学考証が綿密に練られた作品と思いこむと期待外れになるかもしれない。念のため簡単にチャットGPTに「日本で街灯用に電気が普及したのはいつ頃か」と尋ねてみたら「明治20年代後半から30年代=19世紀後半」とのことだったので、おそらく『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』を楽しむには「ファンタジー的大正ロマン溢れる架空の日本における科学を題材にしたボーイミーツガール作品」ということを前提に押さえるとよいかもしれない。『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』で知った科学知識を裏付けせずに周囲に自慢しようとすると恥をかく恐れがあるので、『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』で科学的知見を知った後で自分で調べるくらいはしてもいいだろう。もっとも、そこまで肩肘張らずに視聴して良い作品だと思われるが。

2 『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』第3話までのあらすじ

 私が感銘を受けた『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』の第3話に至るまでのあらすじを簡単に紹介したい。

(1)第1話「電氣少年」

 全ての根幹となる第1話のあらすじをまずは紹介したい。公式HPからあらすじを引用するが、Youtubeにもあらすじをまとめた動画が存在するようなのでそちらも後で紹介したい。

「俺たちで二十世紀を電氣の時代にする」

主人公・坂本喜八は、“二十世紀電氣目録”に思い描く電氣の発明を書き込み、憧れの兄・清六と夢の実現を誓い合う。ところが、電氣目録を持って出征した清六が戦死し、電氣目録は行方不明となる。

月日は流れ、酒造の娘・百川稲子との衝撃的な出会いによって、停滞していた喜八の日々は再び動き出す。一方で、電氣目録を追い求める蒸気の財閥御曹司・三添洋輔は、百川家への融資の代わりに稲子との政略結婚を迫る。洋輔から逃れ、喜八と再会した稲子が手にしていたのは、失われたはずの“二十世紀電氣目録”だった――!!

第壹話 電氣少年 | STORY | 『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』公式サイトより引用

 実を言うと、第1話をリアルタイムで視聴したときは京都アニメーションの新作とは全く気付かなかった。思い起こせば京都アニメーションの作品だということにいくらか気付けるヒントはあったのだが、第1話はあまり京都アニメーションっぽさがないような気がした、というのが第1話を視聴した率直な感想であった。

(2)第2話「目録の謎」

 第2話のあらすじも紹介する。第2話になってやっと京都アニメーションの新作ということを理解した。よくよく見れば「京アニ作画」っぽさも感じられたと思われる。第2話のあらすじは以下の通りである。

行方不明の“二十世紀電氣目録”が再び現れる。本物の電氣目録か疑う喜八と信じる稲子の元に、迫りくる洋輔。喜八が自作の発明品で必死に抵抗するも蒸気の力に敗れ、稲子と電氣目録は洋輔の手に渡ってしまう。

真相を知るため百川家に忍び込んだ喜八は、稲子が家のために洋輔との望まない結婚を強いられていることを知る。蔵に閉じ込められてしまった稲子を救出する喜八だったが、洋輔に見つかり追いかけられる。電氣目録を追い求める洋輔から、喜八と稲子は無事に逃げ切ることができるのか――!!

第貳話 目録の謎 | STORY | 『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』公式サイトより引用

 第2話を視聴してみてやっと京都アニメーションの新作っぽいということを理解した。テレビ放映された際のテレビCMが京アニ作品の番宣ばっかりだったのでそういう意味でも気づけたのだが、よくよく見ると作画・キャラデザや演出なんかに過去の京アニ作品の雰囲気を感じ取ることが出来たので『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』は京アニの新作なのだなと改めて思った次第である。

 第2話を視聴して思ったのが『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』という作品の主軸とは、二十世紀の日本で清六さんの意志を継いで電気を使った発明品を造ろうにも自分を信じ切れない主人公の青年・坂本さんと割と何でも信じやすいお嬢さんである稲子さんとの「ボーイ・ミーツ・ガール」を描くこと、もしくは「出会いと成長」を描くことを主目的とした作品なのだなということである。

(3)第1話と第2話のダイジェスト映像紹介

 京都アニメーションの公式Youtubeチャンネルにて『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』の放送済みのエピソードのダイジェスト動画が公開されているので、それも紹介する。

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第壹話「電氣少年」|だいたい2分でわかる『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』目録ダイジェスト

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第貳話「目録の謎」|だいたい2分でわかる『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』目録ダイジェスト

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3 『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』第3話のあらすじ・感想~人類が夜の闇に打ち勝つシーンは何度観たって良いものだ~

 本題の第三話である。あらすじは例の如く公式HPから引用して紹介したい。

喜八と稲子を捕まえた洋輔は、“二十世紀電氣目録”を手に入れる。しかし、そこには洋輔が追い求める“秘密”は無かった。偽物だと洋輔が否定するも、喜八の夢と才能は本物だと稲子は信じる。うちひしがれた喜八だったが、偶然にも電氣目録に込められた兄・清六の想いを発見する。洋輔に対抗する喜八たちの、夢をかけた挑戦が始まる――!!

第參話 二人の夢 | STORY | 『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』公式サイトより引用

 生前の清六さんと知り合いのような雰囲気を出している三添洋介さんは本物の電氣目録を手に入れるも、そこに書かれていた内容が「子供の落書き」でしかなかったので電氣目録を「偽物」と断じる。だが、その「偽物」と言われた電氣目録にはある「仕掛け」があり、その仕掛けを使えば本当のメッセージが浮かび上がるようになっていたのである(一応チャットGPTに現実でもその「仕掛け」が実現するのか尋ねてみたら一応不可能ではないとのことである。興味があればどういう仕組みで文字が浮かび上がるのか調べてみて欲しい)。その隠されたメッセージに気付いた坂本さんと稲子さんは街中を灯せるだけの巨大な電球を開発するために奔走する。そして、三添さんの前で「本物の」電球の明かりを灯してみせる。京都アニメーションナイズされた「科学の明かり」の演出には何だかんだ言って感動させられたものである。第三話のダイジェスト動画も上げられていたのでそれも添付する。また参考資料としてアニメ『Dr.STONE』で初めて電球の明かりが灯ったシーンの動画も添付する。人類が夜の闇に打ち勝った名シーン達を是非堪能して欲しい。

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第參話「二人の夢」|だいたい2分でわかる『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』目録ダイジェスト

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『Dr.STONE』ベストエピソード第5位/#DrSTONE

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 『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』第3話を視聴して思ったのは何だか三添さんが異常に清六さんに執着しているなぁということである。生前の清六さんの親友だったのかなと予想されるのだが、何というか友情にせよ愛情(アガペー的な意味で)にせよ、妙に「重さ」と「湿度」を感じさせる。建前上「婚約者」ということになっている稲子さんよりもよっぽど大切な存在だと言わんばかりである。何なら清六さんの実の弟である坂本喜八さんのことを「私と清六さんの仲を邪魔する女狐」くらいに認定してそうで恐怖すら感じる。せめて清六さんの親族には優しくしても罰は当たらないのではないのか?同じ京アニ作品である『Free!』シリーズが好きな視聴者ならばこの『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』も好きになるのではないかしらと愚考した次第である。

 そんな三添さんの清六さんに対する執着の理由、そして「電氣目録」に書かれている真の内容について考察の手がかりとなりそうな第4話が放送されたので、このまま第4話の内容についても言及していきたい。

4 『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』第4話も視聴したので第4話のあらすじと感想もついでに述べておく~『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』って京アニ版『Dr.STONE』というだけでなく京アニ版『屍者の帝国』でもあるのではないのかという考察~

 そんなこんなしているうちに『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』の第4話も放送されたので、せっかくならばということで第4話についても言及しようと思う。当初は第3話で一応の山場を作ったのだから第4話はただの日常回なのかなと油断していたのだが、個人的に第4話は『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』という物語を紐解く上で結構重要な回なのではないかと思ったので、改めてきちんと紹介したい。

 第4話のあらすじとは以下の通りである。

電氣満月を実現したことで、再び前を向き始める喜八。ある日、西陣織を営んでいる店の奥様が、亡き夫への未練からふさぎ込んでいると聞く。同じく、亡き母への後悔を胸に秘めた稲子の強い想いに動かされ、喜八は電氣の発明で奥様を救うことを決意。死者と交信するための、電氣の発明とは――!!

第四話 信心の娘 | STORY | 『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』公式サイトより引用

 「死者との対話」というのは京アニの誇る名作アニメの一つ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』でも描かれたテーマである。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』では「手紙」というアナログな手法を使って(劇場版では当時の技術で最新の「電話」も登場したりしたが)「死者との対話」(というよりは正確に言えば「死者からのメッセージの伝達」と表現した方が良いだろうか)がなされたりしたが、この『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』でも「電話」が大きな役割を果たす。ネタとしては亡き夫と声が似ている息子さんに亡き夫のフリをしてもらって電話で通話してもらうという手法なのだが、この「死者との対話」というのが後の展開を想起させるものになっていると私は予想する。

 坂本さんと稲子さんが西陣織を経営している奥様の悩みを解決した一方で三添さんは自宅の奥深くで清六さんそっくりの機械仕掛けの人形が登場する。ここから語ることは私の考察もとい妄想なのだが、「電氣目録」の真の発明とは「電気で動く死者復活技術」なのではないかと思うのである。そして、三添さんの真の目的とは「電氣目録に書かれているであろう死者復活の技術を応用して、生前の清六さんともう一度出会おう」としているのではないかと思うのである。さながら伊藤計劃・円城塔による原作小説をアニメーション映画化した『屍者の帝国』のようだと思った。「屍者」技術を応用して生前の親友「フライデー」と「再開」した「ワトソン」の模様が『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』の清六さんと三添さんとの関係に重なるところがあるように感じた。あるいは、松井優征先生による漫画『魔人探偵脳噛ネウロ』の「電人HAL編」における電人HALあるいは電人HALのオリジナルである天才科学者・春川英輔の目的である「亡くなってしまった大切な人である本城刹那ともう一度出会いたい」ということとも重なると思った。

 アニメ映画『屍者の帝国』の劇場予告を参考資料として添付するのでよければ参照して欲しい。個人的には映画版『屍者の帝国』の方が原作小説よりスッキリとしたストーリーラインになっているので視聴しやすいと思われる。また、私が過去にnoteに投稿した伊藤計劃論もついでに添付しておく。

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「屍者の帝国」劇場本予告

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伊藤計劃を布教したい~夭折のSF作家は貴方の「物語」となる~|4浪U太郎

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5 おわりに~今後の『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』に注目していきたい~

 私の中で『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』という作品の立ち位置がどんどん変わってきたように思える。当初は京アニナイズされた『Dr.STONE』なのかと思っていたが、第4話の最後のシーンを見て京アニナイズされた『屍者の帝国』だったり、あるいは舞台を20世紀の日本に移した『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』なのだろうかと思えるような雰囲気を醸し出してきて、より一層この作品を視聴してみようという気運が高まった。

 冒頭でも述べたとおり、2026年の夏アニメは色々と見応えのある作品が豊富であり、その分この『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』という作品の魅力が埋もれてしまっている感は否めない。私のこのささやかな投稿が『二十世紀電氣目録ーユーレカ・エヴリカー』を新たに視聴しようという気持ちを呼び起こすきっかけになってくれれば幸いである。

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4浪U太郎 チップを得られればより長く安定した創作・投稿活動を継続できます。何より投稿して良かったと心から思えます。貴方にとっては小さなことかもしれませんが私にとってはとでもデカいことなのです。なので堂々と金額の多寡は気にせず気楽に投げていただければ!

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