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【企画ノウハウ】メニューを決めずに野菜を刻むな。ゲーム開発の生死を分ける「面白さの具体化」

数ヶ月で完成するカジュアルゲームだろうが、何百人も関わる超大作RPGだろうが、新しくゲームを作る時に一番最初に考え、絶対に決めなければならないことがあります。

それは、「プレイヤーが楽しむこと(面白さのコア)は何なのか」を具体的に言語化することです。

ここがすっ飛んだまま開発をスタートしてしまうと、数ヶ月後にはチーム全員が「自分たちは今、何を作っているんだっけ?」と迷子になり、プロジェクトは確実に崩壊します。 今回は、開発のゴールを具体的に設定することの重要性についてお話しします。


🍳 「美味しいご飯を作ります!」の恐ろしさ

ゲーム作りを料理に例えてみましょう。 あなたが誰かに「今日は最高に美味しいご飯を作ります!」と宣言したとします。

しかし、何のメニューを作るか決まっていないのに、とりあえず見切り発車でボウルに水を入れて米を洗い出し、まな板の上でキャベツをザクザクと切り始めるでしょうか? そんなことは絶対にしませんよね。

中華鍋を振って「回鍋肉定食」を作るのか、フライパンでチーズを絡めて「カルボナーラ」を作るのか。ゴールが違えば、買ってくる食材も、下ごしらえの手順も、用意する調理器具もまったく違います。

メニューを決めずにゲームを作り始めるというのは、この「とりあえずキャベツを刻んでいる状態」と同じくらい恐ろしいことなのです。

⚔️ モンハンを作るのか、無双を作るのか

ゲーム開発においても同じです。 例えば「剣で敵を倒すアクションゲーム」を作るとします。

重い剣を両手で振りかぶり、巨大なモンスターの隙をついて一撃を与える『モンスターハンター』のような遊びを作りたいのか。 それとも、群がる何百人もの敵を、草刈りのように武器を振り回してなぎ倒す『無双シリーズ』のような遊びを作りたいのか。

このゴールの違いによって、エンジニアが研究すべき処理負荷の技術も、デザイナーが作るべきモーションの数も、プランナーが組むべきレベルデザインも180度変わってきます。

🌫️ ゴールを「ふわっと」させるほど開発は長引く

「作りながら考えよう」「とりあえず剣で戦う感じで」と、作るゲームの内容をふわっとさせればさせるほど、開発期間はズルズルと長引き、成功確率は落ちていきます。作っては壊し、壊しては作るという無駄な作業(手戻り)がチームの体力を奪うからです。

逆に「プレイヤーにこういう感情になってほしいから、この体験を作る」と具体的に絞り込めば絞り込むほど、チームの目線が揃い、開発はブレずに真っ直ぐ進みます。

迷わず最短距離でゲームの骨格を組み上げることができれば、余った時間でグラフィックを磨き、アクションの手触りを調整する「ブラッシュアップの期間」をたっぷりと取ることができます。結果としてクオリティは跳ね上がり、他社のゲームにはないそのタイトルだけの「鋭い尖り」が生まれるのです。

🔥 炎上プロジェクトの火を消す、最初の仕事

何年も完成せず、スケジュールが崩壊して炎上しているプロジェクト。そこにヘルプで投入されたディレクターが、着任して一番最初にやるべき仕事は何でしょうか。

それは、仕様書を書き直すことでも、プログラマーの尻を叩くことでもありません。 チーム全員の作業を一旦ストップさせ、会議室に集め、「我々がプレイヤーに提供する『一番美味しい一口』はこれだ」と、ゴールを具体的に定義し直すことです。

あなたのチームは今、何を作るか分からないまま、とりあえず米を洗っていませんか? パソコンを開いて作業を始める前に、まずは「プレイヤーが何を楽しむのか」というたった一つのメニューを、紙の上に書き出してみてください。

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