【企画ノウハウ】デジタルから考えるな。最強のゲームエンジンは「現実世界」にある
新しいゲームの企画を立てる時、あなたは最初からスマートフォンやテレビの画面の中だけで思考を完結させていませんか?
「このボタンをタップしたら必殺技が出て…」
「ここでエフェクトを派手にして爽快感を…」
デジタルゲームの企画書を書いていると、ついグラフィックの表現力やデータ処理のスケール感に目を奪われ、「デジタルのほうが何でも表現できるから自由度が高い」と思い込んでしまいます。
しかし、プランナーとしてその錯覚に陥るのは非常に危険です。遊びの本質を突き詰めると、実は「現実世界(アナログ)」こそが最強の遊び場なのです。
💻 デジタルゲームの「自由」は錯覚である
確かに、デジタルゲームは剣から炎を出したり、宇宙空間を飛び回ったりと、視覚的な表現やパラメータの計算においては無限の自由度を持っています。
しかし、「プレイヤーの入力(操作)」という視点で見るとどうでしょうか。
プレイヤーができることは、あらかじめプログラムされた通りにコントローラーのボタンを押し込むか、平らなガラスの画面を指でこすることだけです。システムが許可していない行動は、絶対に実行できません。入力の制限という点において、デジタルゲームは極めて不自由な箱庭なのです。
🏃♂️ 現実世界は「無限の入力」を受け付ける最強の環境
一方で、現実世界はどうでしょうか。
自分の手足を動かし、風の匂いを感じ、落ちている木の枝を拾い、友達の背中を叩く。五感すべてを使い、道具や地形を利用できる現実世界は、プレイヤーの入力において「無限の自由度」を誇ります。
遊びを考える時、このアナログな次元からスタートした方が、机の上でウンウンと唸っているよりもはるかに想定外で面白いアイデアが飛び出してきます。
🎲 現実を「ゲーム」に昇華させる3つのステップ
では、その自由すぎる現実世界から、どうやってゲームの企画を引っ張り出してくれば良いのでしょうか。その方程式は極めてシンプルです。
現実の行動を「単純化」する
例えば「丸めた紙くずをゴミ箱に放り投げる」という日常の何気ない行動をピックアップします。
あえて「制限」をかける
そのまま投げても面白くないので、「目隠しをして投げる」「左手だけで投げる」「扇風機の風が吹いている状態で投げる」といった不自由な制限(障害)を意図的に設定します。これで「ただの行動」が「遊び」に変わります。
勝敗の「ルール」を作る
「3回投げて、一番多くゴミ箱に入れた人が今日のお昼代を奢ってもらえる」という明確な勝利条件と報酬を設定します。これで遊びは立派な「ゲーム」になります。
🏕️ 結論:パソコンを閉じて、アナログから考えよう
『鬼ごっこ』も『かくれんぼ』も『だるまさんが転んだ』も、すべては現実世界の行動に制限とルールを設けた、洗練されたゲームデザインの結晶です。
画期的なゲームのアイデアが欲しい時ほど、一度パソコンの画面から目を離し、ノートとペン、サイコロやトランプ、あるいは自分の身体を使ってアナログな次元で遊んでみてください。
「ただの鬼ごっこを、どう制限すれば面白くなるか?」
そのアナログな試行錯誤の中にこそ、次の大ヒットデジタルゲームの種が隠されているのです。
