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すべての子どもは消耗品じゃない(6)

🎈リキとユキトの場合

■8.ユキト

今日は久しぶりにリキ君と一緒にゲームだ。
リキ君とリキ君ママが遊びに来てるから、今日のお菓子はいつもより豪華だ。
誕生日じゃないのに、お母さんも僕も好きなチョコケーキがある。
まじで美味しいから、毎日来て欲しい。

朝から緊張した顔だったお母さんと、久しぶりに来たリキ君ママが何を話してるかは知らないけど、ふたりしてずっとティッシュをとって涙を拭いてる。
あんなに泣いたら干からびる。

リキ君にちょっと待っててと言って、冷蔵庫からアク〇リをコップに注いで大人達のところへ持っていく。
「水分補給。どうぞ。」
びっくりした顔のリキ君ママ、鼻の頭が真っ赤になってる。
僕のお母さんも泣きすぎて赤い顔だ。

「ユキト君、ありがとう。優しいね。ちょうど冷たい飲み物が欲しかったんだ。」
そう言って、リキ君ママが笑って飲んだ。

「優しいんじゃなくて、心配性なだけだよ。
 お母さんとリキ君ママが泣きすぎで倒れたら僕らが困るから。
 それに、僕はお母さんがちょっと喜ぶことをしただけ。
 人のことも人の気持ちも全然分からないけど、お母さんが喜ぶことぐらいは分かるからね。」

そう言ったら、またお母さんが泣いちゃった。
一度泣き始めたら止まらないんだから、お母さんは。
しょうがないから冷蔵庫からボトルごと持ってきて置いておく。

リキ君とまたゲームの続きをしようとソファの方に向かうと、リキ君が
「俺もママのことなら分かるよ。昨日からなんか違うよ!」
って言って、リキ君ママがびっくりしてた。

「リキ、自分のこと俺なんて言ってたっけ?」
不思議そうなリキ君のママに、リキ君が困った顔になった。

「僕と居る時は俺だよ。
 学校や塾はうるさいから、僕って言わなきゃいけないんだ。
 俺って言うと叱られるってリキ君が言ってたよ。
 僕も俺も変わらないと思うんだけど。」

「そうだったんだ、、、。」
リキ君ママ、知らなかったんだ。ずっとそうだったのに。
まぁいっか。
リキ君ママが知らない事だってあるよ。
だって僕らは5年生なんだから。

リキ君とゲームの続きを始める。
もうすぐ5時になるから、二人に帰って貰って宿題しなきゃ。

僕はゲームの時間もお母さんとの約束も守る。
そうじゃなきゃ落ち着かないからね。




■9.リキの母

たくさん泣いたなぁ。

たくさん喋ったなぁ。

揉めないようにって本心を隠していた私が、あんなにぶっちゃけたの何年ぶりだろう。
たぶん、リキを産んでからは初めてのはず。

「ユキト君ママじゃなくて、名前で呼んで貰っていいですか?」

「じゃぁ、お言葉に甘えて香(かおり)さんって呼びます。
 私も仁香(きみか)でお願いします。」

リキ君のママじゃなくて、名前で呼び合う関係も久しぶり。

箇条書きにしてきた聞きたかったことを尋ねながら、合い間に子ども達の様子を見る。
ほんとに仲良しなんだなぁ。
家では素っ気ないリキがあんなに話しかけてる。
ユキト君の前ではこんなに喋る子だったんだ、、、。

話していくうちに旦那への愚痴が漏れ出てしまう。
一度口にしたら止まらなくなって泣いてしまった。
香さんに、「泣いてしまってごめんなさい」と謝ったら、
「辛い気持ちは外に出した方が楽になりますよ」って言って貰えた。
香さんはカウンセラーみたいだと思いながら、思いっきり泣かせて貰った。

そして泣き止む頃には本当に楽になっていた。
そう言うと香さんは笑って、「私も辛い時はそうだったの」って教えてくれた。

それから、
「旦那さんは戸惑っているだけだと思います。
 リキ君を大切に思って、一緒に頑張ってくれますよ。」
って励ましてくれた。

うーん、そういうタイプだとは思えないけど、、、今晩、向き合ってみようかな。
私もだいぶ落ち着いて話せるようになったし、香さんがいっぱいパワーと知識をくれたから頑張れる。

まずは医師にかかることが大切だってよくわかった。
何に困っているのかをプロの目で見て貰うこと。
サポートしてくれる場所を教えてもらったり、母としてどうしていけばよいのかのアドバイスも貰えるらしい。

リキ本人からゆっくり話を聞くことの大切さも教えてもらった。
私が聞くことで、リキが自分で考えて話すというサイクルを増やしていくことで、自分の考えを整理したりまとめる為の力もついてくる。
そんなこと考えたこともなかったな。
話を聞けて本当に良かった。

それから、リキやユキト君の困りごとを分かってくれる人を増やしたい。
この子たちを助けてくれる人は一人でも多い方がいい。
二人が学校でも大人になってからも辛い思いをしないように、私にできることをしたい。

そうだ。
旦那にはずっと言いたくて我慢してたことがある。
揉めたくなくてずっと我慢してきたけど、いい機会だから言おう。

よし、決めた!
こんな風に向き合おうと思えたのも勇気を貰えたおかげ。
リキの為にも
自分の為にも頑張ろう!


ユキト君の家からの帰り道、リキの嬉しそうな顔を見ながら決心した。





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これでも母🐿️みんみん 優しいお気持はありがたく、ちゃっかり頂きます(*- -)(*_ _)ペコリ💖