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【AI入門】避けては通れない、相手と自分を守る権利の話|『ゼロからのAI』#3

✦ この記事でわかること

AIで画像や資料を作るとき、
ふと気になる権利の疑問を、
1記事にまとめて整理する。(結構長いです)

著作権だけでなく、肖像権・声・利用規約、
そして「AIに入れてはいけないデータ」まで、
出典付きで確認できる 保存版 権利の基礎ノートです。

✦ 本記事について

本記事は、文化庁・総務省・経済産業省などの
公的資料をもとに、生成AIと権利の関係を
一般的な情報として整理したものです。

法律やガイドラインは随時更新され、
個別の事案では前提や結論が異なります。

そのため、本記事のみで
権利関係のすべてを網羅・保証するものでは
ない点をご了承ください。

ご利用にあたっては、

🔘 重要な判断の前に、末尾の一次資料を確認する
🔘 個別の案件は、弁護士等の専門家に相談する
🔘 最新の動向を、ご自身でも確認する

この3点をあわせておすすめします。


✦ まず、これだけおさえたい4つ

AIをこれから仕事や発信に使う人向けに、
先に要点だけまとめます。

他人の画像を、そのまま再現しようとしない
 AIに画像を入れること自体よりも、
 その画像と似たものを作らせる使い方が問題になります。
 参考にする場合は、特徴を分解して別の表現に組み直します。

「〇〇風に」という指定に気をつける
 特定の作品名・作家名をプロンプトに入れるのは、
 参照したことが明確になる典型例です。

侵害になるのは「似ている×参照した」の両方
 どちらか片方だけでは、侵害になりません。
 ただし、既存作品と高度に類似している場合は、
 依拠性を認める事情となる可能性があります。
 公開や商用利用では、侵害リスクが高くなるため、
 そのまま使用しない方が安全です。

気をつける権利は、著作権だけではない
 肖像権・商標権・声・利用規約など、
 別の線が同時に問題になることがあります。

ここから先は、AIを使っていて
ふと気になる疑問を、ひとつずつ確認していきます。


✦ Q1. そもそも、なぜ「学習」は許されているのか

AIが大量の作品を学習していること自体、
気になったことはないでしょうか。

日本の著作権法には、第30条の4という
規定があります(2018年の法改正で整備)。

作品を「鑑賞して楽しむ(享受する)」目的では
なければ、情報解析のための利用は
原則として許諾なしでできる。

AIの学習は、この「享受目的でない利用」
あたると整理されています。

「え?でも、学習したものを
みんなが使うことになるのでは?」

ここは法律の作りが答えになっています。

AI学習の過程では、
著作物の収集や複製が行われる場合があります。

それでも、作品を鑑賞するためではなく、
情報解析に利用する場合には、
著作権法第30条の4により、
原則として許諾なく利用できる場合があります。

ただし、特定作品の創作的表現を
出力させることを目的とした学習など、
「作品を享受する目的」が併存する場合には、
同条が適用されないことがあります。

学習段階と、生成物を作って利用する段階は、
それぞれ分けて判断されます。

ただし例外があります。

画像をAIに入力する行為(Image to Image)
原則はこの規定の範囲ですが、
「入力した画像と似たものを作らせる」目的が
あると、享受目的が併存するとして
適用されない場合がある、とされています。

つまり「(一定の条件では許諾なく)学習に利用できる」「入力は自由」は、
イコールではない。ここは分けて覚えておきたい
ところです。

📚 参考:文化庁「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024年7月31日)


✦ Q2. 侵害になるのは、どんなとき?

判断の軸になるのが、文化審議会著作権分科会
法制度小委員会が2024年3月にまとめた
「AIと著作権に関する考え方について」です。

総務省・経済産業省が2026年3月31日に公表した
「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」も、
この整理を引き継いでいます。

開発・学習段階と、生成・利用段階を分けて考え、
生成・利用段階は通常の著作権侵害と
同じ基準で判断される。

その基準が、

類似性:既存の作品と表現が似ている
依拠性:その作品を参照して作った

この2つです。両方そろって初めて侵害になります。

依拠性については、次の3つのケースに整理されます。

🔘 利用者は元作品を知らないが、
 AIの学習データに元作品が含まれていた

→ 生成物が元作品の創作的表現と類似している場合、
 学習の有無などを踏まえて、
 依拠性が認められる可能性があります。

🔘 利用者は知らないが、AIの学習データに含まれていた
→ 依拠性が推認される。

🔘 利用者も知らず、学習データにもない
→ 依拠性なし。偶然似ても侵害にならない。

「知らなかった」が防御にならない場合がある。

利用者が元作品を知らなかったとしても、
学習状況や出力の類似性によっては、
依拠性が問題になる可能性があります。

📚 参考:文化審議会「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日)/総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日)


✦ ひとつの引っかかり

「見本をそのままAIに食べさせるのではなく、
 配色・余白・構図・情報階層の意図を
 言語化してから作る」

こうした方法は、企業実務の文脈で
比較的よく語られます。

ただ、ここに引っかかりがあります。

その言語化を、AIにやらせている場合、
それは「画像を渡すだけ」と、
本質的に何が違うのか。

一見別物に見えて、
実はうまく説明できない部分です。

✦ 気づき:手順は、担保にならない

調べてみて、この引っかかりが
はっきりしました。

特定の一枚をAIに分析させて、
その言語化を元に「同じような」ものを作れば、
間に言葉を挟んだとしても、
元画像を認識し、参考にしていたという事情まで
自動的に消えるわけではありません。

分析や制作の履歴は、
元画像を認識していたことを示す

資料になる可能性もあります。

言語化という手順そのものが
安全を保証してくれるわけではない。

では言語化に意味がないかというと、
そうではありません。

言語化が効くのは、依拠を消すためではなく、
「類似を切る」ためです。

一枚をなぞるのではなく、
「なぜこのデザインが機能しているのか」を抽象化し、
自分の要素で組み直す。

出力が元の作品に似なければ、
類似性が立たず、侵害は成立しません。

法律上の安全を保証するものではありませんが、
実務上は、次の3つを意識することが重要です。

  1. 特定の一枚に依存していないこと

  2. 出力が元の作品に似ていないこと

  3. どう作ったか説明できること


✦ Q3.「人間でも模倣はある」のでは?

デザイナーだって、他の作品を見て
参考にしながら作っている。
それとどう違うのか。

答えは、著作権が保護する範囲にあります。

保護されるのは「具体的な表現」だけで、
作風・型・トレンド・アイデアは保護されません。

余白広めのレイアウト、
ミニマルな方向性、定番の情報設計。

こうした「見たことある感じ」に似ても、
著作権の問題にはなりません。
型は共有財産のようなものです。

ただし、作風と呼ばれている特徴の中に、
元作品の具体的な創作的表現まで
共通している場合は、個別の判断が必要です。

問題になるのは、その作品「固有」の部分。
独自のイラスト、特徴的なモチーフ、
コピーの文言、写真そのもの。

人間でもAIでも、
ここを持ち込めばアウトになり得ます。

道具の問題ではなく、
「どの層を参照したか」の問題です。

📚 参考:文化庁「令和6年度著作権セミナー AIと著作権Ⅱ」(2024年8月)


✦ Q4. 偶然似てしまったら?

参照していないのに似ていた場合、
依拠性がないため、原則として
侵害にはなりません。

ただし、誰が見てもわかるレベルで
酷似していると、
「本当に見ていないのか」と
疑われる余地
は生まれます。

また、AIの場合は学習データ経由で
依拠性が推認されるケースがあるため、
実在の作品と指させるほど似た出力は、
知らなくても避けたほうが安全です。

確認そのものは、公開する以上
省略しない基本動作です。

そのうえで、かける深さは
リスクに合わせて変えます。

🔘 個人の資料・限定共有
→ 目視での違和感チェック

🔘 noteやSNSなど不特定多数への公開
→ ネット検索・画像検索での照合

🔘 商用・広告・販売物
→ 照合に加えて、生成過程の記録を残す

「全部を同じ深さで」ではなく、
「公開範囲が広いほど深く」。
これが現実的な線だと考えられます。

📚 参考:文化庁「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024年7月31日)


✦ Q5. AIが作ったものに、著作権はあるのか

侵害の話とは逆向きの疑問です。
自分がAIで作ったものは、守られるのか。

文化庁の整理では、AI自体は著作者になれません。

判断の軸は「人間の創作的寄与」があるかどうか。

創作的な表現を具体的に示した指示や、
生成結果を確認しながら指示を創作的に修正する過程、
生成後に行った創作的な加筆・編集など、
人間側の関与を総合して判断されます。

単に生成回数が多いことや、
複数の候補から一つを選んだことだけでは、
創作的寄与が認められるとは限りません。

「AIで作った=自分の著作物」とは
限らない。発信や販売をする人ほど、
ここは知っておきたい部分です。

📚 参考:文化審議会「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日)


✦ Q6.「生成」と「公開」は、別で判断される

見落としやすいポイントです。

チェックリスト&ガイダンスでは、
生成物の「生成」「利用」で、
著作権侵害の判断が異なり得ることに
注意喚起がされています。

たとえば、権利処理を前提にした
社内検討用の生成は適法にできても、
同じものをSNSに投稿すれば
侵害になる可能性がある。

手元で作ること自体より、
「どこまで出すか」で判断が変わる。

公開範囲を一段階として意識するだけで、
リスクの感覚がだいぶ変わります。

📚 参考:文化庁「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024年7月31日)


✦ Q7. 著作権以外に、何を気にすればいい?

AI活用の注意点というと著作権ばかり
話題になりますが、実務では
「著作権はクリアなのに、別の権利でアウト」
というルートがいくつもあります。

ひとつずつ、
何が守られていて、AIだと何が起きるのかを
確認していきます。

🔴 肖像権・パブリシティ権

▪️守っているもの:肖像権は、本人の承諾なく
顔や姿を撮影・公表されない利益に関係します。

パブリシティ権は、
有名人の氏名や肖像などが持つ
顧客吸引力を保護する考え方です。

最高裁判例(ピンク・レディー事件、
2012年2月2日判決)では、肖像等の
顧客吸引力の利用を専ら目的とする場合に
違法となる、という基準が示されました。

AIで起きること
「〇〇さん風の人物」とプロンプトで指定すれば、
実在の人物に似せる意図が記録に残ります。
生成した人物画像を広告やサムネに使えば、
その人の吸引力にただ乗りした、
と評価される余地が生まれます。

避けたい例
実在の人物名・芸名のプロンプト指定。
「あの俳優っぽい顔」での商用画像。

🔴 声

ここが今、一番動いている領域です。

声そのものには著作権が及びません。
そのため長らく「声は守られにくい」
されてきましたが、状況が変わりつつあります。

2026年5月、ある人気声優の方が、
生成AIで自身の声を無断模倣した動画が
投稿されたとして、動画アプリの運営会社に
削除を求めて東京地裁に提訴したことが
報じられました。声の無断利用をめぐる
国内初の訴訟とみられています。

主張の柱は、不正競争防止法と
パブリシティ権。著作権が使えない分、
この2つで争う構成です。
被告側は類似性を争っており、
本記事の時点で判決は出ていません(係争中)。

並行して、法務省は2026年4月に
有識者検討会を発足させ、声も
パブリシティ権などで保護されるべき
「肖像」に含まれるとの認識を示しています。
指針は2026年夏にも公表される予定です。

AIで起きること
音声AIは短いサンプルで声を再現できます。
「本人の声だと思わせる使い方」
「有名な声で動画を差別化する使い方」は、
上の2つの権利に触れる可能性が
指摘されています。

避けたい例
実在の声優・タレントの声の学習と模倣。
本人の声と誤認させるナレーション。

📚 参考:報道各社(2026年5月)/内閣府「AI時代の知的財産検討会 中間とりまとめ」(2024年)

🔴 商標権

▪️守っているもの
商品やサービスの「目印」。
ロゴ、商品名、ブランド名。

AIで起きること
生成物に、実在のロゴや商品名に似た
文字・図形が意図せず紛れ込むことがあります。
学習データに大量の商品画像が
含まれているためです。

厄介なのは、作った本人に
コピーの意識がなくても起きること。

避けたい例
生成画像内のロゴ様の図形を
そのまま広告・商品に使う。
公開前に、それらしい模様や文字が
紛れていないか一度見る。それだけで
だいぶ防げます。

🔴 意匠権

▪️守っているもの
物品の形状や模様、建築物、
一定の画像デザインなど、
意匠法上登録されたデザイン。

AIで起きること
「〇〇社の製品みたいな椅子」と生成し、
それを製品化・販売すれば、
登録意匠との類似で通常の意匠権侵害
同じ基準で判断されます。

生成画像として扱う場合と、
実際の製品やパッケージとして
製造・販売する場合とでは、
問題になる利用行為やリスクが異なります。

🔴 不正競争防止法

▪️守っているもの
有名なブランドの「見た目」や表示が
築いてきた信用。

AIで起きること
著作権侵害にならない「作風の模倣」でも、
有名企業の商品やサイトの見た目に
寄せすぎると、周知な商品等表示との
混同を理由に問題になることがあります。

著作権侵害に当たらない場合でも、
ブランドや商品表示として広く知られた特徴に寄せ、
出所の混同を招く場合などには、
不正競争防止法の問題になる可能性があります。

🔴 プライバシー・個人情報

▪️守っているもの
一般の人の顔・私生活・個人データ。

AIで起きること
有名人でなくても、他人の顔写真を
本人の同意なくAIに入力する行為は、
プライバシーや個人情報の観点で
問題になり得ます。

家族や友人の写真も、
「加工して遊ぶ」前にひと呼吸。
身近なところにも線はあります。

まとめると、権利は1本ではなく束です。

著作権 → 表現
肖像権・パブリシティ権 → 顔と名前の力
声 → いま司法と立法が動いている最前線
商標・意匠 → ビジネス上の目印とデザイン
不競法 → ブランドの信用
プライバシー → 一般の人の日常

「著作権はクリアだから大丈夫」ではなく、
この束のどれかに触れていないかを
最後にひと目確認する。
それが実務の作法だと感じています。


✦ Q8. AIに「入れてはいけない」データは?

ここまでは「出す側」の話でしたが、
「入れる側」にも線があります。

プロンプトに貼った情報は、
サービスの設定によっては
AIの学習や品質改善に使われることがあります。

入力した瞬間に、手元から
コントロールが離れる可能性がある。
この前提で考えると、
入れてはいけないものが見えてきます。

🔘 他人の著作物
 拾い画・他社の広告・購入した素材の
 規約外利用。Q1・Q2で見たとおり、
 入力自体が権利の問題になり得ます。

🔘 他人の個人情報・顔写真
  氏名・住所・連絡先・顔写真など

 個人情報保護委員会も、生成AIサービスの
 利用にあたって個人情報の入力に関する
 注意喚起を出しています。

法律上の扱いは、利用者や利用目的、
入力する情報の内容によって異なります。

ただし、安全な運用としては、
第三者の顔写真や個人情報を、
本人の了承なく外部AIサービスへ
入力しないことを基本とします。

🔘 勤務先の機密・顧客データ
  社外秘の資料、顧客リスト、取引条件、
  未発表の企画。
 
就業規則や秘密保持契約に
 触れる可能性があり、権利以前に
 契約違反のリスクがあります。
 会社でAIを使う場合は、社内ルールと
 「入力データが学習に使われない設定か」を
 先に確認しておきたいところです。

🔘 パスワード・認証情報・番号類
  パスワード、APIキー、クレジットカード番号、
  マイナンバー。

 用途を問わず入力しない。これは迷う余地がありません。

判断に迷ったときの目安は、ひとつです。

「ネットの掲示板に貼れないものは、
 AIにも貼らない」

この一行だけ覚えておけば、
だいたいの場面で判断できます。

📚 参考:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」


✦ Q9. 法律の外にある、利用規約という線

もうひとつ、法律とは別のレイヤーがあります。

各AIサービスの利用規約です。

◾生成物を商用利用できるか
◾クレジット表記が要るか
◾何を入力してはいけないか

これらは法律ではなく、
サービスごとの契約で決まっていて、
しかも改定されます。

法律をクリアしていても、
規約違反ならアカウント停止などの
リスクは残ります。

使っているサービスの規約を
一度は原文で確認しておく。


✦ Q10. 逆の立場:学習されたくないとき

作る側だけでなく、
自分の作品を守る側の視点も
整理されています。

チェックリスト&ガイダンスの第2部では、
権利者向けに、

🔘 robots.txtの設定などで
 クローラによる収集を防ぐ技術的措置

🔘 類似性と依拠性が認められる侵害には、
 差止請求や損害賠償請求ができること

などがまとめられています。

noteで作品を発信している人にとっては、
こちら側の知識もセットで持っておくと
安心につながります。

📚 参考:文化庁「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」第2部(2024年7月31日)


✦ 実務でのチェックリスト

ここまでを整理すると、
次のようなチェックリストになります。

  1. 入力する前に「ネットに貼れるものか」を確認する
     他人の著作物・個人情報・機密・番号類は
     入れない。入り口が一番大事です。

  2. 特定の一枚を「再現」しようとしない
     複数の事例から共通する設計原理を抽出して
     組み直す。

  3. 画像を入力するのは、権利があるものだけ
     自分の作品・許諾のある素材・
     正式に支給されたもの。

  4. プロンプトの固有名詞に気をつける
     「〇〇風に」の指定は、依拠性が明確につく
     典型例とされています。実在の人物名・
     声の模倣も同様です。

  5. 公開範囲に応じて、酷似チェックの深さを変える
     限定共有は目視、不特定多数への公開は
     検索照合、商用は照合+記録。

  6. 生成過程のログを残す
     プロンプトや制作記録は、何を参照し、
     どのように修正したかを 説明する資料になります。
     ただし、依拠していないことを 自動的に証明するものでは
     ありません。

  7. 著作権以外の権利も視野に入れる
     実在人物の顔・声、企業ロゴ、
     有名ブランドの見た目に寄せすぎていないか
     最後にひと目確認する。

  8. 使っているサービスの利用規約を確認する
     商用利用の可否・入力禁止事項・学習利用の
     設定は、法律とは別に規約で決まっています。

✦ まとめ

✅ 学習が自由なのは30条の4があるから。ただし入力は別問題

✅ 侵害は「類似性×依拠性」の両方がそろったときだけ

✅ 酷似は「参照したはず」と推認され、実質ほぼアウト

✅ 作風・型に似るのはセーフ、固有の表現がアウトの層

✅ 言語化は依拠を消さないが、類似を切る力がある

✅ AI生成物の著作権は「人間の創作的寄与」しだい

✅ 生成はOKでも、公開でアウトになる場合がある

✅ 声は国内初の訴訟が進行中の、いま一番動いている領域

✅ 入力の目安は「ネットに貼れないものはAIにも貼らない」

✅ 守ってくれるのは手順ではなく「説明できる状態」

「言語化しているから安全」と
思い込んでいた部分を疑って調べてみると、
線引きの置き場所が変わりました。

✦ 参考文献

この記事は、以下の公的資料・報道をもとにした一般的な内容です。

🔘 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」 (2026年3月31日)

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ai_network/02ryutsu20_04000019.html

🔘 文化審議会著作権分科会法制度小委員会 「AIと著作権に関する考え方について」 (2024年3月15日)

🔘 文化庁著作権課 「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」 (2024年7月31日)

 ※上記2点は文化庁「AIと著作権について」ページに掲載 
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/aiandcopyright.html

🔘 文化庁「令和6年度著作権セミナー AIと著作権Ⅱ」 (2024年8月)

🔘 内閣府「AI時代の知的財産検討会 中間とりまとめ」 (2024年)

🔘 個人情報保護委員会 「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」

🔘 最高裁判例:ピンク・レディー事件 (最高裁 2012年2月2日判決)

🔘 声のAI無断模倣をめぐる国内初の訴訟 (東京地裁・2026年5月報道時点で係争中)

個別の案件で判断に迷う場合は、
弁護士など専門家への相談をおすすめします。


✦ 最後に

権利の問題には、いつでも使える明確な白黒の線があるわけではありません。

何を参考にしたのか、どれほど似ているのか、どこで使うのか。さまざまな事情が重なり、相手の受け止め方や個別の状況によっても、判断が変わることがあります。

この記事でも「必ず大丈夫」「必ず侵害になる」ではなく、「問題になる可能性がある」という表現が多くなりました。

だからこそ、必要以上に恐れて何も作れなくなるのではなく、基本的な考え方を知ったうえで、一つずつ確認しながら進むことが大切なのだと思います。

知識が十分でないうちは、少し似ているだけで、すべてが「パクリ」に見えてしまうこともあります。

けれど、アイデア、作風、技法、構図、具体的な表現など、いくつかの角度から見られるようになると、「似ている部分はあるけれど、同じものではない」と整理できる場面も増えていきます。

知識は、誰かを責めるためのものではなく、自分と相手の作品を尊重しながら、安心して創作を続けるためのもの。

曖昧さが残る分野だからこそ、決めつけず、恐れすぎず、必要な確認をしながら進んでいきたいと思います。

深夜ラテ





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