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料理をがんばるの、やめました

料理は好きなはずだったのに。
いつからか、「やらなきゃいけないこと」になっていた。
気づいたときには、苦痛になっていた。


結婚したころは、レパートリーも少なくて、
毎日の献立に悩みながら、料理本を開いては一つひとつ挑戦していた。


夫の好きなメニューも、工程がいくつもあって面倒なものばかり。
それでも「喜んでほしい」と思って、何度も何度も挑戦した。

慣れない手つきで時間をかけて、キッチンに立ち続けたあの頃。
今思えば、がんばっていたなと思う。

けれど、いつからだろう。

「ここまでして作らなきゃいけないのかな」と思うようになったのは。


「どうして、いつも私だけが料理しているんだろう」と
疑問を持つようになった。

結婚して妻だから? 女だから? 家事は女の役目?
そんな無言のルールにはまり込んでいたのか?

残業でクタクタの日もあった。
遅く帰ってきて、正直もう何もしたくない日だってあった。

それでも私は、当たり前のようにキッチンに立っていた。

どんなに時間をかけて作っても、
「おいしいね」とか「ありがとう」とか、
そんな言葉はほとんどなかった。

料理は、いつのまにか
「やって当たり前の仕事」のひとつになっていた。

そのうち子どもが生まれて、
料理は少しずつ「子どものため」に
するものへと変わっていった。

子どもが食べやすいもの。
好きなメニュー。
モリモリ食べてくれる姿。

それを見るだけで、不思議とやる気がわいてくる。

この差は、なんだろう。

夫も文句を言わず食べてくれるのは同じなのに、
感じ方はまるで違う。

きっと、求めているものが違うのだと思った。

夫とはフェアな関係。
子どもは、してあげる関係。

その違いなのだと、なんとなく腑に落ちた。

気づけば、献立もワンパターン。
新しいメニューに挑戦する
余裕も気力もなくなっていたからだ。


そんなある日、職場の同僚に聞かれた。

「苦手な食べ物ってなに?」

ちょっと考えると

「……手間がかかる料理」かも?

同僚は笑っていたけれど、私はわりと本気だった。

そして、もうひとつ気づいたことがある。

自分が何が好きで何が嫌いかも、よくわかっていなかった。

多分、嫌いな食べ物は作ることはないし、食材を手にしないからだ。


私は
「作るのがしんどい料理」を無理して作っていたんだ、と。

だから私は

苦手な献立を、無理して作るのをやめることにした。

手間のかかる料理は、気分がのったときだけでいい。
疲れている日は、簡単なものでいい。
同じメニューが続いたって、別にいい。

ちゃんと食べられれば、それでいいじゃん。


そして子どもが大きくなった今
自分の好きなものを作ることにも、
疲れている日にお惣菜だけの食卓にすることにも、
何の抵抗もなくなった。

これも、関係の変化なのかもしれない。

不思議なことに、そう決めてから、料理が少し楽になった。
キッチンに立つ時間も、気持ちも、前より軽くなった。

「ちゃんとしなきゃ」と思っていた頃よりも、
ずっと自分に優しくなれた気がする。

がんばって作ることよりも、
毎日作り続けることのほうが、
ずっと大変だし大事だし必要だから。

今日のごはんは、ちょっと手抜き。
でも、それでいいと思いはじめている。

こう書いてみると決心できたかのように気持ちがスッキリできた。


あなたの「やめてラクになったこと」も聞かせてください。

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