デンマーク生活78:生活経済政策連載第5回「死を分かち合う国」と特集寄稿のお知らせ
少し告知が遅くなりましたが、今月の連載のお知らせです。今回は8月号、日本だとお盆の季節なので、お墓を入り口に考えてみました。
この写真は公園のようにみえますが、実は墓地です。誰でも入れるのですが、デンマークでは墓地は公園のような公共財的な位置付けにあります。あくまで墓地の土地を借りる形なので、先祖代々墓を管理するというものではありません。葬式も教会税による共同財源をベースに実質的に無料(あるいはだいぶ安価)で行っています。日本とデンマークでは墓地や葬式の位置付けがだいぶ違います。

ロスキレに住んでいると、ロスキレ大聖堂をはじめとした教会の存在感に気付かされます。イベントやコミュニティもそこを中心に展開されていることに気づきますし、以前の記事でも紹介したのですが、デンマークでは教区の上に基礎自治体が設置された、つまり教会の教育・救貧機能を代替する形で基礎自治体のサービスが発展してきた経緯があります。
その意味で、デンマークにおける教会の歴史を知ることは、豊かな財政、特に地方税をベースとした地方財政の歴史的成り立ちを考える上で不可欠だと考えるようになりました。デンマークは現在でも教会税が残る国として知られています。しかも地方税と一緒に徴収されていることが特徴なのですが、これが歴史的に地方財政の成り立ちとどう関係しているかを今回は分析しました。ご関心がある方はご覧いただければ幸いです。
『生活経済政策』2026年8月「連載 福祉国家で暮らしてみて—研究者・親・外国人としてのデンマーク生活 」第5回目」「死を分かち合う国」
また、同号の特集でも「平和」をテーマに緊急寄稿しました。
倉地真太郎(2026)「消えた祝日—デンマークの対話と実践的理想主義」生活経済政策研究所『生活経済政策』2026年8月号、pp.19-25(No.355)
こちらは近年のデンマークの安全保障政策・外交政策や国内政治(選挙等)について、財政民主主義の視点から考察してみました。防衛費を賄うために実施された祝日の一部廃止はなぜ実施されたのか。それは財政的にどのような意味を持っているのか、そしてその後復活に至ったのかを考えます。
