デンマーク生活50:ロスキレの地下に埋まった教会
今日は日曜日。海岸にピクニックに行くために家族で外出しました。
以前ブログで消化した旧市庁舎(現在の市民交流館、Byens Hus)の建物を通り過ぎると、いつもは閉まっている旧市庁舎の別の入り口が空いていることに気づきました。

中に入ってみると、この建物の歴史を紹介する展示コーナーがありました。この場所は、中世には教会、その後は市庁舎、病院、消防・警察、監獄所など、時代とともにさまざまな役割を担ってきた場所だそうです。
https://xn--kulturstrget-3jb.roskilde.dk/da-dk/om-kulturstroget/sankt-laurentius/
まず地下には、1000年前の中世教会跡(聖ローレンス教会)がありました。ただ、これはもともと地下に教会が作られていたわけではありません。当時は当然地上にあった教会が、数百年かけて都市の地層が積み重なった結果、現在では地下空間になった場所でした。展示によれば、この教会は当時の街の中心にあり、病院機能も担っていたそうです。しかしその後、火災による瓦礫、ゴミ、道路舗装、建物の建て替えなどが積み重なり、地表が約2メートル上昇。その結果、かつての「地上階」が現在の地下になったとのことでした。


中世の教会は病院機能をもち、地域の福祉を担っていました。しかし宗教改革後に教会本体は解体され、塔だけが残されます。その後、この塔は牢獄、市庁舎の塔、消防・警察機能へと姿を変えていきました。展示では当時の牢獄も再現されていて、かなり高い位置にあり、「これは確かに逃げられないな……」と妙に納得しました。
今個人的にデンマークの教会税や教会財政と地方財政の関係を調べているのですが、デンマークでは教会税が地方住民税に上乗せされる形で徴収されています。もともと教区(parish)が担っていた行政サービスや行政区分を地方自治体が引き継いだため、教会と地方財政が完全には切り分けられない形が今でも残っています。実際、デンマークでは冠婚葬祭や墓地サービスの多くが教会を通じて提供されており、教会税と国の補助金を財源とした「公共サービス」として機能しています。
つまり、ロスキレの教会コミュニティは現在の住民・行政サービスの基盤となったわけです。そんなことを改めて実感する展示でした。
