桜色のオンガク月報(2025年8月)
夏休みは私にとってエンタメのシーズン。
今月もたくさんの素敵な曲に出会えました。
8月の「桜色のオンガク月報」も、ぜひ最後までお付き合いください。
よく聴いているCD
Vivid BAD SQUAD「フューエル/ヘイブン」
リズムゲーム『プロジェクトセカイ』のストリートユニット・Vivid BAD SQUAD(ビビバス)の最新シングル。
タイトルの通り、果てしなく燃料(fuel)を足し続けるように情熱的かつ好戦的な「フューエル」と、爽やかな風とまっさらな朝の陽射しを感じる「ヘイブン」の2曲が収録されています。
どちらも、挫折しそうになった過去、思い通りにいかない過去を乗り越えた先の、眩しい光を歌った楽曲です。「フューエル」では東雲彰人くんのたきつけるような鋭い歌声が、「ヘイブン」では青柳冬弥くんの柔らかく伸びやかな歌声が光っていて、その対比も聴きどころ。
互いに尊敬し合って、「こいつの隣にずっと並んでいたい」と互いに思い合っている相棒どうしの2人、これからもその関係性から目が離せなくなりそうです。
フラガリアメモリーズ「WISHES」
サンリオ初の本格ファンタジープロジェクト「フラガリアメモリーズ」。
人気サンリオキャラクターを主(ロード)とする騎士たちが、それぞれの想いを歌った楽曲たちを、ついに1枚のアルバムとしてお迎えすることができました。どれもロードに向けた歌なので、聴いていると温かい気持ちになれます。
個人的には、マロンクリームへの想いが歌われた楽曲「I’m Stitch Dot」がいちばんお気に入りです。
クラシカルな雰囲気がありつつも、「伝い落ちてゆくドット柄を 頬にあしらわせはしないから」など、深い愛情と覚悟を感じる歌詞もちりばめられていて、品のある湿度を感じる曲調が素敵。
引き続きたくさんリピートしたいアルバムです。
よく聴いている曲
SixTONES「Stargaze」
先日、こちらの記事でMVについて詳しく考察した、SixTONESの「Stargaze」。
この記事を書いたあと、「Stargaze」がスラングで「目まぐるしい世界に無関心なひと」という意味があるのを知りまして。
あくまで私の捉え方ではありますが、この言葉は、「何かを表現し伝えるひと」からしたら、最大級の賛辞だと思います。
目まぐるしく移り変わる世界の様相にも物怖じしない、その世界に無理に順応しようとしない、芯のあるひと。時代に左右されない魅力をもつひと。そんな人物を彷彿とさせる言葉ではないでしょうか。
存在意義さえ 足元から揺らぐような そんな時もあるがだからなんだ
目まぐるしい世界のことなんて気にする暇もないくらい夢中になれるものがあるからこそ、力強い声で「だからなんだ」と跳ね返せるのだと思います。
9月はじめのCDのリリースが、既にとても楽しみです。
HANA「Tiger」(from 1st FANMEETING『HANA with HONEYs』)
私はこういうHANAをずっと見てみたかったんです。
スタンドマイクを使って、歌声と佇まいで魅せるようなパフォーマンスが、絶対に映えるだろうなと思っていました。(それが、まさか「Tiger」で見られるとは想像もしていませんでしたが。)
もともとオーディションのためにちゃんみなさんが書き下ろした曲で、これまでのパフォーマンスもオーディションのときの演出をなぞったものでしたが、これが「HANAの『Tiger』」なんだなと感じます。
眠りについていた虎が、ゆっくりと目を開け、立ち上がって牙を剥く……そんな一連の動作に重なるような構成。
凶暴さの中に、どことなく優美でしなやかな印象が垣間見えるような7色の歌声。
「個」の強さをひしひしと感じるのに、ふとした瞬間にメンバーどうしで目を合わせて笑う姿が見えるともう……いまだに「HANAになるまでの間、頑張ってくれて本当にありがとう」と思ってしまいます。
「置かれた場所で咲く」ことももちろん素敵だけれど、「探し抜いて見つけた場所で咲くために努力する」姿には、また異なる燦然とした輝きがある気がします。
なるみや「リードコントロール」
たまたまYouTubeのショート動画で耳にして、甘えるような歌声と艶めいた歌詞とのギャップに魅了されてしまった「リードコントロール」。
なるみやさんの声そのものが甘いジュースのような中毒性をもっていて、何度も再生してしまいます。時々ふっと掠れたり、吐息が混ざるのもドラマチック。
歌詞だけを読むと女の子のほうが優位に立っているように見えますが、MVをよくよく見ると、実際のところ女の子のほうが「愛が欲しい」と相手のことを強く求めていそう。孤独感や寂しさの陰、「あなたがいないと生きていけない」という共依存の関係も見え隠れしています。
噎せるような甘い香りを放ったチョコレートを口に入れたのに、実際はビターチョコレートだった……というような、魅惑的な1曲です。
吉澤嘉代子「地獄タクシー」
YouTubeのショート動画で吉澤嘉代子さんのライブ映像を目にして、たまたま知った楽曲。(最近、私のYouTubeがいい仕事をしてくれて嬉しいです。)
レトロでダークな世界観。
夢と現実のあわい、あるいはこの世とあの世の境を行き来するかのような、どこか幻想的な曲調。
ドキッとする歌詞の数々。
まるで1本のミュージカル映画のような、小説のような1曲です。
夫人の心情を歌う声と、亭主の独り言を歌う声と、タクシー運転手の口の動きと重なる歌声と、それ以外の「語り」を歌う声と、どれもきちんと違う人物の声に聞こえるから不思議。
伸びやかでありながら、耳に残るざらつきのようなものも感じる歌声に、たちまち魅了されてしまいます。
じょるじん「ラストファラオ」
小学生の頃に伝記で読んだ逸話のせいかもしれませんが、クレオパトラと聞くと、豪胆な性格で絶世の美貌をもつ女王というイメージがありました。
しかし、この「ラストファラオ」では、クレオパトラの心の脆い部分が描き出されています。
楽曲とMVを通して表現されているのは、彼女の見た目の美しさではなく、国のため、自分以外の誰かのために常に強く在ろうとした心の美しさ。
じょるじんさんは「童話や神話、逸話などを黒く染めて曲にする」というコンセプトで活動しているボカロPさんですが、クレオパトラに向ける眼差しは冷静でありながら温かいものであるように感じます。
新たに紡ぎ直されたクレオパトラの物語が纏うのは、切なさと凛然とした煌めき。彼女が、人の心を惹きつけて離さない魅力をもっていることだけは、いつの時代の解釈でも変わらないのだろうと思います。
ルンルン Cover「裸の勇者」
「裸の勇者」では、「悪意」に「力が伴」っていて、「愛してしまった思いを 全部守れるほどの」ものは「光」だと歌われています。
大切なものを守る武器になるのは、力ではなく、まるごと包み込むような光。
そんなメッセージが、あまりにも、「るんちょま」ことルンルンさんが配信で伝えている優しい言葉の数々やおおらかな考え方にぴったりで、なんて素敵な選曲なんだろうと感じました。
聴くたび、不思議と心を支えてもらっているような温かさが込み上げてくる、唯一無二の清廉な光を纏うカバーです。
まとめ
今月は、物語仕立ての曲に惹かれることが多かった気がします。
まだまだ暑い日は続いていますが、夜には少し秋の気配も感じるこの頃。
引き続き音楽の力を借りながら、軽やかに日々を過ごしていきたいです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
私の記事が、読み手の方の心にひとひらでも残っていたら、とても嬉しいです。
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