ノルウェイの森🌳
私が夫と付き合い始めたのは高校3年生の頃。
当時の私たちは遠距離恋愛だった。
初めて彼の実家を訪れた時は、片道500キロの距離をバイクに乗って迎えに来てくれた。
※その頃のお話の記事も読んで頂けると嬉しいです☺️
そして旅の終わりは1人で新幹線に乗った。
旅のお供だったトランクを抱えて自由席に乗り込むと、車内はかなり混んでいて空席がなかった。
私は仕方なく、乗降口の横に立っていることにした。
当時はまだ携帯電話もなかったので、私は窓の外をボーッと眺め続けていた。
そして私の向かい側にも1人の男性が立っていて、彼はずっと本を読んでいた。
私が新幹線に乗り込んで約2時間くらい経った頃、その男性は本を読み終えた。
そして本を閉じると、目の前にいる私の顔を見て『お互いに立ちっぱなしで疲れたね』と言わんばかりの表情をした。
そして突然『これ、面白かったから読む?』と言って、ついさっきまで読んでいた本を私に差し出してきた。
一瞬驚いたけど、私は何の迷いもなくその本を受け取った。
『いいんですか?』
『面白かったから、良かったら読んでみて。』
その本のタイトルはノルウェイの森だった。(上下巻2冊あった)
それからしばらく私達は色んな会話をした。
男性が故郷に帰省していたという話や、私が遠距離恋愛の旅の帰りだという話。
そして私の持っているトランクがちょっと珍しいなと思った。など…
そんな会話を続けているうちに、気が付けばあっという間に新大阪駅に到着した。
『じゃあここで。』
お互い駅に降りると、もう二度と会う事もないだろう相手に、笑顔でサヨナラをした。
そして私はさっき貰った本を手に、少しワクワクした気持ちになった😌
『旅というのは色んなことが起こるものなんだなぁ』と。
そしてあれから31年経った今も、私はノルウェイの森を目にする度、あの旅の終わりの出来事を思い出す。
携帯電話やSNSの無かったあの時代、一期一会という貴重な思い出は、今でも私の心を温かい気持ちにさせてくれる😌
