仕事を1日減らしたら、売上がむしろ増えた話
週休2日から週休3日に——つまり週4稼働に切り替えてから、1年以上が経ちました。
そろそろ振り返るにはちょうどいい頃合いなので、ここまでの記録をまとめてみます。
きっかけは単価でした。これ以上は上がらなさそうだと感じたとき、ふと思ったんです。
上げられないなら、休みを増やせばいい。
働く時間あたりの価値、つまり実質的な時給を上げる方向です。
結論から言うと、稼働を減らしたにもかかわらず、売上はむしろ増えていました。
お金より時間がほしい人、週5日はそろそろ体力的にしんどいと感じている人へ。
交渉の進め方から生活の変化、正直に言うとちょっと申し訳ないことまで。
実際にやってみた記録を残しておきます。
単価が頭打ちになって考えたこと
私はUnityエンジニアとしてマイクロ法人を運営し、フルリモートで業務委託の形で仕事をしています。
契約は月額固定です。フリーランスでよくある時間単価型の契約だと、話は変わってきます。
140〜180時間で超過精算するタイプだと、今回のような交渉はそのままでは難しいかもしれません。
その点だけ先に書いておきます。
現場での単価は飛び抜けて高いと言われていました。ただ、裏を返すと「これ以上は上げにくい」ということでもあります。
単価交渉でこれ以上の上積みを狙うのは、正直むずかしそうだと感じていました。
そこで発想を変えました。単価を上げられないなら、働く日数を減らせばいい。
同じ報酬に近い水準を保ったまま稼働日を減らせれば、1日あたりの価値は上がります。実質的な単価アップ です。
きっかけになったのは、チームの中にすでに水曜日を非稼働日にしているメンバーがいたことでした。
その人の働き方を間近で見ていて、「これ、自分にもできそうだな」と素直に思えたんです。前例があると、ぐっと現実味が出ます。
交渉は意外とすんなり通った
交渉のタイミングに選んだのは、月に一度の面談でした。
あらたまった場をわざわざ作るより、定期的に話す機会のほうが切り出しやすかったからです。
伝え方はシンプルでした。「単価アップはむずかしいと思うので、隔週でもいいので週4稼働にしてもらえないか」。
いきなり毎週ではなく隔週から、と幅を持たせたのがポイントだったと思います。相手も判断しやすくなります。
あわせて、繁忙期には稼働を調整できることも先に伝えました。
こちらの希望だけを通すのではなく、相手が困りそうな場面のケアを最初に示しておく。
これで「休まれると回らないかも」という不安をやわらげられました。
結果として、相談は割とすんなり通りました。
理由ははっきりしていて、普段から体感で他のメンバーの3倍くらいはコミットしていたからだと思います。
日頃の貢献が、交渉のときに生きてくる。信頼の貯金があったから通った 、というのが正直な実感です。
水曜休みで生活はこう変わった
もともと土日が休みだったので、ここに水曜が加わると、週の真ん中に必ず休みが来ます。
これが思った以上に大きかったです。週の途中で一度リセットできるので、疲れがその週のうちに蓄積しなくなった んです。
地味にうれしいのが、平日にしか行けない場所に行けること。具体的にはこんな感じです。
役所や病院を水曜にまとめて片づけられる
土日は混んでいるお店や施設も、水曜ならすいている
子供が学校に行っている午前中は身軽に動ける
これだけでも生活のストレスがかなり減りました。
家族との時間の使い方も変わりました。妻と平日の昼間に映画を観に行く、なんてこともできるようになったんです。
前の働き方では考えられなかった時間の使い方です。
増えた休みには、AIを使って個人開発を試したり、整体に行ったり、ふらっと出かけたり。
やりたかったけど後回しにしていたことに、ちゃんと手が回るようになりました。
そして月曜です。水曜が休みだと「2日働けばまた休み」という構造になります。
これで月曜の憂鬱が格段に減りました 。週の見え方が変わると、気持ちまで変わるんだなと実感しています。
仕事がきつくなるのは思い込みだった
休みが増えたら、その分ほかの日の仕事がきつくなるんじゃないか。始める前はそう思っていました。
でも、やってみると意外とそうでもなかったです。
コツは、休み前に切りのいいところまでしっかり終わらせておくこと。
中途半端な状態で休むと気になってしまうので、ここだけは意識しました。
区切りをつけてからリフレッシュすると、パフォーマンスはほとんど落ちません。
たぶん、休んでいる間もずっと仕事のことは考えているからだと思います。
コードに向き合わない時間が増えたぶん、頭の中で問題を整理する時間が増えた。
その整理を稼働日にアウトプットする、というサイクルができています。
繁忙期は夢の中でも仕事していて、夢で見た不具合の対応方法を翌朝実際に試すこともあるくらいです。
エンジニアあるあるかもしれませんが、休日に頭を使っている自覚はあります。
実際、コミット量は以前とほぼ変わっていません。
週4稼働でも質を保てているうえに、急な依頼で水曜に動くことになっても柔軟に対応できる。
その柔軟さに対して「助かる」と評価してもらえることもあって、これは予想外の収穫でした。
稼働を減らしたのに、売上はむしろ増えた
交渉は「月額固定の単価はそのままで、稼働日数を減らす」という内容でした。なので基本的には収入は変わらない想定でした。
ところが、繁忙期に稼働を調整していたことがインセンティブとして返ってきて
ボーナス的な上乗せをもらえる場面がありました。
結果として、稼働日を減らしたにもかかわらず売上はむしろ増えたんです。これは完全に想定外でした。
ただ、一人法人の場合は売上が増えても、手取りがそのまま増えるわけではありません。
増えたのは経費に回せるお金です。私の場合、仕事と趣味がかなり一致しています。
だから経費として使えるお金が増えることは、感覚としては給与が増えているのとほとんど同じ。
ここは人によって受け取り方が分かれるところだと思いますが、私にとっては大きなプラスでした。
正直、ちょっと申し訳ないこともある
いいことばかり書いてきましたが、もちろん引っかかる部分もあります。
ひとつは、自分の気持ちの問題です。
始めてすぐの頃は、周りが働いているのに自分だけ休むのが、なんだか申し訳なく感じました。
もうひとつは、自分が週4稼働になったことを周りが把握しきれていないこと。
非稼働日にメンションが来ることがあります。
チームにはSlackの表示名に「◯◯休み」と入れておく文化があるので、私も「水曜休み」と添えて対応しました。
ただ、名前の横の予定って意外とみんな見ていないもので、それでもメンションは普通に来ます。
とはいえ、休みの日にメンションが来ること自体は、正直まったく気にしていません。
今でもSlackはちょこちょこ見ていて、他の人の手が止まりそうな用件なら、休みの日でもさっと対応します。
だからこちらとしては困らないんです。
むしろ相手に「すみません、水曜日でしたね」と気を遣わせてしまうほうが、申し訳ないなと思うくらいです。
なぜ休みでも対応するのか。自分がブロッカーになったり、ボールを持ったまま放置したりすると
結局「休みなのに仕事が気になる」状態になって、こっちがリラックスできないからです。
これは稼働日でも気をつけているところで、ボールを長く持たないようにしています。
根っこにあるのは、「この人とならまた一緒に働きたい」と思ってもらえる動き方をしたい、という気持ちです。
最初は、一緒にいる時間が減ると相談しにくくなるかもと思っていました。
ただ実際には、チームにtimesチャンネルがあって何かあればそこに投稿できるし
メンバー全体向けの雑談チャンネルも整っていたので、それほど困りませんでした。
環境次第では気になる人もいるかもしれませんが、うちのチームは非同期でもやりとりしやすい文化があって、それが助かりました。
増えた休みに別の仕事を入れることも考えましたが、週1で受けられる案件を探すのはなかなかむずかしそうで
今のところ保留にしています。気まずさや小さな不便はあるものの、自分の時間が増えたことの満足度のほうが上回ってるのは確かです。
週休3日はどんな人に向いているか
実際にやってみて、向き不向きははっきりあると感じました。
向いていると思うのは、お金より時間がほしい人。そして週5日はそろそろ体力的にしんどいな、と感じている人です。
時間が増えることそのものに価値を置ける人なら、満足度は高いはずです。
交渉を通しやすいのは、普段からチームに貢献している人です。日頃の信頼が、そのまま交渉の通りやすさにつながります。
逆に言うと、ここの貯金がないと話を聞いてもらうのは大変かもしれません。
一方で、とにかく稼ぎたいと思っている人にはおすすめできません。
額面が下がる可能性は普通にあるので、目的がお金なら別の手を考えたほうがいいです。
私の場合は、子供を見る時間や自分の自由な時間が増えて、今のところとても満足しています。
どんなエンジニアが、どんな働き方をしてきたのか。
私自身のことは、こちらの自己紹介にまとめています。
もし「週1くらいでよければ手伝えることがあるかも」という方がいたら
お気軽に声をかけてもらえるとうれしいです。増えた休みの使い道として、ゆるくお手伝いできるかもしれません。
コメントやお問い合わせから、気軽にメッセージをいただけると喜びます。
この記事の要点
単価が頭打ちなら、稼働日を減らして「実質単価アップ」を狙う手がある
月額固定の契約前提。時間単価型(140〜180h精算あり)だとそのままでは難しい
交渉は月1面談で「隔週でもいいので週4に」と幅を持たせ、繁忙期の調整も提示すると通りやすい
普段からの貢献(信頼の貯金)が交渉の通りやすさに直結する
週の真ん中の休みは疲れを蓄積させず、月曜の憂鬱も減らす
平日にしか行けない場所、空いている施設、家族との時間に使える
休み前に区切りをつければパフォーマンスはほぼ落ちない
稼働は減らしたが収入は変わらない想定。繁忙期のインセンティブで売上はむしろ増えた
一人法人の場合、増えた売上分は手取りではなく経費として活用できる(インセンティブがあった場合の話)
非稼働日のメンションは来るが自分は気にしていない。むしろ相手に気を遣わせる方が申し訳ない。チームに非同期文化があれば不安は少ない
お金より時間がほしい人、週5がしんどい人に向く。とにかく稼ぎたい人には向かない
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