【シェアハウス入居者インタビュー#1】面会交流が実現しない理由|公正証書でも“会えない”現実《後編》
■ 前回からのあらすじ
公正証書に「2か月に1回の面会」を明記しても、現実にはそれが実現しない──。
Aさんは、そんな理不尽な状況を打開するため、損害賠償請求という異例の手段に踏み切ります。7年ぶりに息子を抱きしめた喜びも冷めやらぬうちに、次の衝撃が訪れることに──。
Aさんとのインタビュー記事の後編です。
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■ この記事でわかること
公正証書成立後も面会が実現しない理由
面会権に強制力がないという法的限界
損害賠償請求で面会を実現させた経緯
単独親権制度下での課題と共同親権への展望
■ 公正証書の「約束」が守られない現実
面会条項が公正証書に盛り込まれた後も、状況は変わりませんでした。
奥さん側から届いたのは、
「まだ会わせられない」 「まずは手紙を送って」
という連絡。
Aさんは素直に応じましたが、後日判明した衝撃の事実──
その手紙は封も開けられず、息子にも渡されずに捨てられていたのです。
Aさん:「あの時は怒りよりも、息子に届かなかった悔しさが強かった。」
その後も「面会日時を決められない」 「連絡もしないでほしい」と一方的な拒否が続きます。
私は、これが制度の限界なのだと思いました。
日本では、養育費の不払いに対しては強制執行が可能ですが、面会交流の不履行には直接的な強制力がないのです。
■ 損害賠償請求という突破口
行き詰まりを打開するため、Aさんと弁護士は大胆な策に出ます。
通常は再び調停や審判を申し立てるところを、あえて「公正証書違反による損害賠償請求」という形を選びました。
請求額は500万円。
Aさんの強みはあの証拠、「お父さんに会いたい」と書かれた息子の手紙です。
Aさん:「請求金額通りの判決にならないのはおおよそ承知しています。
面会の要求から“逃げる”とこうなると、分かってもらうのが大きな狙いでした。」
この請求が送達された途端に空気が一変。相手方は面会に応じることに。
裁判所の命令が効かないケースでも、「金銭的リスク」は抑止力になり得る場合もあることを示したテクニカルな局面でした。
■ ついに訪れる7年ぶりの再会
そして迎えた面会当日。
7年間かけてAさんは、ようやく息子と直接会えました。
生まれてから一度も抱きしめたことがなかった息子を、初めて抱きしめた──
面会の場でAさんは、自分の幼少期の記憶を重ね合わせます。
小学2年のときに両親が離婚し、父親がいなかったAさんは、友達が父親に肩車されている姿を羨ましく見ていたと言います。
その思い出を胸に、今度は自分の息子を肩車してあげることで、「同じ寂しさは味わわせたくない」と強く願ったのです。
Aさん:「小学2年で父がいなくなった自分と、同じ年頃の息子。絶対に同じ思いはさせたくなかった。」
私はなんだか胸がつまる思いでした。
■ しかし、その後に突きつけられた現実
次回の面会を目前に、相手側弁護士から突如として伝えられたのは
「再婚してハワイに移住をするので面会できない」
という衝撃的な通告でした。
それ以外具体的な情報は一切なく、真偽すら曖昧なまま。
けれどその報告によって、せっかく取り付けた再会の約束はまたもやあっけなく宙に浮いてしまいます。
Aさん:息子に言ったんです。「成人するまで君を支える」と。
そしたら初めて息子が私を「パパ」と呼びました。
■ 単独親権制度の壁
現行の単独親権制度では、親権を持たない親が現在の子どもの居住地や学校の情報を得ることは極めて困難です。
仮に生活拠点が大きく変わったとしても、詳細を確認する術が限られています。
政府は共同親権の導入を決めていますが、施行は2年後の予定。
Aさんはその時期を見据え、新たな覚悟を決めて、再度この問題に向き合う準備を進めています。
■ まとめ|見えてきた課題
面会交流の合意はあっても、現行法では実効性が担保されない
損害賠償請求は、面会実現のための有効な圧力となる場合がある
単独親権制度下では、情報取得や安定的な交流が極めて困難
海外移住の可能性は面会を一層難しくするリスクとなる
制度改正は希望となるが、施行までの空白期間への対応が必要
私のような一介のシェアハウス事業者にできることは、住まいを求める人に「家を貸す」ことだけかもしれません。
けれど入居者それぞれに人生があり、戦いがあります。
逆境の中でシェアハウスという選択肢を選び、未来を掴むために日夜努力を惜しまない──。
そんなAさんを、私は心から尊敬します。
そしてその戦いは、まだ終わりを迎えてはいません。。
世の中でも注目されている親権問題の渦中にいるAさんには一石を投じて欲しいですし、これからも頑張って頂きたいです。

■ その他のnote投稿者さん
その他にnoteでこういったテーマに関連する記事を投稿している方もいたのでご紹介します。
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