第二の幕が開く【 空の軌跡SC:改 HD EDITION 】(PS3)
物語はFC直後から…
あんな終わり方されたら続きが気になるに決まっているだろうが!!!
そんな本作『空の軌跡SC:改 HD EDITION』は、前作『空の軌跡FC』のエンディング直後から始まる物語。主人公エステルと仲間たちで、姿を消したヨシュアを探しつつ、前回同様遊撃手としてのお仕事をこなし、各地方で起きた異変を解決していこう。ちなみに本感想文はネタバレ全開で書いていきます。
今回も2007年に発売されたPSP版をHD化した、PS3版でプレイ。相変わらず画面が一回り小さいが個人的には気にならなくなった。あと『SC』は”Second Chapter“の略だ。
基本的なゲームの作りは大きく変わらず、『チェイン技』や『釣り』などの追加要素が加わった程度。しかし今回は『結社』という強力な敵と戦うことになるため、前作以上に緊張感があり、先が読めない展開にドキドキさせられるぞ。

現実を受け止めきれないエステルがあまりに悲しい。

菓子を投げろ!さらなる自由な戦闘!
そんな本作の見どころはさらに自由度が上がった戦闘だ。
オーブメントのレベルが増えたことで、より強力なアーツを使えるようになり、前作以上に戦略的なアーツや、気持ちよいダメージを叩き出せる。また、前作では終盤以外変更できなかった、主要メンバーも中盤でほぼ揃うため自由に入れ替えられる。おかげで状況に応じて編成を変えられるようになり、戦略の幅が広がったぞ。
個人的なボス攻略としては、『クロックダウン』『クロックアップ改』等の行動値系アーツを駆使し、こちらの行動回数を増やして戦うのがセオリーだった。能力上昇系アーツが攻略の要だ。
さらにSCからの新要素である『びっくりクッキー』『安眠クッキー』等の攻撃系料理アイテムが、Sブレイク技以上のダメージを叩き出してくれるので終盤はかなり頼りになった。いや、ゲームバランスを崩してるレベルで強かった…!

既視感を取り払う、強力な存在と物語
序盤は今回も前作同様、リベール王国を舞台に一度訪れた街々を巡り遊撃手の仕事をこなしていくため、既視感が強く新鮮味があまりなかった。
しかし、その空気を取り払ってくれたのが強敵である結社の執行者だ。
デザインには若干時代を感じる部分もあるが、とにかく悪役がちゃんと強大で恐ろしい。それゆえピンチの場面は、本当にピンチで「えぇ…これどうすんだよ…やべぇよ…」と思わせる展開も多く、なかなかハラハラさせられた。
物語もキャラクターたちの成長を主題とした王道な描き方ではあるが、それまで丁寧に伏線を積み重ねてきたおかげで、展開一つ一つに納得感があり、伏線回収にもきちんとカタルシスがある。
さらに前作では語られなかったキャラクターの過去が明かされ、涙なしでは見られないシーンもあって、大変素晴らしかった。
また、各地方の街々を丁寧に描いているので、生活しているモブキャラの解像度がより高くなり、どの街も人々の息吹を感じ、遊撃手として人々をしっかり守りたくなる、生きた街作りが大変素晴らしかった。さすがファルコムだ。

ヴァルターのデザインには時代を感じずにはいられない!

リベール軍の最新鋭機アルセイユなんかよりもずっと強そうだ!こんなの勝てないよ!

そこからのリシャール大佐とシード中佐が助太刀してくれる展開はアツかったし、そのあとすぐに帝国がやってくる怒涛の展開には痺れたね。
後半は盛り上がる!…だが
物語の後半は非常に盛り上がるのだが、ダンジョン『四輪の塔』は若干モヤモヤする作りだった。
どれも似た構造なので水増し感は否めないうえ、ボスである執行者たちに勝利しても達成感が薄く、しかもそれを4回繰り返すので図らずとも『4つの塔で苦労も4倍だな…!』と思ってしった。
さらにラストダンジョンも、執行者たちとのボスラッシュは、一戦一戦のカロリーが高いうえに、その前の章でも一度戦っているため新鮮味が薄かったのが少し残念。
とはいえ、こちらはちゃんと因縁のあるキャラクターを連れていけば決着が描かれるので、その達成感はひとしおだ。

すいません!リセットして連れてきます!
まとめ
そんなわけで本作は約67時間ほどでクリア。
ダンジョンの作りには若干難はありつつも、前作以上に盛り上がり、前作以上に泣けるシナリオ。そして前作以上の圧倒的ボリュームに、さらに深まったゲーム性で、大満足のRPGでした。
少し落ち着いてから『空の軌跡 the 3rd』を遊んでいきたいね。

DATA
空の軌跡 SC:改 HD EDITION
発売 /開発:日本ファルコム
対応ハード:PS3
(PlayStation Plus クラシックスカタログにてPS4、PS5でプレイ可能)
発売日:2013年4月25日
(オリジナルPC版発売日:2006年3月9日)
ジャンル:RPG
商品ページ
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キャラクター所感
今回も登場した主なキャラクターの所感も書いておきます。
さすが続編だけあって加入キャラもかなり増えたなぁ。
エステル・ブライト

圧倒的主人公。
逆境を跳ね除け、遊撃手としての勤めを果たしていくうちに、気づけばヨシュア以上に大きく成長していた。塞ぎ込むヨシュアさえを照らしてしまうその姿は、まさしくBrightという名に相応しい太陽のような存在であった。
ただし戦闘では若干他のキャラより見劣りするのはご愛嬌。

ヨシュア・ブライト

放蕩息子。前作では常に冷静でエステルのブレーキ役だったが、とんでもなく脆い心を抱えていたことが明らかになる。
今回の失踪も、その弱さが振り切れてしまった結果だった。しかし彼は知らなかっただろう。自分がいない間にエステルがここまで強く成長していたことを。彼は父カシウスだけではなく、娘のエステルにも救われたのだ。
ただ今回は女装シーンがなかったのが残念です。

アガット・クロスナー

序盤はアガットかシェラ姐のどちらかと旅することになるが、今回はアガットニキを選択。時に厳しく、先輩遊撃手としてエステルをしっかり支えてくれる良い兄貴分だった。
FCでは描かれなかった彼の過去が明かされ、彼自身の一皮剥けた成長も見られて良かったぞ。
シェラザード・ハーヴェイ

シェラ姐。
彼女自身の過去もしっかり描かれ、執行者となっていたルシオラとの因縁も掘り下げられておりなかなか良かった。
オリビエ・レインハイム

相変わらず怪しい子安だったが、今回ついにその正体が明らかになるのだが、…お前ホントになんなんだよ!!!
一応の目的はあるようなので今後も活躍が期待される。結局まだまだ謎だらけなんだよな。


クローゼ・リンツ

悩めるリベールの次期女王は、本作最強クラスの一角でした。
起死回生技『リヒトクライス』の安定した強さはもちろん、オーブメントの配置がアーツ向けすぎて、終盤は様々なアーツを使いこなす攻守ともに最強のアーツ使いになっていました。強い。強すぎる。
ティータ・ラッセル

前作では大活躍だったけど、今回のラストダンジョンの執行者戦では全く歯が立たなかった…。
それでもアガットのために必死に頑張る姿は本当によかった。ホントよかった…。
ジン・ヴァセック

同門であった執行者ヴァルターとの因縁が描かれ、さらに存在感が深まったお方。
戦闘では自己強化クラフト技『真・龍神功』があまりにも強力で、どんな攻撃にも屈しない耐久力と、アーツなしでも相手をボコボコにできる攻撃力で、クローゼ同様最後まで頼れる存在だった。エステル、ヨシュアより全然強かった。
前作FCでは第一印象が一番薄かったジンさんが、まさかラスボス戦まで圧倒的な存在感を放つ方だったとは…。
アネラス・エルフィード

かわいい担当の先輩遊撃手。
序盤はエステルと訓練を共にしてくれて嬉しかったが、それが終わるとすぐに離脱してしまう。ずっといてくれよ〜!
その後は先輩遊撃手たち共々操られたりと、なかなか大変そうだったね。
ジョゼット・カプア

空賊のボクっ子、およびエステルの恋敵。
前作FCでは損な役回りばかりだったが、今回はヨシュアと行動を共にしたり、グロリアス脱出を助けたりと見せ場たっぷり。おまけに終盤はパーティにも加入してくれる豪勢っぷりだった。
ユリア・シュバルツ

ラストダンジョンで中に突然仲間になったからびっくりした。
さすがの実力者と言うべきレベルで加入するので頼りになるが、ドラマ的には関わりは深いものの旅を共にしてきた方ではないので、この終盤で使うべきキャラなのか絶妙に悩むお方であった。
ミュラー・ヴァンダール

ユリア大尉同じく突然仲間になったのでびっくりした。ただのオリビエのツッコミ役ではない超実力者であったが、こちらも大尉同じく空気を読まずにパーティに入れてしまうと、どこかモヤる方であった。
ケビン・グラハム

序盤で得体の知れない結社の存在を知り、誰が敵かわからない疑心暗鬼になってる最中に突然現れたので、その関西弁も相まって胡散草さがハンパじゃなかった。やたらエステルに優しいし怪しすぎるだろ!!!
まぁその正体は結社以上に得体が知れなくて、今後の展開の鍵を握りそうな人物。次回以降の活躍が楽しみだ。
レン

殲滅天使レンちゃん。
2026年現在ではロリータ衣装の美少女キャラは珍しくなくなったが、2006年当時はかなり萌えの最先端だった気がする。
ヨシュアと同じ境遇を持つ少女であり、彼女もまたブライト家によって救われるのかもしれない。今後の展開が楽しみです。
ちなみに、かくれんぼはギブアップしました。
あと人型メカのパテル=マテルもガンダム試作二号機っぽい肩がイカしてましたね。
ワイスマン教授

なんかすごい強そうだったのに、最終的には小物感が強くなってしまった人。悪い人はなんでパイプオルガン弾くの…?
他の執行者たちから全く慕われておらず、その人望の薄さこそが彼の敗因だった気もする。
思えば今回の『環』によるオーブメントが停止事件は『ジャイアントロボ 地球が静止する日』っぽさあったね。
カシウス・ブライト

今回もおいしいところを持って行きまくるチート親父。今回はリベール軍人として出番も多く、最後の最後までニクい存在でした。
好きなシーン
最後に印象的で好きなシーンを語っていきたい





その先のことを考えると悲しいが、再開できて本当によかった。
そんなわけで次回のファルコム枠は『亰都ザナドゥ』です。遊ぶぞ遊ぶぞ。
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