バロウズ、『ジャンキー』 やめたいけれど、やめられないし、やめたくない。
先週のフジロックに続いて!今週末はディズニープラスでLollapalooza🎶
毎週、各地のフェスがリアルタイムで観れて、本当にありがたい✨!
さて本題。
少し前にバロウズ原作の映画『Queer / クィア』について書いたので、バロウズつながりでJunky(邦題:ジャンキー)の読書感想文を。
内容からしても、「これ面白いから読んでみて!」と色々な人におすすめできるような作品では全然ない(というか、なんならおすすめしづらい)のですが、文学史的に興味深い作品であることは間違いないです。
ちなみにですが、読んでいた時から作品がメンタルに響いてしまって、読み終えてから1ヶ月ぐらいは体調がすぐれませんでした(苦笑)
摂取や禁断症状の生々しい描写に強い刺激を受けたようです(汗)
具合が悪い人につられて具合が悪くなってしまうタイプの方はもしかすると私と同じように影響を受けてしまうかもしれませんのでご注意を。
では以下、感想文です。
(全力でおすすめする作品ではありませんが、ちゃっかり読書感想文企画に参加してます(笑))
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生々しい苦しみと痛み。底知れぬ絶望感と渇望感。
バロウズ自身のジャンキーとしての体験を綴った自伝的手記。
薬物使用をやめてはまた再開してしまうということを繰り返す様子が様々な仲間やロケーションとともに詳しく描かれており、
当時のアメリカやメキシコに潜むドラッグ問題の背景も窺い知ることができる作品である。
バロウズと並んでビート・ジェネレーションを代表する作家、ジャック・ケルアックのOn the RoadにもOld Bull Leeとしてかなりの破天荒なキャラクターで登場するバロウズ。
彼が実際にどんな人物であったかを知ることができるというところもこの作品の面白いところだ。
ジャンクに翻弄され、ドラッグに対しては死に物狂いになってしまう様子は(どこか滑稽でもありながら)人間の根底にある強いエネルギーのようなものが感じられる。
ただ、そのエネルギー自体もドラッグによって生み出され、自身が突き動かされていると思うと、なんとも皮肉である。
日々ドラッグ中心の荒んだ生活を送りながらも、病気の疑いが生じた時に激しく恐怖する様子などからは、どこか生への執着が感じられ、むしろその執着はドラッグへの欲求によってもたらされ、生きながらえさせられているのだろうと考えるとこれまた感慨深い。

やめたくてもやめられない。なんならやめたくない。
やめようと頑張ってみてもまた戻ってしまう。
やめないといけないけど、やめられない自分の中での葛藤があるはずなのだが、そこにはどこかすでに諦めのようなものが感じられる。
心のどこかでは「どうせやめられない」という思いがあるようなのだ。
あくまでも個人的な日記といった印象を受ける作品であるため、文学作品としてのすごみのようなものは感じ難いかもしれないが、今以上に当時タブーであった内容についてここまで赤裸々に実体験を記し、世に送り出したというところに功績があると言えるだろう。
ジャンキーとしての自分と向き合い、その生き様を淡々と、どこか客観的に記すことで、本来持つべきモラルや道徳観とバロウズの感覚の違いが浮き彫りとなっているところも興味深い。
「こうあるべき」という価値観から距離を置き、自分の欲望のままにジャンキーとして生きる彼の姿にはフィクションでは出せないリアリティがあり、偽りのない作家本人なのだと感じた。
トレインスポッティングのように明るい未来を予感できるようなエンディングではなく、バロウズの今後を案じるような終わり方がまたなんともリアル。
小説自体はそこで終わりだが、彼の人生はその後も続いていくのだ。
