頭でこうしたいと思っていることと、逆の反応をしてしまうメカニズム
色々学んでいるのに、「いざという場面では反応が変わらない」と感じたことはありませんか。
それは、学びが足りないのではありません。脳の神経回路の配線が変わっていないからです。
知識は「知っている」状態を作ります。ですが、反応は、考えてするものではないですよね。考えようとした時には、すでに反応は終わっています。反応は、脳の神経回路が勝手にしてしまうもので、意思が入り込む余地がないものです。
特に、「扁桃体」という部位と「前頭前野」という部位の連携がうまく取れていないと、頭では「こう対応したい」と思っているのに、思わず、咄嗟に反論が口から出てしまう、ムキになってしまう、といった、『頭で思っていることと真逆』の反応をしてしまいます。
今日は、頭でこうしたいと思っていることと、逆の反応をしてしまうメカニズムを紐解きたいと思います。
「知識」では脳の配線は変わらない
何かを学び、「なるほど」と理解したとしても、実際に何かが起きた瞬間の反応は、以前と変わらないことがほとんどです。
なぜなら、反応とは私たちの意思よりも速く、脳の神経回路が自動的に生み出すものだからです。
脳の扁桃体は、自分の命を守るための「警告システム」として機能しています。この警告システムが、勘違いしてしまう状態になっているのが、今の私たちです。会議室でちょっとマウントを取られただけでも、「命が危ない」と判断して警告を発してしまう。失敗したら「詰んだ(もう生き延びることはできない)」と判断して警告を発してしまう。その警告に準じた反応が、意思でコントロールする前に出てしまうのです。
さらにその反応によって状況が悪化し、「やっぱり自分の警告は正しかった」と確認できてしまう。防衛反応はこうして、どんどん強化されていきます。
反応を変えたいなら、知識を増やすのではなく、脳の神経回路そのものを書き換える必要があります。書き換えるには、二つのプロセスが必要です。
1新しいネットワークを作る
2配線を変える
この2つが揃って初めて、警告を発しても別の脳の部位が「それって本当?」と問いかけてくれるようになり、反応が瞬時に出なくなります。それを続けていると、配線そのものが変わります。
中庸道™︎の場合、この2つをいくことを「トレーニング」と呼んでいます。一人では難しいので、コーチと一緒に進めていきます。
中庸は「道」である理由
この6月より、長らく親しんでいただいた「中庸思考®」を「中庸道™」と改めました。「道」をつけたのには、理由があります。
「JDSとさあやさんのおかげで中庸に生きられるようになりました。」とおっしゃっていただくことがあります。これは、少しだけ知識を持っていただいた方に多い現象です。
ですが正確には、「いつも中庸にいられる人」は存在しません。
トレーニングを実践をされている方々は、ここを理解されています。だから中庸に戻っても「中庸の域に達した!」とは言いません。また新たな偏りを発見し、また戻り、を常に繰り返しています。
ですが、それは決して、同じところをぐるぐる回っているのではありません。らせん階段のように、その質も、住んでいる世界も上昇していきます。中庸で見れる(反応しない)ことが、どんどんと増えていきます。
昨日よりまた一つ、真実が見えるようになった(これすなわち、反応しなくなったということ)、つまりネガティブな出来事の中にも「受け取っている愛」を見出せるようになった、と、実感します。なので、自分は自己変容を遂げている、成長している、と実感できるのです。
中庸で真実を受け取れる事象が多くなった、でも、すべてに対してではありません。なぜなら、人間には生存本能としての防衛反応があるからです。自我がある限り、どこまで行っても中庸から外れる事象は人生に登場してきます。ですが、その度に戻り続ける。すると、ある時点で「通常の人間が体験するようなネガティブには全く動じなくなった」と実感する時がやってきます。
ですが、そう思った途端、またブレることが起きて、「自分はまだまだだな」と思い知らされます(笑)。そして、謙虚に引き戻される。そして、また真実を探究する道を歩き始める。謙虚に引き戻されるから、また、成長ができるんですよね。ずっと中庸にいられたら、成長はないので、むしろそれは起こってほしくはないことです。
「道」と名のつくものは、すべてそうですよね。やればやるほど奥深さを知り、まだ先があることを思い知らされます。どんなに熟練しても、この感覚が無くなってしまっては、もう上達できません。
「自分はまだ100段の階段の2段目、3段目だ」と認識していること、これを「謙虚」と言います。逆に「自分はもうほとんど理解したし、常に中庸で物事を認知できる」と思った瞬間、謙虚ではない、傲慢、という状態になります。すると、真実はそこで見えなくなります。
私の師匠であるドクター・マティーニでさえ、今でもセミナーの休憩時間にワークをしています。娘からのメールで小さな「なぬ!?」を感じ、5分ほどワークをして中庸に戻る。それを今も続けているのです。
ここで、もう一段深い話をします。
マイナスとプラスの感情が対消滅して中庸に戻った瞬間、それはこれまでと違う次元に一つ上昇した瞬間でもあります。視野が広がり、視座が高くなったことを実感し、「新しい自分になった!」と嬉しくなります。
ですが、そこで終わりではありません。その新しいステージでは、再び「新米者」になるからです。つまり、その次元ではまた中庸から外れている、マイナスかプラスのどちらかに偏っているのです。
特に、対消滅した直後はプラスに傾きやすい。そこに試練がやってきて初めて、「中庸に生きている」と傲慢になっていた自分に気づきます。試練が来るまで、その傾きには気づけないのです。
だから試練とは、中庸に戻してくれる「愛」なのです。誰かからの。それを神と呼ぶ人も、宇宙と呼ぶ人もいます。
いずれにしても、生きている限り、ぶれては戻り、ぶれては戻るを繰り返します。だから終わりなき旅、「道」なのです。
警告システムの感度を少しずつ下げていく。つまり「これくらいのことでは警告が鳴らない」という水準を高めていく。それが中庸道のトレーニングです。
「男は強くなければならない」を手放した先
今日は、昭和の時代を生き抜いてきた男性諸氏が持ちやすいフレームワーク(思い込み)を手放された方のお話をご紹介します。
会社を立ち上げ、一代で誰もが知る規模まで大きくされた経営者のロクさんは、「負けてはいけない」「男らしく強くなければならない」と教えられて育ちました。
そのお父さんの教えに、忠実に生きてきました。その忠実さが事業の成功を支えた一方で、自分の内面は、常に落ち着かず、ザワザワし、心休まるときがありませんでした。
そんな状態では、自律神経がやられてしまいますね。実際に、ロクさんは、脳内出血を2回経験されました。心も体も、常に強度の戦闘モードになっていたのです。
ずっと交感神経が発動したまま、安らぎとは無縁の日々。「男として弱いところを見せたら終わり」(=死)という恐れ(無自覚)が、その根底にありました。
それは、全ての局面、すべての関係性において、「反応」として現れました。仕事では、必ずマウントを先に取る(自分が大将だと皆に知らしめる)、取られたら取り返す。
家庭でも、「弱さを見せたら、男としての魅力が落ち、奥さんに愛想を尽かされる」と(もちろん無意識に)思っていました。
4年ほど前に中庸道の考え方に出会い、ぼちぼちとワークを開始したロクさんは、徐々に、「これはすごい」と感じ、いつしか、ワークに真剣に取り組むようになりました。
そして、2年ほど前に「『男は強くなければならない』というフレームワークが消えました。」とおっしゃいます。
*フレームワークとは心理学用語で、思い込んでいる概念のことです。全ての反応や言動の「前提」になっているものでもあります。
強さを見せることをやめようと思いましたが、なかなかすぐには反応は変わりません。ワークが進むにつれて、少しずつそのフレームワークは溶け始め、最後には完全に手放すことができました。
すると、どうでしょう。若い社員たちが自然と相談に来るようになったのです。奥様との関係も、弱いところをさらけ出した瞬間から、変わっていきました。
逆に、みんなとの距離が縮まり、受け入れてもらえるようになったのです。そして、これまでより、一層尊敬もされるようになりました。
「強くなければ」と構えていた頃より、力を抜いた今のほうが、はるかに信頼されている。そういった逆転が、現実として起きたのです。
一人が安心でいることが、周りを変える
神経科学の知見として、一人が本当に安心安全な状態でその場にいると、周りの人も同調してリラックスしてくることが分かっています。
パニックになっているとき、一人だけ静かに落ち着いている人がいると、それにつられてその場が落ち着いてくる。そういう経験をされた方は多いと思います。
これは個人の問題ではありません。一人が戦闘モードをやめ、安心安全な状態ーあり方ーに移行すること。その影響は、半径3メートルから始まり、10メートル、100メートルと広がっていきます。
自分のあり方を整えることは、自分だけのためではありません。あなたの周りにいる人たちへの、贈り物になるのです。
今日の問いかけ
あなたが今も持っているかもしれない「こうでなければならない」というフレームワークを、一つ思い浮かべてみてください。
そのフレームワークがあることで、あなたは今、恐れの中にいますか。それとも、愛の中にいますか。前者なら、何を恐れている状態になっていますか。
明日も、ご一緒に
毎朝6時50分からの朝ライブで、『真実を見抜くための中庸思考®︎』について、お伝えしています。
明日も、ご一緒できることを楽しみにしています。
*中庸道™︎ — 均衡認知の原理
ポジティブとネガティブを同時に知覚し、その二元性を超える
(Chuyodo - The Code of Cognitive Equilibrium: Transcending the Positive and Negative through Simultaneous Perception)
人生デザイン構築学校®︎ 学長
高衣紗彩(たかごろもさあや)
毎朝6時50分からの朝ライブで、『真実を見抜くための中庸道™︎ (Chuyodo - The Code of Cognitive Equilibrium)』について、お伝えしています。
▼参加方法▼
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第1部 毎朝6:30〜6:50(マスター認定講師)
『朝活ジャーナリングで充実した1日に!』
第2部 毎朝6:50〜7:10(高衣)
『中庸道™︎の習慣化であり方と人生を整える!』
第3部 毎朝7:10〜7:30(月・水・木 高衣, 火・金 澤田)
『朝のマクロ解説便:
世界情勢 水面下の真相を斬る!』
毎朝平均230名の方にご参加いただいています。
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また、人生デザイン構築学校®学長の高衣紗彩が別アカウントで『世界情勢 水面下の真相』を発信しています。
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