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私の読書感と桐野夏生「天使に見捨てられた夜」#ヤバ猫さんの企画


あれは確か、創作大賞への応募作品を全部書き終えた頃だったから、7月の末頃だったと思う。
自分へのご褒美に二冊買った本のうちの一冊が、この「天使に見捨てられた夜」だったと記憶している。

 それにしても、小学校、中学校時代は一日、一冊読むことを自分に課していたのに、随分と読む速度が遅くなったものだと思う。それは加齢によるものも、もちろんあるが、曲がりなりにも小説らしき物を書くようになった影響が如実に現れた結果だと自分を分析している(単なる言い訳)

「この情景をこんな風に、この作家は書くのか」
とか、
「私なら、こう書きたい」(クソ生意気!)
とか、
時系列の追い方、一人称、三人称の使い分け等々⋯

とにかく、一冊の本をバカ丁寧に読むようになった。それは良い事でもあり、悪い事でもあると思っている。良い点は上記のように、じっくりと物語を味わえることで、悪い点は一冊の本にかける時間が長いと言う事は、明らかに読書量が減るのが当たり前だから、新しい気づきを得るチャンスが少なくなる事だ。
 人は誰でも一日、24時間しか与えられていない。それに残念な事に私が読書に費やす時間は、今までよりも、これからの方が多分、ずっと少ないだろう。
それなら好きな作家を読み漁ろうじゃないか。
で、選んだのが大好きな桐野夏生氏だった(前置きが長い 笑)


【レビュー】

AV女優の一色リナが行方不明になった事件の依頼を私立探偵の村野ミロが引き受けたことから、この物語は始まる。
彼女に依頼したのは、フェミニズム系の出版社を経営する渡辺房江だった。リナの暗い過去を探っていくうちに、依頼者である渡辺房江は不審な死を遂げてしまう。
 この事件の背後に危険な匂いを感じながらも、村野ミロはリナの行方を追い、過去を突き止めていく。
都会の闇にうごめく欲望を描いた長編ハードボイルド小説。


桐野夏生で読み残していた小説なので
かなり古い(苦笑)

さて、私の感想はおいておく。
じゃあ、何故、こんなに丁寧に書いているのかと言うと、
ジャン!!


ヤバ猫さんのこの企画に参加したかったから♡

村野ミロは捜査を進めるうちに、闇社会のボスのような存在の矢代の魅力に引かれて関係を持ってしまう。ところがミロが本当に愛していたのは、隣人でゲイのトモさんだったことに気付く。


>トモさんは自分の美意識に生き、矢代は経済に生きる。トモさんは生身の男として、私の人生に決して関わりはしないだろう。だが、誰よりも、私はトモさんを選んだのだとはっきりと悟った(「天使に見捨てられた夜」より抜粋)


そして、↓この二人の電話のシーンが、私はとても好きだ。



「異性愛って難しいと思わない?」
トモさんは笑い、それから同性愛も難しいよ、と答えた。
「じゃ、わたしたちは何なの?」
「何だろうな」
トモさんは考え、それからこう答えた。
「隣人愛だ」
「隣人愛ね」
笑うと、彼はこう付け加えた。

「世の中で一番崇高な愛だ」

電話を切ると、私は少し幸せな気持ちになり、もう一度ブランケットを被った(ここまで抜粋)


男と女の枠?境界線?なんて表現したらいいんだろう?全ての垣根を越えた、大人で、粋でほんの少し寂しい世界観。

ヤバ猫さん、企画のご趣旨に沿っていますでしょうか?
「世の中で一番崇高な愛だ」
で、栞を作って頂けると嬉しいです。



「人生は短い。この本を読んだら他の本は読めない」


小学生の時に読んだ本に、書いてあった言葉だ。この本の題名は、何だっただろう?
小林秀雄あたりかと推測するんだけど⋯
知っている人が居たら、教えてください。
大人になった自分の視線で是非、読み返してみたい。



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