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超掌編小説「夏バテ」#片思い文芸部と【お知らせ】


ブルーモーメントに
出逢いたかった午後

「夏バテ」


一人きりのホテルの一室で、未だに煙の出る煙草に火をつけた。一筋、紫の煙を吐いたはずなのに、白く染まっただけの空気は、ふわふわと宙を舞った。煙草を吸うくせに、その匂いは好きになれない。急いで窓を開けようとして、鍵がかかっているのに気付いた。そう言えば若いフロントの女性が、
「窓は一切開放出来ないようになりましたので、ご了承ください」
と頭を下げたのを思い出した。この高層ホテルから眺める景色が好きだったのに、何か、のっぴきならない事情に寄るものだと気付いて、
「はい」
と微笑んだのだったっけ。
 無機質なホテルの部屋が好きなのに、備え付けられたカウンターのような机の上は、私がトランクから出した物が散乱していた。
女が旅に出るのには、身一つと言う訳にはいかない。自分を彩る数々の化粧品や髪を巻くアイロン、スマホの充電器⋯
そのどれもが私には、まだ必需品だ。
女にとっての必要品が、男にとっての不用品だったりする。
『あなたの不要な物は誰かの必要な物』
そんなリサイクルショップのCMの台詞を上手い事を言うものだと、散乱した女としての私の備品を見ながら思う。
ある小説の大賞に落選したから、一人で残念会をするために旅行に出ようと決めたのは数日前のことだった。
私が書いた物は私にとっては必要な物だったけれど、世の中では不要な物だった。
ただそれだけの事。
傷を癒すのも立ち直るのも、私が一人で行う前戯みたいなものに過ぎない。
東にホテルの喫煙室が一室空きがあると知って、急いで予約して新幹線に飛び乗った。

 今年の夏はエアコンの効いた部屋に閉じこもって、ただ書いていただけだった。そして、おそらくは来年の夏も、そうなるだろう。
静かに明けていく夜のカーテンの向こうに仄かな明かりを見出せる日が来るのかは分からない。
 もう少し尾を引きそうだ、私の片思いの夏バテ。




くぅ〜、私も逢いたかったな〜(笑)
でも、これはあくまでもフィクションです(笑)


ナルさんの企画に参加させてくださいね。

いつも、ありがとう♡

【お知らせ】

大した事じゃないんですけど(苦笑)
talesに発表した「死者の涙は乾いたか」


今月中で全て削除しようと思っています。
この作品を原作にリライトしようと考えています。
まだの方で、ご興味のある方は、お早めにお読み頂けると嬉しいです(落選作品ですけど 苦笑)


来月は西へ行きます(笑)

#なんのはなしですか







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