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半透明の思い出

風まかせ文芸部企画参加作品


夏休み、私は祖父母の家へ遊びに行っていた。

奄美大島とは違い、日陰に入ると心地よい風が吹き抜ける。その風に誘われるように、いとこと裏山の小川へ遊びに行った。

半透明の小川の水は、手を入れるとひんやりと冷たく、夏の暑さを忘れさせてくれた。

畑では赤く実ったトマトをもぎ、そのままほおばる。口元から流れた真っ赤な果汁を、手の甲でぬぐいながら笑い合った。

祖父母の家へ帰ると、玄関の横には井戸水で冷やしたスイカが待っている。昼ご飯は冷やしそうめんをお腹いっぱい食べ、おやつには甘いスイカ。

あの頃の夏は、どれもが輝いていた。

今では、あの半透明の小川へ行くこともなくなった。マムシを見かけてからは、藪の中へ入るのが少し怖くなったからだ。

それでも夏は、毎年変わらずやって来る。

今年は、新しい景色や新しい出会いの中で、心が透き通るような「半透明の思い出」を、また一つ作れたらいいなと思う。


イラスト:ChatGPT

風まかせ文芸部のお題に書かせて頂きました。
iさん、遅くなりましたけど、よろしくお願いします。


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