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夏空の癒しピアノ 涙そうそう

こちらお聴きになりながらどうぞ。

はじめに

病院ロビーでピアノボランティアをしています。毎月、季節に合う曲を集め、ロビーで患者の皆様がくつろげるよう、無償で演奏しています。

今月の選曲テーマは、「夏本番」。梅雨が明けて楽しもうと思ったのに、今年もまたまた殺人的猛暑・・・もう耐え忍ぶしか・・・あの懐かしい日本の夏はどこへ??そんな気持ちを「夏本番」という前向きな言葉に変換しました(*^^*)

セットリストの中から、独断で一曲、ご紹介します。


涙そうそう(BEGIN)

夏と言えば、青い空に青い海、そして沖縄…というのが個人的なイメージです。それで、この曲。

BEGINは、沖縄ポップスの代表。そしてこの曲は、2000年夏の沖縄サミットで演奏されて、全国的に有名になった曲。この曲を広めた夏川りみさんも石垣島出身で、沖縄の空をイメージして歌われたそう。

三線さんしんにのって運ばれる、ゆったりとした沖縄らしいメロディーに、沖縄の悠久の景色を感じます。

三線

タイトルの「涙そうそう」とは、沖縄の言葉で、「涙がぽろぽろ」という意味。BEGINは最初、このタイトルとメロディーだけを作り、そのあと、歌詞を森山良子さんに委託しました。そして生まれた歌詞そのものは、夏に限定されるわけでも、沖縄に限定されるわけでもない、聴いた人の想像力が広がるような内容になり、結果、多くの人々に愛される曲になりました。

歌詞をざっくりまとめると、以下のような感じ。


古いアルバムをめくり見つけた、もう会えない人に、ありがとう、ってつぶやいた。
その人は、いつも胸の中で励ましてくれる存在だった。
晴れの日も雨の日も、その人の笑顔が浮かび、思い出が色あせても、面影はよみがえり、涙が止まらなくなる…

一番星に祈るのが、私の習慣になった。
夕暮れに空を見上げ、あの人の面影を探す。
あなたの場所から私が見えたら、きっと、また会える、と信じて、私は生きていく。

さみしくて恋しくて、あなたを思うと、涙がぽろぽろと…


森山良子さんは、この歌詞に、亡くなったお兄様への思いを込めたそう。「あの人」が、もう、この世にいない人かもしれないと推測できるのは、「一番星に祈る」というあたりでしょうか。となると、「また会える」というのは、もしかして、自分もいつか、あちらの世界に行けば、ということなのでしょう。それまでは、この世界で、空から見守ってくれている「あの人」に恥じないよう、頑張って生きていこう…

もうすぐお盆(亡くなった人と再会する時間)を迎える、今の季節には特に、ぴったりな歌だと思います。

「涙そうそう」は、美しい沖縄の空に向けて祈る、喪失と追憶の歌。

自分のピアノソロ演奏では、そんな気持ちを込めつつ、2コーラス目に、BEGINの別の曲のフレーズや、沖縄民謡の一節を入れて、アドリブしてみました…


もう会えない人への思い

この曲の歌詞を読んでいると、つい、他の曲とごっちゃになってしまうのです…

例えば、涙そうそうの「古いアルバムめくり」という出だしだけ見て、つい、荒井由実さんの、「卒業写真」と勘違いしてしまったり。

「卒業写真」も、悲しいときに「皮の表紙」を開いて、「あの人」を思い出す話。そして、人ごみに流され変わっていく自分のことを叱ってほしい、と、心の中でつぶやくのです。

でも、やはりユーミンはユーミンらしく。ちょっと甘酸っぱい青春時代との決別と、今を模索する自分への励ましを込めた、爽やかな「さよなら」ソングになっていると思います。春の季節の定番。

よろしければ:3月の癒しピアノタイム2 卒業写真 / アルバムの一頁|風ひかる

また、亡くなった人を星になぞらえ、残された人は、ちゃんと、星に見守られている、と考えるあたりは、「千の風になって」を想起します。

「千の風になって」は、お墓の前で悲しむ人に向かって、「私はそこにはいませんよ。風になって、光になって、雪や鳥になって、いつもあなたのことを見守っているのです」と諭す歌。

とても日本的な感性だな、と思っていましたが、この歌詞は、アメリカの女性が遺族を慰めるために書いた「Do not stand at my grave and weep(私の墓の前で泣かないでください)」という英語の詩の翻訳だそうです。とても有名な詩で、一時期は、先住民の伝説的詩、などと言われていたこともあったとか。亡くなった人への思いや、自然になって寄り添うという感覚は、国や文化を超えて全世界共通なのですね。

もう会えない人への思いを歌った曲は、他にもいろいろとあるかと思います。あなたは、どんな曲を思い浮かべますか。

お聴きいただきありがとうございました。
お耳直しに、夏川りみさんによる「涙そうそう」をどうぞ!


お盆も近くなりましたので、大切な人を想う気持ちにそっと寄り添うような音楽をご紹介しました。皆様の心に届く内容となれば幸いです。

皆様にとって、心穏やかな夏となりますよう。

夏のおすすめ癒しピアノはこちらにも:
7月の癒しピアノ曲 海のセットリスト|風ひかる

参考~全演奏曲目詳細

アレンジャーに敬意を表して明記します。(場の雰囲気に合わせ、楽譜から外れることもあります)

  • 無限のなぎさ (ウォン・ウィンツァン作曲)

  • あの夏へ (久石譲作曲、事務員G編曲)

  • 夏の思い出 (中田喜直作曲、布施威編曲)

  • 涙そうそう (BEGIN作曲、広瀬美和子編曲を参考にアレンジ)

  • 渚のアデリーヌ (リチャード・クレイダーマン作曲)

  • イパネマの娘 (アントニオ・カルロス・ジョビン作曲、HansPiano編曲)

  • いとしのエリー (桑田佳祐作曲、広瀬美和子編曲)

  • Part of Your World (アラン・メンケン作曲、石川芳編曲)


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