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ソフトクリームと夏の空ー風まかせ文芸部

空に浮かぶ入道雲に、買ったばかりの
ソフトクリームを重ねてみた。

青に浮かぶ白いモクモクは、
どこかへ行こうと僕を誘っている。

夏の空はいつも、子どもの頃の
夏休みを思い出させる。

そして、胸の奥に眠っていた
冒険心を呼び覚ます。

うだるような暑さの中でも、
セミは体を震わせ、全身で鳴いている。

その限られた命を惜しむことなく。

僕は、そんなふうに全力で
鳴いたことがあるだろうか。

もし明日、世界が終わると分かったなら。

きっと全財産をはたいて、
この空の向こうへ飛び立つだろう。

でも、その「いつか」がいつ来るのかは
分からない。

だから、せめて今日。
小さな冒険をしよう。

車に荷物を積み込み、
あてもなく走り出す。

ただ、あの雲を追いかけるために。

セミほど大きな声ではなくても、
僕なりの小さな勇気を震わせて。

青い空を突き抜ける。

――大学生の夏休み、最初の日。 

僕は旅に出る。


お読みいただいて、ありがとうございました。本作は風まかせ文芸部さんの企画に参加しております。


入道雲って、見ているだけでワクワクしませんか。
子どもの頃から、あの空の下には何があるのだろうと、好奇心を募らせていました。

雲を目指してあてもなく旅をすることは、まだ見ぬ未来を追いかけることに似ています。
そんな夏の冒険を思い描きながら書きました。

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