23年ぶりのラオス再訪記 #1|静かな高揚感と、乗り継ぐ車窓。BTSからバス、そして飛行機でウドンターニーへ
🔳 23年前の夜行列車、そして現代の空路



今回のバンコクの拠点は、アソークの「ホテル・シブカオ」。クリスマスイブから滞在していたこの場所は、賑やかな街の中にありながら、どこか落ち着くお気に入りの隠れ家になった。
12月25日のクリスマス当日、ホテルで心温まるイベントがあった。スタッフに勧められてクジを引くと、なんとタイらしい象柄のパンツをいただいたのだ。



添えられたメッセージカードには、家族のような温かい言葉が記されている。予期せぬおもてなしに、これから共に旅をするスーツケースの足取りも、心なしか軽く感じられた。
12月27日、この素敵な余韻を胸にチェックアウトを済ませ、慣れ親しんだアソークの街を歩き始める。まずはBTS(高架鉄道)に乗り、空港バスが発着するチャトチャック・パーク(Chatuchak Park)停留所の最寄りである、モーチット駅を目指した。

モーチット駅の階段を降りて地上へ。目の前にあるチャトチャック・パークのバス停には、ドンムアン空港へ向かう急行バス「A1」がやってくる。ここからが、いよいよ旅の本番だ。




🔳A1バス:30バーツの「確実な」選択
運賃はわずか30バーツ(約150円)。車掌さんがシャカシャカと鳴らす運賃箱の音を聞くと、「タイに帰ってきた」という実感が湧く。高速道路を走り抜けるこのバスは、渋滞が激しいバンコクにおいて、実は最も確実で安価な移動手段の一つだ。
バスは渋滞を鮮やかに回避し、20分ほどでドンムアン空港に滑り込んだ。
かつてバックパッカーとして降り立った時の記憶が、どこか懐かしい空気と共に蘇る


第2ターミナルでチェックインを済ませ、保安検査を抜けて出発ゲートへと向かう。搭乗口が並ぶ通路を歩いていると、窓の外に、今日私をウドンタニーへと運んでくれる**「ノックエア(Nok Air)」**が翼を休めていた。
鮮やかな黄色に彩られた、機首には愛嬌のある『クチバシ』が描かれた機体。
「ノック」はタイ語で「鳥」を意味する。
23年前、私はバンコクのフアランポーン駅から夜行列車に乗り込んだ。暗闇の中、ノーンカーイを目指して揺られたあの夜。早朝、眠い目をこすりながら陸路でヴィエンチャンへと渡ったあの景色が、今も鮮明に残っている。
かつて一晩かけて移動した距離を、今は空から見下ろす。イラストのルートをなぞるように、バンコクからウドンターニーへ。時間はショートカットしても、心の高鳴りはあの頃と同じ、あるいはそれ以上かもしれない。

🔳テイクオフ。23年ぶりののラオス再訪、その「助走」が始まる
12時45分、定刻通りに機体がふわりと浮き上がる。
重いスーツケースはすでに預け、手元にあるのは最低限の荷物だけ。身軽になった体で窓の外を眺めれば、先ほどまでバスで揺られていた高速道路や、強い陽光を浴びて地平線まで続く街並みが、みるみるうちに小さくなっていくのが見えた。
今回の旅には、気心の知れた日本人の友人が同行している。
23年前、若さゆえの勢いだけで駆け抜けたあのラオスの景色へと、今の自分がどれだけ近づけるのか。
友人と、これから始まる未知の体験について言葉を交わすたび、一人旅とはまた違う、静かで確かな安心感が胸に宿る。
これから向かうウドンターニーは、国境を越え、再びラオスの土を踏むための大切な出発地点だ。
雲を突き抜け、エンジン音が心地よく響くなか、胸の奥で静かに、けれど確実に高揚感が熱を帯びてくる。
23年前、未開発だったあの場所がどう変わったのか。2021年に開通した鉄道は、ラオスをどう変えたのか。それを確かめるための旅が、今、始まる。
23年ぶりのラオス再訪に向けて、私たちの旅が本格的に動き出した。

ラオス再訪記を読んでくださった皆様、実はラオスのうどん『カオピアックセン』を徹底解剖した『麺類学入門・第7講』も公開しています!
