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23年ぶりのラオス再訪記 #6|ウドンターニーの深夜22時。偶然辿り着いた先は、3年連続ミシュランビブグルマンの名店だった。 

## 目的地は眠りの中。想定外から動き出す、もう一つの物語


21時半を過ぎたウドンターニーの夜は、まだ熱を帯びている。目指したのは、日本での下調べで是非訪れたいと思っていた人気店「カオピアックウドン」だ。メーヤーからは目と鼻の先、徒歩1、2分の距離にあるはずだった。

ルート検索では「到着」のはずだった。
しかし、辿り着いた先に待っていたのは……。


静寂に包まれた、人気店「カオピアックウドン」の軒先。
膨らんでいた期待は、夜の暗闇の中に消えた。


しかし、辿り着いた先に待っていたのは、期待を拒むような深い静寂と、灯りの消えた店先だった。
営業時間の確認不足を悔やんでも始まらない。私たちは諦め、ホテルの方向へと足を向けた。

## 閉店の落胆を救った、一軒のタイ料理店
だが、このまま夜を終えるにはまだ早い。スマートフォンの画面を指でなぞり、現在地周辺で営業中の店を探す。
すると、一軒のタイ料理店がヒットした。地元民の支持が厚そうなその店へ、私たちは再び歩き出した。


スマートフォンの画面を頼りに、深夜のウドンターニーを再検索。
この先に「3年連続ミシュラン」の看板が待っているとは、まだ知る由もない。


## 3年連続ミシュラン選出。地元の日常が息づく名店
22時前。到着した店は、深夜近いというのに多くの人々で賑わっていた。店の名は、「カオトム・プームプーン(Khao Tom Permpoon)」。観光客の姿は見当たらない。簡素な外観、飾らない設備。そこにあるのは、純然たる地元の日常だった。

観光客の姿はなく、そこにあるのは純然たる地元の日常。
ここが3年連続ミシュラン選出店だと知り、期待が確信に変わる。


驚いたのは、席に着いてからだ。
壁に掲げられた見覚えのあるマーク。この店もまた、メーヤーに続くミシュラン掲載店だったのだ。
しかも、最新の『ミシュランガイド・タイ 2026』まで、3年連続でビブグルマンに選出されている実力店である。


まずは冷えたビールで乾杯。
「3年連続ミシュラン」が供する深夜の宴を、静かに待つ。


## 驚きの「川ウナギ」。概念を覆す至福の一皿
私たちは、シンハビールとご飯と共に以下の品を注文した。

■ ヤム・ウンセン・タレー(シーフード春雨サラダ)
エビやイカ、ひき肉がたっぷりと入り、ハーブが香るタイの定番。内陸部であるウドンターニーでも、これほど鮮度の
良いシーフードが愛されていることに驚かされる。酸味と辛みのバランスが、ビールのつまみに最適だ。

ハーブの香りと、突き抜ける酸味・辛みのマリアージュ。

深夜の胃袋を心地よく刺激する、完璧なビールの相棒。


■ プラーライ・パットペット(川ウナギのスパイシー炒め)
この日の真打ちは、これだった。川ウナギをぶつ切りにし、ホーリーバジルやカフィアライムリーフ、唐辛子と共に炒めたタイ東北系の料理だ。

これぞタイ東北系の神髄。ビールを呼ぶ、魔性のスパイシー炒め。
ぶつ切りの身を噛み締めるたび、鮮烈なハーブの香りが鼻を抜ける。


実は私は、タイのナマズ料理が放つ独特のクセがあまり得意ではない。しかし、この店のウナギにはそのクセが殆どない。ぶつ切りの身から溢れる旨味とハーブの刺激が絶妙で、ビールはもちろん、白米との相性も抜群だった。

揃い踏みした深夜の主役たち。
川ウナギの強烈な旨味を受け止めるのは、冷えたビールか、それとも炊きたての白米か。


想定外の歩みが導いた、ミシュランの味。
活気に満ちた「カオトム・プームプーン」の熱気の中で、ウドンターニーの夜に酔いしれる。




## 深夜まで賑わう、ウドンターニーの「真の実力」
決して高級感はないが、メニューは驚くほど豊富で、どれも手頃な値段だ。
観光客の宿泊エリアからは少し離れているが、深夜までこの質の料理を楽しめる場所は貴重だろう。ガイドブックには載らない、ウドンターニーの「真の実力」を知りたい方には、是非一度足を運んでみてほしい。

## 基地の記憶を今に繋ぐ、不夜城「Udon Day & Night」
23時前。心地よく満たされた腹を抱え、私たちは店を後にした。
次に向かうのは、かつての米軍基地時代の名残を今に伝えるビアバー街「Udon Day & Night」だ。

宿の「オールドイン」からすぐ。不夜城のネオンが夜を彩る。
かつての基地街の記憶を今に繋ぐ、ウドンターニーの社交場。


ネオンが揺らめき、幾重にも重なる音楽が夜の空気を震わせる。ここはかつて、ベトナム戦争時代に米兵たちが休息を求めて集った場所。今では観光客や地元の人々が入り混じり、独特の喧騒を醸し出している。
私たちはその一角にある、少し落ち着けそうな席を選び、最後のビールを注文した。

想定外の連続だった夜に、乾杯。
「オールドイン」すぐ側の喧騒に身を任せ、ウドンターニーの夜風を噛み締める。


## 肌を刺す夜風と、23年越しの再会へ

12月末のウドンターニー。深夜の屋外は、半袖では少し肌寒い。
これまで20回以上タイを訪れているが、肌で「冬」を体感したのはこれが初めてだった。

喉を鳴らして流し込むビール。その冷たさが、かえって明日の国境越えへの輪郭をくっきりと浮き上がらせる。
「明日のラオス入国はどうなるだろうか」
同行者とこれからの行程を再確認しながらも、私の思考は23年前の記憶へと飛んでいた。

語らいながら喉を鳴らすビールの泡と共に、過去と現在が溶けていく。
「明日のラオスはどうなるか」——期待と不安を分かち合う、国境前夜。


あの頃のラオス。そして、今のラオス。
これから少しずつ北上していくにつれ、夜の寒さはさらに厳しさを増していくのだろう。その冷え込みさえも、再訪の喜びとして噛み締めている自分がいた。

「あの頃」と「今」が交差する、国境前夜。
ネオンの向こう側、メコン川の先にあるラオスの冷え込みを想う。


## ラオス前夜、静かな覚悟と共に
24時前。
深夜の賑わいを背に、私たちはホテルへと戻った。
心地よいお酒の酔いと、適度な緊張感。それらが混ざり合った深い眠りの中で、私の意識はゆっくりと、メコン川の対岸へと向かっていった。

いよいよ明日、23年ぶりのラオス。
その門は、もうすぐ目の前にある。

★ウドンターニーへ行く際は、ぜひこの地図をGoogleマップに保存しておいてください。


■ Khao Tom Permpoon(カオトム・プームプーン)

・営業時間: 15:00 - 1:00(※正確な時間はGoogleマップ等で再確認してください) 

・予算: 一人 400〜600バーツ程度(お酒を飲む場合) 

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ラオス再訪記を読んでくださった皆様、実はラオスのうどん『カオピアックセン』を徹底解剖した『麺類学入門・第7講』も公開しています!








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