後悔しないM&Aに必要なこと【③-2】自己紹介と会社概要その2

売却した会社について、もう少しお話しします。
T工業は、昭和45年に個人創業、昭和57年に法人化されました。
私が経営していた頃の年商は1.2億円から1.6億円程度でした。
従業員数は多い時で25人、売却時は14人でした。
また、特徴的だったのは、主要取引先であるK社様への依存度が高かったことです。客先が同じ町内にあり、実質的に一社依存の経営でした。


ここで少し、私が考える「幸せなM&A」についてお話しします。
私がT工業に勤め始めた頃、創業者が一代で築き上げた会社であることに敬意を抱く一方で、
「この会社は、続けるのも止めるのも簡単ではない会社だ」
と感じていました。
そんな頃、一冊の本を読みました。
正確な題名は覚えていませんが、「幸せな廃業」という趣旨の本だったと記憶しています。
そこには、

  • お客様

  • 従業員

  • 不動産

  • その後の生活

  • 借入金

などについて書かれていました。
私なりに要約すると、
「誰にも大きな迷惑をかけずに、肩の荷を下ろすこと」
という考え方でした。
当時はまだ遠い将来の話でしたが、
「こんな終わり方ができたらいいな」
と思ったことを覚えています。
そして、この考え方は長い間、私の記憶の片隅に残り続けました。
幸せな廃業は、誰にも迷惑をかけません。
しかし、事業はそこで終わります。
一方で、会社が健全に存続することは望ましいことですが、一人の経営者が30年、40年と経営を続けることには限界があります。
そこで私が考えたのが、
「誰にも迷惑をかけずに、事業を続ける方法」
でした。
これが、私の考える「幸せなM&A」です。
次回からは、実際にどのような流れで売却に至ったのかを、時系列で書いていきます。



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