見出し画像

【社会福祉士】「正解の無い世界」で20年走り続けて、私が学んだマインド

福祉施設に勤務して約20年。管理職になって約5年。

子どもが居ない私は、結婚しても、一度も「産休・育休」や「療休」を取る事なく、20年、福祉の世界で走り続けている。

そう、20年間、一週間以上の休みを取った事が一度も無い。

その間、様々な「選択肢」の中から、「一つに決めなければいけない場面」に立ち合ってきた。そして判断してきた。

・新規利用希望者を受け入れるか否か
・定時排泄は何時が適切なのか
・発作を起こした利用者を救急搬送するか否か
・相談事業所からの無茶ぶりな依頼を受けるか否か

小さな事から、大きな事まで、あらゆる「選択肢」が用意されている中で、「一つ」に決める場面が必ず出てくる。

もちろん、「私個人」の意見や感情ではなく、「組織」として決定する為に、依頼を受けるたび、選択肢を提示されるたびに、会議を開く。


どの選択肢を選んだとしても、メリットもデメリットも必ずある。

命に関わる問題や、訴訟問題に発展しかねないリスクをも背負いながらも、「利用者のために」と福祉施設職員は、日々、戦っている。

福祉の世界は、「正解」が無い。もっと言えば、職員の評価基準だって「正解」が無い。

20年の経験で、私は気付いた。

「白」でも「黒」でもない「グレーでOK」というマインドを持てる事が、一番冷静な判断が出来て、最強のマインドだという事に。


①「正答」ではなく「熱意」

一人の利用者家族から、まぁそれなりのクレームが最近入りました。

クレームと言っても、誰かを責めるとか、そういう内容では無いんですが、家族の思い通りにならない現状に対して、「施設として今後どう対処してくれるわけ?!」といった話でした。

家族は、メッチャイライラしています。

そりゃそうですよね、「思い通りにならない」わけですから。

でも、同時に家族だって実はきちんとわかっているんです。

明らかに変えられる改善策など無い
どう対処したって実際「無理なモノは無理」
「正答」なんて出てこない

わかっちゃいるけど、物申してくるわけです。

部下から、内容や状況を報告・相談されて、私はすかさず言いました。

おそらく家族は「完璧な答え」なんて求めていない
何をしても「すぐに変わらない」事位わかってる
一番見ている事は、職員が逃げずに向き合う姿勢


そうなのです。「正解」や「完璧な答え」なんて求めていなくて、そんなもの無い事わかっているんです。

家族が見たい事は、ただ一つ。

🌸家族や本人の気持ちや想いをぶつけられた時、逃げずに、しっかり向き合って、「どうしたら良いか」を真剣に考えてくれるかどうか。


家族への言い方の多少のアドバイスを部下にしましたが、一人で対応出来るかどうか、は部下に委ねました。

「ちゃんと一人で対応します。きちんとお話をします」

しっかり言ってくれたので、私は任せました。


こういう時、「良かれと思って」出しゃばって部下の代わりに家族の前に出て行って、事を丸く済ませようとする管理職も居ますが、それをすると逆効果です。

むしろ、一生懸命毎日頑張っている部下に対して、家族は「逃げたのね」と必ず思います。


ちょっと言葉が足りなくてもいい。


「一生懸命」ちゃんと向き合えば、ちょっと「足りない部分」は、大目に見てくれます。

結果的に、きちんと部下は、家族と一人で話をしました。

家族からの返答は、「これからはもっと細かくコミュニケーションをとっていきましょう」だったそうです。

結局、一見「クレーム」に感じる事でも、本音は「もっと話しをしたい」という事であり、支援方法の「正答」は二の次三の次だった、というわけです。

部下は、しっかり「正答」ではなく、「熱意」を見せた事で、家族と利用者との信頼関係がより深まったのです。

これが、正解かどうかはわかりません。


もっと他の選択肢があったとも思います。でも、福祉の世界には、たくさんの選択肢があり、道がある中で、どの道を取れば「正解」か、なんて、誰にもわからないんです。

唯一、利用者自身が、「この道を選んで良かった」と心から思ってもらえる選択肢があったとすれば、その道は紛れもなく「正解」なのです。


②「ノルマ」も「数字」も無い中で

私は、今は福祉施設の管理職をしていますが、利用者の「利用率向上」や「利用者契約者数の向上」を言われる事があるにせよ、

具体的な「ノルマ」は課せられていません。

利用率を向上出来なくても、契約者数を増やせなかったとしても、誰からも文句言われない、超幸せな状況にあります。


一方で、ノルマも数字も無いからこそ、自分自身の「評価」は20年間常に曖昧でしたし、

どうして昇進出来なかったのか
なんで昇進したのか

こんな簡単な事ですら、明確な基準も説明も受けた事がありません。

おそらく、福祉施設で勤務していれば、似たような経験をされている方も多く居るかとは思います。

現場時代の一般職員であれば、

時間、期日を守る
決められた事をしっかりやる
丁寧に支援を行う

など、「社会人として当たり前の事」が評価基準になり、比較的明確に評価しやすかったりしますが、


昇進すればするほど、評価基準は実際不明確で、結局は「上司に好かれている」とか「あの派閥に気に入られている」なんていう「どこかの誰かの個人的感情」で人事が動く事もまた、あるあるな話です。


そんな世界で20年過ごしてきたからこそ、

「白」でも「黒」でもない、「グレー」もアリなんだ、という事を学んできました。

この学びは、一見「曖昧」であり、「物事をはっきりさせていない」というデメリットにも感じますが、

私も、職員も、利用者も、それぞれの「人生」を歩んでいく中で、いつもいつも「この道が正しい!」なんて思えるはずもなく、

もっと違う選択肢を提示出来たのかな
違う道を勧めた方が良かったのかな
自分自身、この道を進んで良かったのかな

こんな「問いかけ」と「迷い」で模索しながらも、自分自身で進むべき道を決めていくのです。


③「絶対後悔しない」と決める強さ

私も、仕事にせよ、プライベートにせよ、今まで生きてきた中で、本当に色々な「岐路」に立ってきました。

誰と一緒に過ごしていくのか
どこに自分は住むのか
仕事を辞めてしまおうか
仕事を「続ける」と決意した時

大きな事から小さな事まで、本当に「どっちに進めばいいんだろう」という局面に何度も立ち合ってきました。


誰かに相談する事もあったし、相談しない事もあったけれど、私が決めている事は2つだけ。

「どの道を選んでも、絶対後悔しない事」
「どんな結果になっても絶対人のせいにしない事」

これだけは心に決めて、今まで生きてきました。

実際、私自身、離婚や不動産売却なども経験していますが、自分が決めた事に対して「後悔」した事は一度もありません。

仕事においては、サビ管になって、たった一人だけ、新規利用を希望されている方をお断りした事がありました。

本来なら、希望があれば何かしらの形で力になっていく、という気持ちを20年抱き続けてきている私が、たった一人だけ、断ったんです。

もちろん、私一人の意見ではなく、事業所として判断したわけですが、私がもし、「力になりましょう」と言えば、断る事は無かったでしょう。

たくさん迷いました。

やっぱり受けた方がいいのかな
少しでも力になった方が良いのかな


この私が、仕事が終わって自宅に帰り、眠りに付く時も考え抜きました。

でも、「断る」という事を決定した以上、後悔はありませんでした。

風の噂では、断ったその時は、色々大変な事もあったようですが、結果的に今は本人に合った事業所が見つかって、家族共々満足して幸せに暮らしているとの事。


私は確信しました。

どんな道を選んでも、絶対後悔しない事と、他人のせいにしない「強さ」さえ持ち合わせていれば、この先、どんな事でも乗り越えられる、と。


さいごに・・・

20年という月日は、私にとっては、あっという間でした。

21年、22年、と続いていくのかどうか、明日の事は私にはわかりません。

それでも、散々転職を迷った結果、今年度は、「今の職場で働く」という事を決めました。

その決意に、今もこの先も後悔はありません。

自分の人生ですら、たくさんの選択肢があって、迷いがあるのだから、


利用者の人生を考えると、更にたくさんの道があり、たくさんのサービスの中からどのサービスが良いのか選ぶ事は、簡単なようですごく難しい事なのです。


事業所の当たり外れだって、ぶっちゃけあるでしょうし、職員との相性だってあるでしょう。


それでも、「利用者の人生」と割り切って、感情移入しすぎる事無く、ドライに淡々と「利用者にとっての最善」を考えて、やるべき事をやり、提示すべき事は提示する。

出来る事、出来ない事を明確にしていく事が福祉のプロとしての仕事です。

出来ない事を「出来る」と思わせて、実際叶わなかった時のショックの方が、最初から「無理だ」とわかっている事より何倍もダメージが大きいわけで、


その場限りの「優しさ」は福祉の世界では、時に「残酷な結果」を生み出す事もある、という事を、私自身常に肝に銘じているのです。


今日もここまでお読み頂き、ありがとうございました!

いつもみなさんからのたくさんのスキ!やコメントに励まされています✨

先日久々に投稿したこちらの有料記事、おかげさまで収益化する事は出来ています💛ありがとうございますっ💖

☆関連記事☆


フォローがまだの方は、フォローして頂いて次の更新をお待ちくださいねっ!!

いいなと思ったら応援しよう!