【那須・日光の旅】宇都宮名物の焼き餃子・正嗣と、凜と凍える日光東照宮
那須のピラミッド温泉を堪能した翌日は、月森さんと二人で日光ドライブへ。
どちらも同じ栃木県北部だけど、方向がまったく違うのだ。
……と、その前に、せっかく宇都宮なので、
「月森さんには、ぜひ餃子を食してほしい!」
しかも、
「連れてくなら、宇都宮人の大半が支持する名店〔正嗣〕じゃないと、嫌だ!」
そんなわたしのワガママにより、混む時間を避けて、11時前には正嗣の列に並ぶことに。

正嗣の餃子は、ニンニクを使わない。
生姜の風味がふんわり効いていて、野菜が多い。
そのさっぱりした味わいに、宇都宮人の支持が集まっている。
それでいて、県外の人の認知が低いのは、餃子協会に入っていない、一匹狼的存在だかららしい。
「群れるより、我が味のみで勝負だ!」
という、その心意気やよし!!


◯
お腹を餃子で満たしたなら、さて、一路日光へ。
前日のお菓子の残りをぱりぽりつまみつつ、賑やかにおしゃべりをすること1時間で到着する。
観光客がわんさか押しかけていて、日光東照宮の駐車場へ入るのにも四苦八苦したものの、いざ車外へ出てみれば、
「寒い!」
「冷たい!」
キンと凍てつく風に吹かれて、身を縮めそうになるものの、少しなれたら、この凜とした冷たさが心地良くもなる。

チケットの裏に書いてある東照宮マップを頼りに、境内を散策。
思えば、不思議な縁だとおもう。
同じ「文芸社文庫NEO小説大賞」の同期で、それだけだとつながりが生まれなかったかもしれないのに、いつの間にかSNSで仲良くなり、その輪がひろがっていた。
三猿やねむり猫、はたまた家康の霊廟をめぐりつつ、お互い、そんな感慨を話し合う。


かつて最終候補に残った時、発表ページにならぶ10作を眺めわたし、
「この『弁当男子の白石くん』が気になるし、タイトル判断だけど、なんとなく面白そう……」
と感じたものだった。
わたしが優秀賞をもらった時、大賞受賞作のことを聞いて「弁当男子の白石くん」と編集部から教えてもらった。
とても、納得した。
その作者さんが、今、わたしと一緒に二人で、日光東照宮をめぐっていることが、とても不思議な気分。
話はそれるけれど、それと似たようなことが今年もあった。
某賞で、歴史小説にて最終候補に残った時、やはり、
「このタイトルが気になる……面白いかもしれない」
そう感じた作品があった。
見事、それが受賞した。
まあ、わたしは落ちたものの、とても納得したっけ。
……タイトル判断で、作品を見る目がある──そういうことにしておきたい。


◯
日光東照宮は、アップダウンが激しくて、なかなかよき運動になった。
「いま、3時かあ」
車へ戻って、少し悩む。
夕食にはまだ遠いし、中途半端な時間だ。
せっかく日光を案内するんだ、月森さんには、可能な限り堪能していってほしい。
そこで下した決断は……。
「いろは坂をのぼって、華厳の滝とか見るの、どうです?」
「実は行きたかった!」
冬場は雪や路面の凍結で、いろは坂は封鎖されることもある。
でも、幸いにも雪は降っていない。
いけるか……?
ダメでもともと。
もし道路が封鎖されていたなら、戻れば良いのだ。
「いざ、出発!」
わたしが、アクセルを踏む。
「やっほう!」
月森さんが、テンション高く喜ぶ。
さて、いろは坂ドライブは、如何に……? 次回、「はらはらどきどきいろは坂」へつづく
