【上田】自分へのご褒美旅行と、昭和的醤油ラーメン
今回は、かな〜り手前味噌な記事で申し訳なく!
このnoteで、ちらっと触れたことがあるけど……。
第17回・角川春樹小説賞を受賞しました。
これで、歴史小説を出す足がかりも得られたことに。
去年の今頃は、その受賞作となる「砂上の王国」を書いていた。
同時並行で、若年層むけの青春小説「上田娘は動画で生きる」も書いていた。
片や、7世紀のシルクロードや唐の都・長安を舞台にした重厚な歴史ロマン。
片や、現代の女子高生が動画配信をやる夢に突進してゆく青春もの。
ある意味、真逆の作風だったけど、おかげで、よい気分転換になってくれた。片方が行き詰まっても、もう片方を書き進めるうちに、なんとかなってくれたりもした。
その代わり、どちらも行き詰まると、地獄っぷりが2倍になったけど……。
先日、とある人に言われたっけ。
「noteのエッセイと、青春小説と、今度の受賞作となる歴史小説、どれも作風ががらりと変わるから『チーム坂井のどか』みたいな複数人のユニットかと思っちゃいます」
書きたいものがね、たくさんあるんよ……。
持ってる世界がたった一つじゃ、物足りないんよ……。
◯
さて。
これまで、がむしゃらに突っ走ってきた自分を、褒め称えたい。
ご褒美が必要だ!
となると、やっぱりあれだ、
「上田の、別所温泉にある上松やさんへ、わたしは行く!」
またか、と言われそうだけど、ご褒美は一番好きな場所へ行くにかぎる。
本来は、受賞作「砂上の王国」の刊行の目処がたつ頃に行きたかったけれど、あれこれ事情が重なって、やむを得ず前倒しにすることに。
一緒に行こうと誘っていた友達もいたけれど、ころころと予定が変わって申し訳ないので、次の機会に改めて誘うことに。
「せっかくなので、上等の宿泊プランにしよう。あ、そうだ、ジビエの鹿肉のたたきもオプションでつけよう!」
もうね、贅沢三昧にしてやるさ。


◯
上田の美味しいお店リストを作ってあるのだが、日々、その数は増えるばかり。
現時点で、その数なんと38店舗!
悩みに悩んだ挙句、
「今いる上田城から、そう遠くないお店がいいな……」
市役所前の〔三昧軒〕に決めた。
昭和の味を謳っていて、器からあふれるほどのスープが評判のラーメン屋さんだ。

三昧軒は、去年2024年の末くらいに開店したばかりらしいけれど、すでにして人気店となっているようで、うっかり12時のお昼どきにぶちあたると、もう行列ができている。
灼熱の中、じっと耐えて、ようやく入店。
店内はラーメン屋さんらしい活気に満ちている。
普段は家系が大好物のわたしだけど、たまには由緒正しい醤油ラーメンを食べたくなる。
いざ、満を持して出てきたラーメンは……。
スープがあふれて、下の受け皿にこぼれるほど。
そして何より、
「チャーシュー、多い!」
数えてみると、たっぷり8枚も乗っていた。

このスープは優しい味ながら、麺が太くて、食べ応えがある。
味わいは、昭和への懐古を含みつつ、現代的に進化している印象だ。
さらに、ふとテーブルへ目をやると、
「昭和の素……なんだろう、これ」
試しに振ってみると、白い粉が出てきた。
白胡椒の粉末だ。
胡椒というと、粗挽きの黒胡椒をイメージするけれど、昔は、むしろこういう白胡椒がメジャーだったらしい。

一方で、同行の家族はというと、
「俺は、つけそばだな」
これまた太い麺に、驚くくらい真っ黒なスープ。
「うわあ、チャーシューがぎゅうぎゅう詰めで、すごい。まずはこのチャーシューからやっつけないと、麺を入れるどころじゃねえぞ」
興奮している。
わたしも、そのスープを少し味わってみたが、
「強い醤油の味に、強い甘味が隠れてる……」
もし次回、また来たら、つけめんを食べてみたい。
なお、ご飯は無料でついてくるのが、これまた嬉しい。
◯

駐車場まで戻る道をたどると、とある感慨をいだく。
3月に出した青春小説「上田娘は動画で生きる」という作品で、主人公たちが通学路に使っている道なのだ。
「作中では、ちょうど今日あたり(7月20日)には、主人公の弥生が絶望に打ちひしがれてて、その裏で、親友たちが葛藤を超えて手を結んで、弥生を助けようとしてるんだよな……」

ついでに言うと、この記事を上げた8月初旬の日曜は、クライマックスの逆転劇に向かって、主人公たちが再集結した頃にあたる。
自分の小説作品の話になって申し訳ないが、この後、上松やさんへチェックインした時、
「弥生たちが通う高校って、やっぱりあそこですか。◯◯高校があるあたり」
ロビーで、スタッフのYさんが話題を振ってくださったので、
「いえ、実は◯◯中学があるとこを想定してます」
「あー、あそこですか!」
いやもう、作者冥利につきるとは、こういうことを言うよね。
作品に関する会話をさせてもらえて、嬉しいやら気恥ずかしいやら。
