『見えないつながりとともに(仮)』#4
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昨日までのニーナの記憶は、バブルやみんなと共有されていた。
モーリスさんは、以前、冒険者ギルドに出入りしていた。
仕事を受けて帰っていく日もあった。
けれど、ある日を境に、モーリスさんは冒険者ギルドへ行かなくなった。
それ以来、モーリスさんの中から、何かが抜け落ちてしまったように見えた。
それでも、仕事を探していなかったわけではない。
モーリスさんは求人広告を見つけては、街のあちこちを訪ねていた。
けれど、どこへ行っても長くはかからなかった。
ものの数分で、項垂れたモーリスさんが店や工房から出てくる。
ニーナは、その姿を何度も見ていた。
求人募集の際には、《ステータス画面》を求人主に見せるのが一般的だった。
モーリスさんも、応募するたびに《ステータス》を開いていた。
けれど、求人主の表情は、いつもそこで変わった。
あるとき、ニーナはその場に近寄り、《ステータス》を覗き込んだ。
ニーナの目に、《職業:シーフ》と《スキル:隠匿》の文字が飛び込んできた。
それ以来、その記憶は強烈に残っていた。
バブルやみんなの脳裏にも、ニーナの驚きと共に焼きついていた。
モーリスさんは、そのたびに何も言い返さなかった。
ただ《ステータス》を閉じて、店や工房を出てきた。
肩を落として。
顔を伏せて。
それでも、次の日にはまた別の求人広告を探していた。
その全部が、ニーナの中に残っていた。
モーリスさんの家の前で、透明なニーナが佇んでいた。
ニーナが一歩踏み出そうとしたとき、数学の授業を受けているバブルから念話が届いた。
「こちらバブル。ニーナ、モーリスさんの件だけど、まだ動かないで」
「どうして?」
「ちょっと渡したいものがあるから、今日の夜、うちに帰ってきて」
「わかった」
念話が途切れたあとも、ニーナはしばらくモーリスさんの家の前に立っていた。

※ featuring シンフォニム「世の中が覆う」
「可能性、ラベル、
※ このオリジナル創作小説の世界観から、Sunoで生成した楽曲です。
それぞれのことばが、
迷いながら創るあなたの、小さな創作のヒントでありますように。
#創作のヒント
#思考のヒント
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Photo: Unsplash
(c) s.f.出版
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