『自分らしさに向かって(仮)』#7
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モーリスさんのところを訪ねてから、さらに4日をかけて、追加で受注した猫探し28件すべての聴き取りを終えた。
この4日間で、ビリーが可能性の高い居場所を伝え、ルナが見つけてきた猫は8匹。モーリスさんのところを訪ねる前までに見つけていた3匹と合わせて、達成済みは11匹になった。
2人チームに必要な課題pt、30ptには、まだまだ遠かった。おまけに、ビリーの《気配察知》では、未発見の19匹らしき猫の気配が、すべてフェリス男爵家の居城に集まっていた。
ルナにこのことを伝えれば、後先考えずに突っ走っていきそうだったので、まだ伝えていない。
そのせいで、ルナは、
「ビリーの勘、今回は苦戦してるね」
「課題達成率も評価に入るから、このままじゃまずいよね。最初に28件も受けなければよかったかも……」
などと、好き勝手に言われていた。
ルナは走ってるだけじゃん。見つけてるのは、ほとんど俺なんだけどな。
そんな言葉を飲み込んで、ビリーは苦笑いだけを浮かべていた。
学院の実質的オーナーであるフェリス男爵には睨まれるわけにはいかない。事情がわかるまで、手出しはできなかった。
とはいえ、このままでは実習期間内に課題達成できず、留年してしまう。他の課題を探すしかないと覚悟を決めて、ルナと一緒に学院の依頼リストを見に行くことにした。
仕事探しは1件10ptと、猫10匹分と魅力的だった。ビリーは、学院に依頼してくるくらいだから、そう簡単に見つかる案件ではないだろうな、と浮かない顔をしていた。
すると、ルナが、
「あっ!モーリスさんだよ!」
「ビリー!これ受けようよ!猫10匹分だよ!」
「それだけ難しいってことだよ」
「モーリスさんから借りた、錠前と貯金箱とハサミ、モーリスさんの言う通り、『絶対』にダメだった!」
「ダメ!って何が?」
「錠前は開かないし、貯金箱は取り出せないし、ハサミは切れなかった!」
「それ、ダメじゃん!」
「でしょ!凄いよね!モーリスさん!」
「……」
ビリーには、何が凄いのかが、わからなかった。
「それだけ、ものづくり職人としての技が凄い!ってこと!」
「えっ?」
「確かに、そういう見方もできるか……」
「あっ!仕事、案外見つけやすいかもしれな……」
と、言いかけて、ビリーは口を閉じた。
だったら、なんでモーリスさんは自分で仕事を見つけられないんだろう。
そんな疑問が、ビリーの中に残った。
ビリーが黙り込んでいると、ルナが、
「この間借りた、錠前と貯金箱とハサミ、返しに行きたいから、この依頼受けちゃおうよ!」
ひとりで返しに行けばいいじゃん、と想ったが、口には出さなかった。
あと19pt、獲得しないといけない。
その現実に背中を押されて、ビリーはしぶしぶ頷いた。

※ featuring シンフォニム「見方が変える」
「才能、見方、評価」
※ このオリジナル創作小説の世界観から、Sunoで生成した楽曲です。
それぞれのことばが、
迷いながら創るあなたの、小さな創作のヒントでありますように。
#創作のヒント
#思考のヒント
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Photo: Unsplash
(c) s.f.出版
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