留学経験者の9割が「就活に良い影響があった」と納得!でも本当に変わるのは、それだけじゃありません【全4回シリーズ④・最終回】
全4回シリーズの最終回です。
前回は、日本人の幸福感を下げている根っこに、"減点主義"と"同調圧力"があり、海外では"自分はどう思うか"を自然に言葉にする文化が根づいている、という話をしました。
すべての伏線が、ここでつながります
第1回から「学歴による生涯賃金の差」に始まり、「転職やキャリアの自由度」が続き、そして「自己決定度と幸福感の関係」について、それぞれ具体的な統計データをもとにお話ししてきました。
振り返ってみると、これらはすべて"誰かが用意した物差し"の上で、自分がどこに位置しているかを測る話だったとも言えます。
学歴も、年収も、幸福度調査の順位でさえも、結局は他人と比較して初めて意味を持つ指標です。
今回お話ししたいのは、留学によって最終的に手に入るのは、そうした物差しの外側にある、"自分自身が納得できる生き方"だということです。
ここまでの3回で見てきた"誰かの物差し"の限界を踏まえたうえで、その先にある話として聞いていただけたらと思います。
留学は、英語が上手になるための時間ではありません
先に言っておくと、これからお話しするのは"留学すれば英語が話せるようになります"という話ではありません。
娘のエリンが15歳でカナダに渡ったばかりの頃、日本にいた時は口数の多い子だったのに、着いてすぐは自分の思っていることをうまく言葉にできなくなって、電話でもよく泣いていました。
"私、本当はそんな大人しい子じゃないのに"と、大人しい子だと思われるのがすごくイヤだと、何度も口にしていました。
でも、実際にはたどたどしくても、伝えようとしていることを、周りはちゃんと聞いてくれていました。
留学が変えてくれるのは、英語力より先に、この感覚の方だったと僕は思っています。
英語はあくまで後からついてくるものであって、最初に変わるのは、自分をどう捉えるかという部分なんですね。
失敗しても、存在そのものは否定されない経験
前回お話しした通り、海外の多くの国は、多様なルーツを持つ人たちが集まってできた社会なので、"あなたはどう思うか"を常に問われる、加点主義の文化があります。
留学生活には、心のアップダウンの波が来るタイミングがあって、エリンにも一番大きな波が来た時がありました。
そんな時、僕はアドバイスをしようとは思わず、ただ気持ちを丸ごと受け止めることだけを考えていました。
するとエリンの方から"また明日から頑張ろう"と、笑顔で言ってくれたんです。
あの一言は、誰かに教えられたものではなく、エリンが自分自身の中から絞り出した言葉でした。
失敗しても、間違えても、自分の存在そのものは否定されない。
この感覚があってはじめて、人は自分の頭で考え始められるのだと思います。
価値観を揺さぶられて、"自分とは何者か"を考え始める
留学生活では、育った国も、宗教も、当たり前だと思っていることも違う相手と、毎日関わることになります。
そうやって自分と違う価値観に触れ続けるうちに、"自分がこれまで当然だと思っていたことは、実は数ある考え方の一つに過ぎなかった"と気づく瞬間が何度もあります。
エリンも、日本の学校生活の"当たり前"や、自分自身の性格について、日本にいた頃には考えもしなかった問いを、何度も自分に投げかけるようになったと話していました。
誰かに正解を教えてもらうのではなく、"自分はどう思うか""自分はどうありたいか"を、自分の頭で考え続けるこの時間こそが、留学という経験の一番の核だと僕は思っています。
第3回でお話しした"減点主義"や"同調圧力"から一度離れて、自分自身と向き合う時間とも言えます。
留学経験者の9割が、"就活に良かった"と答えています
こうして得られた経験は、実際の評価にもつながります。
文部科学省の"トビタテ!留学JAPAN"という留学促進プログラムの調査によると、留学経験者の9割が"留学経験が就活に良い影響を与えた"と答え、採用担当者の8割も"今後留学経験者を積極的に採用したい"と答えています。
大学入試でも、経験や主体性を評価する"総合型選抜"や"学校推薦型選抜"が主流になりつつあり、私立大学では2つを合わせて年内に入学が決まる人がもう6割を超えています。
ただ、就活も入試も、結局は"誰かが用意した物差し"の一つです。
留学経験がその物差しの上で高く評価されることは事実ですし、知っておいて損はありません。
でも、このシリーズを通して本当にお伝えしたいのは、その物差しの中でどう評価されるかではなく、その物差しから一度降りて、自分自身の物差しを持てるようになる、ということです。
これまでの話を突き詰めれば"どれだけ安心して生きられるか"というテーマでした。
でも、本当の安心は、大きな企業に入ることや、高い年収を得ることだけでは手に入りません。
自分で選んだ道を、自分で納得して歩いているという感覚、つまり他人からの評価ではなく、自分自身が自分に満点をあげられるような生き方こそが、本当の意味での安心につながるのだと僕は思っています。
高校留学が投げかけてくる"多様な価値観との出会い"や"自分はどうしたいのか"という問いは、まさにその生き方を見つけるための入り口になります。

自分で決める力を持ち帰った先に
今回の話をまとめると、留学が最終的に持ち帰らせてくれるのは、英語力でも、就活や入試で評価される経歴でもなく、自分の人生を自分の物差しで測る力です。
娘のエリンは、大学に進学せずギャップイヤーを取り、その後自分の会社を立ち上げたのですが、それも"大学を出ていないと後で困るよ"という周りの声、つまり誰かの物差しより、自分がやりたいことを優先したからです。
動物園で育った動物は、檻の扉が開いても外に出ようとしないことがあります。
外の世界がどれだけ広くても、檻の中が自分の生きる場所だと思い込んでいるからです。
"いい大学に入れば安心""大企業に入れば安泰""みんなと同じであることが幸せ"という、普段"当たり前"と思っていることも、実は同じような檻なのかもしれません。
留学経験はその檻に気づき、望む未来から逆算して、自分だけの生き方を選び直すための材料だと、僕は思っています。
このシリーズの土台になっている考え方は、留学パパが書き下ろした書籍『中高生の海外留学 知るたび、自分と未来が広がる本』にまとめています。詳しく知りたい方はぜひ手に取ってみてください。

また、これから本気で留学の準備を進めたい、具体的なプランや現地の情報を相談したいという方に向けて、無料相談・無料カウンセリングも受付しています。
アメリカの大学留学経験者であり、娘の高校留学を応援してきた親の立場の留学パパと、15歳で英語力ゼロからカナダの高校に留学したエリンが、皆さんの不安や疑問について、一緒に考えていきます。
無理な「押し付け」や「留学ありき」の話は一切しません。
ぜひお気軽にメッセージくださいね。

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