留学を考える前に知っておきたい:自分に満足していると答えた日本の若者は45%しかいません、という話【全4回シリーズ③】
全4回シリーズの第3回です。
前回は、就職してからも、日本と海外では転職やキャリアの築き方が大きく違う、という話をしました。
実は今回の話が、シリーズで一番大事なところです!
これまでの話で分かったのは、学歴があっても、就職ができても、思っているほどの"安心"は保証されない、のが今の日本の現実だということです。
今回は、その根っこにある、日本人の幸福感そのものについて掘り下げていきます。
留学はゴールではなく、望む未来から逆算して選ぶ通過点である、というのがこのシリーズの立ち位置ですが、今回の内容は、次回いよいよ留学の話にたどり着くための、一番大事な土台になります。
経済的にも社会的にも恵まれているはずの日本で、なぜ多くの人が幸せを感じられずにいるのか。
ここを正しく理解しておくことが、進路を考えるうえでも、後悔しない選択につながると僕は思っています。
少し重い話になりますが、お付き合いください。
世界の中で、日本の幸福度はここまで下がっている!
国連が毎年発表している世界幸福度報告で、日本の順位は年々下がり続けています。
2023年は47位、2024年は51位、2025年は55位、そして最新の2026年版では147カ国中61位にまで後退しました。
先進7カ国(G7)の中では断トツの最下位です。
一方で、日本の一人当たりのGDPは世界の上位に位置し、健康寿命にいたっては2026年時点で世界単独4位というトップクラスの実績があります。
経済的にも、健康の面でも、これだけ恵まれた国であるにもかかわらず、幸福度の総合順位は中位国レベルにまで沈んでいる。
この落差の大きさこそが、今回のテーマの出発点です。
お金や健康だけでは説明がつかない何かが、この国にはあるということなんですね。

経済も健康も恵まれているのに、なぜ?
何が日本の幸福度を押し下げているのかというと、特に低いのが「人生の選択の自由」と「他者への寛容さ」という項目です。
寛容さにいたっては、2026年の順位が146位と、実質的に世界最下位レベルです。
人生の選択の自由のスコアも低く、これは"失敗を許さない""レールから外れることを恐れる"という、日本社会の強い同調圧力を映し出しているように思います。
お金や健康にはあまり関係のない、もっと内面的な部分に、日本人の幸福感を下げている本当の原因があるということなんですね。
周りと違う選択をすることや、一度失敗することへの恐れが、知らないうちに人生の満足度を静かに削っているのかもしれません。
ここから先は、その内面の話を、もう少し具体的に見ていきます。
幸福感を一番左右するのは、所得でも学歴でもなかった
神戸大学の西村和雄特命教授らの研究チームが、国内2万人を対象に行った大規模な調査があります。
それによると、個人の幸福感に最も強い影響を与える要因は、所得の多さでも学歴の高さでもなく、"自己決定度"、つまり自分の人生の選択を自分の意思で決めたかどうかだということが明らかになっています。
偏差値の低い大学や専門学校に進学した人でも、それを自分で決めたという自己決定度が高ければ、他人に決められて高学歴になった人よりも幸福度が高い傾向があるそうです。
第1回でお話しした"いい大学に行けば安心"という前提が、経済的な面だけでなく、幸福感という面でも、実はあまり本質的ではなかったということが、この研究から見えてきます。
「自分に満足できない」子どもたちが、こんなに多い理由
内閣府が日本・アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・韓国・スウェーデンの若者を対象に行った調査でも、同じような傾向が見えてきます。
「自分自身に満足している」と答えた日本の若者は45.1%しかいません。
アメリカは86.9%、フランスは85.8%と、大きな差があります。
「自分には長所がある」という質問でも、日本は62.3%にとどまるのに対し、他の国はおよそ90%前後です。
しかも日本の若者の自己肯定感は、"自分が誰かの役に立っているか"という他者からの評価に強く依存する傾向があり、自分の中にある長所や挑戦する気持ちをベースに自分を肯定する海外の若者とは、根本的に違う構造になっているんですね。
この差は、生まれつきの性格の問題ではないと僕は思っています。

海外では、なぜ"自分はどう思うか"が自然に言えるの?
この差が生まれる背景には、社会そのものの成り立ちの違いがあると僕は考えています。
アメリカをはじめ、世界のほとんどの国は、もともと違う土地で生まれ育った人たちが集まってできた国です。
歴史的な背景も、当たり前だと思っている感覚も違う人同士が同じ社会で暮らしているので、"自分はどう思うか""自分はどうしたいか"を言葉にして伝えることが、ごく自然なこととして根づいています。
一方の日本は、狭い土地に多くの人が住み、周りに合わせながら和を重んじることで社会を築いてきました。
どちらが優れているという話ではありませんが、"みんなと同じであること"に価値が置かれる社会と、"一人ひとり違って当然"という前提の社会とでは、他人と違う意見や、一度の失敗の受け止められ方が、そもそも大きく違うんですね。
この根っこにあるのは、"減点主義"と"同調圧力"
なぜ日本の若者は、これほどまでに自分に満足できないのでしょうか。
その背景にあるのが、正解が一つの問題をいかに速く、ミスなく解くかを評価する"減点主義"の教育と、集団の和を乱さないことを求める強い同調圧力です。
挑戦してミスをすることが恥だと感じる環境では、"自分で決めて、自分で動く"という経験そのものが積みにくくなります。
実際、この事実は大人になってからも大きな影響を与えます。
仕事のストレスが原因の精神障害の労災請求件数は、1983年から2006年までの24年間で合計3,594件だったのが、直近10年間ではその2.6倍にまで増えています。
だからこそ僕は、"自分で決める"という経験を、できるだけ早いうちに積んでおくことがとても大事だと思っています。

次回は、さっきお話しした"当たり前が違う"環境に実際に身を置くことが、どんな経験になるのか、留学を通じてお話ししていきます。
このシリーズの土台になっている考え方は、留学パパが書き下ろした書籍『中高生の海外留学 知るたび、自分と未来が広がる本』にまとめています。
詳しく知りたい方はぜひ手に取ってみてくださいね。

また、これから本気で留学の準備を進めたい、具体的なプランや現地の情報を相談したいという方に向けて、無料相談・無料カウンセリングも受付しています。
アメリカの大学留学経験者であり、娘の高校留学を応援してきた親の立場の留学パパと、15歳で英語力ゼロからカナダの高校に留学したエリンが、皆さんの不安や疑問について、一緒に考えていきます。
ぜひお気軽にメッセージくださいね。

📌 この記事が参考になったら「スキ」と「フォロー」をお願いします。
《その他の関連イベントのお知らせ》

留学パパとエリンが通訳するので英語ができなくでも大丈夫!

