「英語ができないと、授業についていけないんじゃない?」 カナダ・マニトバ州の高校の現実【全4回シリーズ②】
カナダ・マニトバ州の高校留学にフォーカスをした全4回シリーズの第2回です。
前回は「費用」についてお伝えしましたが、今回のテーマは、留学を考えるときに費用と並んでよく聞かれる「英語力」についてです。
「英語ができないと、授業についていけないのでは」という不安
「英語もまだ得意じゃないのに、いきなり現地の授業についていけるんだろうか…」というのは、留学相談で本当によく聞かれる不安です。
日本の学校の授業ですら大変なのに、それを英語でやるなんて想像もつかない、という気持ちはとてもよく分かります。
周りの生徒はネイティブなのに、自分だけ会話についていけず孤立してしまうのでは、と考えると、留学そのものへの一歩を踏み出しにくくなりますよね。
ただ、この不安は「留学先を知らない」ことから来ている部分も大きいんです。
今回お伝えするカナダ・マニトバ州の英語サポート体制を知ると、「なるほど、それなら大丈夫かもしれない」と思ってもらえるのではないかと思います。
留学先によって、天と地ほど違う英語サポートの手厚さ
英語を母語としない生徒へのサポート体制は、実は国や州によって大きく差があります。
ある留学先では、英語力が足りない生徒がいきなり現地の生徒と同じ授業に入れられ、サポートがほとんどないまま数ヶ月を過ごす、というケースもあります。
そうなると、周りの会話についていけず、ただ座っているだけの時間が続いてしまう人も出てきます。
一方で、マニトバ州はこの分野において、カナダの中でも屈指の専門性を持っています。
長年、世界中から移民や難民を受け入れてきた歴史があり、その中で「英語を母語としない生徒に、どう学びを届けるか」というノウハウが、州レベルでかなり体系化されているんです。

マニトバ州が英語サポートに強い理由は、移民や難民を受け入れてきた歴史
マニトバ州の教育省は、以前使われていた「ESL(第二言語としての英語)」という呼び方を、あえて「EAL(追加言語としての英語)」に変更しています。
これは、生徒がすでに持っている母語の価値を認めたうえで、新しい言語を"追加"していくという考え方です。
「英語ができないから困っている生徒」ではなく、「母語に加えて、これから英語も身につけていく生徒」として関わってくれる、ということですね。
呼び方ひとつに見えるかもしれませんが、この視点の違いは、実際の授業のつくり方や先生の関わり方にもしっかり反映されていて、生徒が委縮せずに発言できる空気につながっています。

理科や社会も、英語サポート付きで受講でき単位も取れる仕組み
具体的には、マニトバ州の高校には留学生や新しく移住してきた生徒向けに調整された、"E指定"と呼ばれる科目が用意されています。
例えば理科なら、一般のカナダ人生徒が受ける科目と同じ内容を扱いながら、教材や授業の進め方が、英語をこれから伸ばしていく生徒に合わせて工夫されています。
専門的な単語の習得や、英語での説明の仕方に重点が置かれているので、英語力が発展途上でも、卒業に必要な単位を止めずに取りながら、学びに必要な英語力を伸ばしていくことができます。
英語の授業だけを別枠で受けさせられて、他の教科の学びが止まってしまう、という心配をしなくていいのは、大きな違いだと思います。
一人ひとりの英語の伸びを、先生が個別に確認する体制
英語の初期段階にいる生徒や、こうした科目を受講している生徒に対しては、先生が一人ひとりの「個別の学習計画」を作り、語学力の伸びと成績の両方を丁寧に見ていく体制が整っています。
周りと同じペースについていけているかを漠然と見守られるのではなく、その子自身の成長スピードに合わせて関わってもらえる、ということですね。「うちの子、ちゃんとやれているのかな」と心配になったときも、学校側が状況を把握してくれているという安心感があります。
個々の留学生の様子がきちんと共有される仕組みがあるというのは、離れて暮らす保護者にとっても、大きな支えになるはずです。

学力調査の平均点だけでは見落とす、8割以上の生徒が満たす基準
カナダでは3年ごとに、全国の中学2年生を対象にした学力調査(PCAP)が行われていて、マニトバ州の平均点は、読解力・数学・科学のいずれもカナダ全体の平均をやや下回ります。
ここだけ見ると、周りの生徒の学力レベルが心配になるかもしれません。
ですが、この調査でより重要なのは、その学年に期待される基礎的な水準をクリアしているかどうかという点です。
マニトバ州でも、数学を含むすべての分野で8割以上の生徒が、この基礎水準を満たしています。
平均点が下がって見えるのは、広い面積に小さな町が点在する地理的な事情や、多様な言語背景を持つ生徒の割合が影響しているためで、ウィニペグ市内の主要な教育委員会に限れば、他州の都市部と変わらない水準の学びが確保されています。
本当に大事なのは、英語力そのものではない
留学パパの書籍「中高生の海外留学〜知るたび、自分と未来が広がる本」の中でも書いていますが、「英語力がないことを、留学しない理由にするか、留学する理由にするか」は、考え方ひとつだと思っています。
英語力がまだ発展途上だからこそ、こうした手厚いサポート体制がある環境を選ぶ、という発想もできるということですね。
次回は、費用や学びの環境と並んでよく聞かれる「治安」について、数字と実際の暮らしの両方からお伝えします。
僕自身、娘のエリンを送り出すときも、英語力への不安は正直ありました。留学先ごとにどんなサポート体制があるのかを含めて、もっと詳しく知りたい方は、書籍『中高生の海外留学 知るたび、自分と未来が広がる本』も参考にしてみてください。

また、これから本気で留学の準備を進めたい、具体的なプランや現地の情報を相談したいという方に向けて、無料相談・無料カウンセリングも受付しています。
アメリカの大学留学経験者であり、娘の高校留学を応援してきた親の立場の留学パパと、15歳で英語力ゼロからカナダの高校に留学したエリンが、皆さんの不安や疑問について、一緒に考えていきます。
無理な「押し付け」や「留学ありき」の話は一切しません。
ぜひお気軽にメッセージくださいね。

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