メガビタミンサプリと、どう付き合うか【栄養シリーズ④】
(2026.5.8リライト済)
メガビタミンサプリのレビュー依頼が届いた話
先日、オーソモレキュラー療法について
記事で取り上げたところ、
私のもとに以下のコメントが届きました。
前回の記事↓
「振り子さんのnoteを拝見して、
ぜひ一度ご連絡したいと思い
メッセージしました。
もしご興味があれば、
弊社のマルチビタミン『VAVAV MEGA』を
無償でお送りさせていただき、
率直な感想(めちゃくちゃ悪い
レビューも大歓迎)を
noteに執筆いただけないかと
思っています。」
送り主はUllman株式会社
というサプリを作っている
会社でした。
サイトURL(下記リンク)
VAVAV MEGA 高濃度メガビタミン サプリ|分子栄養学設計
私が勤めている病院では
栄養精神医学のアプローチも
取り入れていますが、
前回記事で
「高容量のビタミン
摂取をしていくメガビタミン
療法は、事前にかかりつけ医や
薬剤師さんに相談して行う
必要があります。」
と伝えた矢先の
メガビタミンサプリ。
悩みましたが、
まずは何事も身を持って
経験してみようと思い、
この案件をお引き受けしました。
それで到着したのがコチラです。
配合成分一覧(日本語訳)
ラベル部分をみると、
含有されている栄養成分が
英語で記載されています。

下記に日本語で書き直してみました。
ビタミンA 1503 μgRAE(195%)
ビタミンD 50 μg(920%)
ビタミンE 67 mg(1066%)
ビタミンB1 75 mg(6271%)
ビタミンB2 50 mg(3583%)
ナイアシン 50 mgNE(385%)
ビタミンB6 55 mg(4238%)
ビタミンB12 301 μg(12576%)
葉酸 695 μg(290%)
パントテン酸 50 mg(1045%)
ビオチン 301 μg(603%)
ビタミンC 471 mg(472%)
鉄 8 mg(118%)
亜鉛 15 mg(170%)
銅 1 mg(113%)
マンガン 4 mg(106%)
ヨウ素 135 μg(104%)
セレン 40 μg(145%)
クロム 108 μg(1082%)
モリブデン 87 μg(349%)
※%は栄養成分表示基準値に対する
配合割合です。
※RAEはレチノール活性当量を示します。
※NEはナイアシン当量を示します。
量とリスクのあいだで
まず率直な印象として、
「かなり攻めた配合量だな」
と感じました。
栄養関係で非常に専門的な記事を
書かれていて、私も信頼している
aicoさんの記事には、
①栄養の一日目安量が、
「欠乏症にならないための最低ライン」
を基準に設定されていること、
② 不調の改善や予防という観点では
栄養の一日目安量は必ずしも
十分な量とは言えないこと、
③その一方で当然ながら、
「摂りすぎによるリスク」
も存在すること
(高含有量のサプリを
追加で飲む!とかしない限り
普段は気にしなくて大丈夫)、
が書かれています。↓
※栄養関係に興味のある方は
是非1度aicoさんの記事を
覗いてみてください♪
素敵な学びや発見が
あちこちに散らばっていますので^^
ちなみに商品HPの安全性・
注意事項のページにも、
利用前に必ず医師または
専門家に相談するべき方に
ついて書かれています↓
前回記事でも書きましたが、
そもそもサプリメントは
服用している薬に対して、
薬の効果を弱めたり
不必要に強めたりする
可能性があります。
私が考えるこのサプリのリスク評価
そうした観点から、
とくに気になったのは以下の3点です。
①脂溶性ビタミン
他サプリとの併用や体質によって
過剰症のリスクが高くなります。
ビタミンAは1 IU = 0.3 μgRAE
なので、1503 μgは約5000 IU。
※下の論文では、
妊娠中に10,000 IU/日以上摂取で
胎児奇形誘発リスクがあがると
されています。
このサプリを誤って2倍量(6粒/日)
服用すると到達する水準です。
妊娠中の方の本サプリ服用は
やはり慎重に検討する方が
良さそうです。
②高用量のビタミンB群(特にB6)
ビタミンB6は、成人(日本人)の
1日耐容上限量が60mgと
なっているところ、
このサプリだけで55㎎です。
ちなみに、
欧州食品安全機関(EFSA)は
成人におけるビタミンB6の
耐容上限摂取量(UL)を1日あたり
12mgと定めています。
参考文献:
https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2023.8006?utm_source=chatgpt.com
ビタミンB6摂取量50㎎/日でも
末梢神経障害(手足の動かしづらさ、
しびれ、痛み、感覚鈍麻、筋力低下など)
が起こりうるという論文もあるので、
気になる方はやはり慎重に
検討したほうが良いかもしれません。
③ミネラル(鉄・亜鉛)
※追記:aicoさんより
ご助言いただき、下記
太字部分を加筆修正
しました。
このサプリの用量くらいだと
そこまで問題にはならないと
思いますが、
基準としては亜鉛が
男性11mg/日、
女性8mg/日。
鉄は
男性推奨量7.5mgで上限は50mg、
女性推奨量10.5mgで上限は40mgです。
実際に調べてみると、
「日本人の食事摂取基準
(2025年版)」策定検討会
では、
鉄過剰症は単純な鉄の過剰摂取
によるものではなく、
鉄の代謝に関わるへプシジン
の遺伝的素因や、鉄吸収制御
の機構不全による可能性が
高い説が妥当となっています。
(下記資料の10ページ付近)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316469.pdf
つまり、鉄の過剰摂取による
健康被害の科学的根拠が不十分
ということですね。
ただ、過剰摂取の可能性が
ある場合は医師への相談が
あった方が良いという意見も
あるとのことなので、
やみくもに過剰摂取を
していいということでは
ありません。
このサプリは鉄 8 mg、
亜鉛 15 mgなので、
これ以外にも高用量の
ミネラルサプリを
飲んでいたりすると
やはり要注意だと思います。
気になる薬との相互作用
医療従事者としての一意見です。
以下の薬を服用しながら
本サプリの服用を検討する方は、
とくにかかりつけ医や薬剤師に
相談してください。
※以下、薬について断定的に
説明してしまうと薬機法に
抵触する可能性があるため、
あえて「かもしれません」と
表記しています。
1)抗菌薬類
鉄・亜鉛の1日摂取量に
よっては、抗菌薬の体内
吸収率(効果)が弱まる
かもしれません。
2)甲状腺ホルモン薬
鉄の1日摂取量によっては、
薬の吸収率(効果)が
弱まるかもしれません。
3)骨粗鬆症治療薬
鉄・亜鉛の1日摂取量に
よっては、薬の吸収率
(効果)が弱まるかも
しれません。
4)パーキンソン病治療薬
高用量のビタミンB6に
よって薬の効果が弱まる
かもしれません。
5)抗凝固薬
高用量のビタミンEで
薬の作用を強める可能性が
あるかもしれません。
6)ビタミンA関連薬
ビタミンAの1日摂取量に
よっては、過剰症リスク
(肝障害・催奇形性)を
高めるかもしれません。
現時点でのこのサプリの位置づけ
ここまでを踏まえると、
このサプリは
「使い方を間違えなければ
健康に生活できるための
一つの選択肢になりうる」
と考える一方で、
「気軽に試すにはリスクも伴う」
つまり、
「適切な文脈の中で使う
必要があるもの」
だと感じています。
私は現在、
服薬なし
基礎疾患なし
という状態で
約2週間服用しています。
ただ、
体感としての変化は
今のところありません。
まとめ
ここまでの高用量サプリメントは、
内容をしっかり理解して使えば
希望にもなり得るし、
使い方を間違えばリスクにもなり得る。
そのどちらにも振れる
可能性のある存在だと思います。
だからこそ、
「一人一人が自分の体調を
踏まえてどう判断するか」
が問われるサプリだと
感じています。
私自身も、
もう少し継続しながら、
自分の中での位置づけを
探ってみたいと思っています。
次の記事はコチラ↓
