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ペルソナを捕まえに行ったら、カッパの身体検査が始まりました|ファンタジー小説におけるマーケティング理論


創作におけるマーケティング理論の記事を読んだ。

そこには、こう書かれていた。

作品を届けるためには、ターゲットやペルソナを設定することが大切らしい。

なるほど。

では、いっちょ捕まえて来ますね!

そう思った。


◾️ペルソナとは何者なのか


そもそも、ペルソナとは何なのだろう。

説明によると、

「作品を読む代表的な一人を、具体的に設定した架空の読者」

らしい。

ターゲットが、

「30代から40代のファンタジー好き」

のような集団であるのに対して、ペルソナは、

「38歳の会社員。仕事を終えた夜にnoteを読む。派手な無双よりも、人物の選択や人間関係を好む」

というように、一人の人物として考える。

なるほど。

つまり、アキネーターのように質問を重ねていけば、その人物にたどり着くのではないだろうか。

そう考えた私は、さっそく相棒のAIに向けて、質問を始めた。



◾️最初の質問です


🐈‍⬛『その人は、緑色ですか?』

🤖「いいえ。」

なるほど。

では、次の質問です。

🐈‍⬛『その人は、塩揉みされますか?』

🤖「いいえ。」

なるほど。

🐈‍⬛『その人は、皿を被っていますか?』

🤖「いいえ。」

ここまでの回答で判明したことは、

その人物は緑色ではなく、塩揉みされず、皿を被っていない。

かなり高い確率で、カッパではない。

ペルソナ探しを始めて三問。

ようやく妖怪ではないことが判明した。


◾️さらに絞り込む


🐈‍⬛『では、その人は屋台を開いた経験がありますか?』

🤖「いいえ。」

🐈‍⬛『その人は、クッキーと何かをセット販売した経験がありますか?』

🤖「いいえ。」

驚いた。

緑色ではなく、塩揉みもされず、皿も被らず、屋台を開いたこともなく、クッキーとのセット販売経験もない。

そんなに特殊な人が、この世に存在するのだろうか。

いや、待て。

特殊なのは、質問している私のほうではないだろうか。

途中からペルソナを探しているのではなく、

「夏祭りで屋台を開き、クッキーと何かをセット販売した人物」

を特定する聞き込み捜査になっている。

マーケティング理論を学んでいたはずなのに、いつの間にか職務経歴書の照合が始まっていた。

おかしい。



◾️本気で絞り込みます


ここまでの質問では、精度が足りなかった。

次からは、本気を出す。

🐈‍⬛『その人は、人間ですか?』

🤖「はい。」

ついに大きく絞り込めた。

これで、カッパ、きゅうり、妖怪、宇宙人を除くことができた。

残ったのは、人類ほぼ全員である。

精度が高い。

非常に高い。

肝心なところ以外は、ほぼすべて判明した。



◾️ペルソナの具体化


ここからは、年齢や性別、読書傾向、価値観などを設定していく。

年齢は、100歳以下。

性別は、乙女の心を持ちながら、男性的な思考もできるタイプ。

読書傾向は、狂気。

悩みは、悩まないこと。

価値観は、スキに隙があるタイプ。

生活時間は、日本時間。

完成した。

その人物は、

100歳以下の人間であり、乙女心と男性的思考を併せ持ち、狂気を好んで読み、悩まないことに悩み、スキの中にある隙を見逃さず、日本時間で活動している。

そんな人、いるわけない!

絞り込みすぎた結果、ペルソナが絶滅危惧種になった。

というより、もはや古代の予言書に登場する選ばれし者である。

もう少し現実的に考えてみる。

仕事や人間関係の経験があり、単純な善悪では割り切れない物語が好き。

ファンタジーを読む。

シリアスな話も好きだが、突然カッパが現れても笑って受け入れられる。

橋が一本から二本に増えても喜ぶ。

作者とのやり取りや、コメント欄まで含めて楽しむ。

そんな読者。

いた!!


コメント欄に、普通に何人もいた。

絶滅危惧種どころか、私の記事にスキを押し、橋に笑い、カッパを受け入れていた。

ペルソナを探しに行く必要などなかった。

すでに向こうから来ていた。

もしかすると、キュウリまで持って来ていた。




◾️結局、ペルソナとは何なのか


ペルソナとは、理想の読者を現実世界から捕獲することではない。

作品を作るときや、タイトル、紹介文、投稿時間などを考えるときに、

「この人なら、どう感じるだろう」

と想像するための、架空の代表読者である。

細かく設定すればよいというものでもない。

年齢、年収、居住地、休日の過ごし方まで履歴書のように作っても、作品に関係がなければ意味は薄い。

大切なのは、その人が、

何を読みたいのか。

どこで心が動くのか。

何に疲れているのか。

どんな言葉なら届くのか。

それを想像できることらしい。

私の場合なら、

「ファンタジーが好きで、人の判断や関係性を楽しみ、真面目な話も変な笑いも受け入れられる読者」

くらいで十分なのだろう。

作品は、自分が面白いと思うものを書く。

届け方を考えるときだけ、読者の代表を一人、頭の中の会議室に座らせる。

それが、ペルソナというものらしい。

なるほど。

想像していたより、ずっと地味だった。

私はてっきり、森へ入って網で捕まえてくるものだと思っていた。




◾️まとめ


今回の調査で判明したことは、以下である。

想定読者は、人間である。

緑色ではない。

塩揉みされない。

皿を被っていない。

屋台経験も、クッキーとのセット販売経験も、おそらく必要ない。

そして、カッパではない。

マーケティング理論を学んだ結果、かなり精度の高い分析ができた。

なお、私の作品を読むために必要な条件は、

シリアスな判断寓話を読み、ファンタジー特殊部隊を受け入れ、橋が二本直ると笑い、突然現れるカッパにも動じないこと。

……これはペルソナではない。

入隊試験である。

今後も、あなたに向けた物語を書いていきます。



◾️おまけ

ここまで読んで、さすがに会話部分は創作だと思った方へ。

残念ながら、実際の会話です。

以下、証拠資料をご確認ください。

なお、途中で双方とも異常に気づいていますが、捜査は続行されました。


この記事は、AIとの会話をもとに構成しています。
というより、ほぼ供述調書です。



おめでとうございます。


最後まで読めたあなたは、
私の探し求めていたペルソナです。



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