プロジェクト★アイ終|路地裏クッキー職人と砂漠の薔薇|あとがき
なぜ、クッキー三部作を書いたのか?
私にもわかりません。
嘘です。
創作を続けていると、作品を届けたい気持ちが生まれるのは、自然なことだと思います。
だから私は、クッキーという名の招待状を記事として書いています。
でも、それは人によっては、ふざけているように見えるかもしれません。
導線を作って、読ませようとしているように見えるかもしれません。
そう受け取られても仕方ないと思いました。
ただ、私はそれを浅いことだとは思いません。
物語は、書いた人の姿勢も含めて読まれるものだと思うからです。
だからこそ、私はこのクッキー三部作に、自分の創作への思いを混ぜて書きました。
彼女は最初から最後まで、本を届けたい。
読んでもらいたい。
その気持ちを失ってはいませんでした。
彼女の名前を、最後まで書かなかったのは、
読んでいる誰かもまた、彼女かもしれないと思ったからです。
始まりは、偶然でした。
けれど、クッキーと饅頭が出会って、売れていく姿は、自分自身への、少し苦い投影でもありました。
運に拾われることも、運に置いていかれることもあると思います。
ただ、運の良し悪しを嘆く前に、手元に残ったものをどう差し出すかは、自分で決めたい。
それでいいと、私は思っています。
私も彼女と同じように、たとえ振り出しに戻っても、物語を書き続けます。
路地裏でクッキーを焼きつつ。
売れない本を、そっと添えて。

