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公契約条例の導入を!〜『落ちゆく維新と、その後の希望』

◆坂本篤紀、松尾貴史著『落ちゆく維新と、その後の希望』
出版社:せせらぎ出版
発売時期:2025年3月

日本城タクシーの代表取締役をつとめる坂本篤紀とマルチタレントの松尾貴史が昨今の政治について語りあった記録。橋下徹に始まり石丸伸二や斎藤元彦に継承されている大阪維新的な政治を批判的に吟味しています。維新的政治の問題点として挙げられているのは「お友だち企業の優遇」「独断的な決定」「デマを意図的に流す」「説明責任を十分に果たさない」などです。

とくに異論はないのですが、すでに多くの国民から指摘されているような論点が大半で、率直にいって前半はいささか退屈しました。

後半、ゲストの冨田宏治・関西学院大学教授が議論に加わったところで少し面白くなります。とくに冨田が言及している公契約条例は傾聴に値するものでしょう。東京都知事選で蓮舫が掲げた公約の一つらしいですが、公共事業などで民間企業と契約する際に企業に対して一定以上の労働条件の改善を義務づけるものです。

具体的には、たとえば非正規社員の比率を一定のレベルに定めるとか、賃金を国の定める最低賃金より割増にする、などの条件を定めることになります。入札資格を得るのに、そのような条件をクリアしなければならないとなれば、間違いなく労働条件が改善されるでしょう。

というわけで公契約条例の制定は賛同できるものですが、最後にわかりやすいキャッチフレーズとして提示される言葉が「ギビングスパイラル」というのはいただけません。そんな横文字が有権者の心をつかむことはむずかしいでしょうし、そもそもワンフレーズポリティクスの風潮に煽られて対抗的なキャッチフレーズを考えるという態度そのものが維新的悪政の土俵に乗っかっている感じがします。

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