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「止まれ」も信号機もない交差点ではどう運転すればいいのか?

交通整理が行われていない交差点では、どの方向からの車両に優先権があるのか--------こんな議論がSNS上で行われていることを時々目にする。法律上はどうなっているのか、検証してみよう。


道路交通法で書かれていることは?

交通規則は道路交通法で定義されている。法の中ではどのように記載されているのかを見てみよう。第三十六条に該当部分がある。

第六節 交差点における通行方法等
(交差点における他の車両等との関係等)
第三十六条 車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはならない。
一 車両である場合 その通行している道路と交差する道路(以下「交差道路」という。)を左方から進行してくる車両及び交差道路を通行する路面電車
二 路面電車である場合 交差道路を左方から進行してくる路面電車
2 車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、その通行している道路が優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)である場合を除き、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、当該交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない
3 車両等(優先道路を通行している車両等を除く。)は、交通整理の行なわれていない交差点に入ろうとする場合において、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、徐行しなければならない
4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。

出典: 道路交通法

結構長い条文で分かりにくいので、関係する部分のポイントを簡単に整理してみた。尚、「交差道路」は自分から見て交差する側の道路のことである。


  • 基本ルール (左からくる車優先)

    • 車は、交差道路を左から来る車や路面電車の進行を妨げてはいけない

  • 優先道路や広い道路が優先のルール

    • 優先道路を通っていない車は、

      • 交差道路が優先道路なら、その道路を走る車などの進行を妨げてはいけない

      • 交差道路の方が明らかに広い場合も、その道路を走る車などの進行を妨げてはいけない

  • 非優先道路から交差点に入るときの徐行義務

    • 優先道路を通っていない車は、

      • 交差道路が優先道路のとき、または交差道路が明らかに広いときは、交差点に入るときに徐行しなければならない


つまり、標識も信号機もなく自分側と交差道路側が全く対等な場合は、左からくる車両が優先されるが、相手が優先道路や幅広な道路の場合は相手が優先で自分は徐行して交差点に入る必要がある、ということだ。

ちなみに、左側の車両を優先するのは、車両は左側通行であることから、左方から進行してくる車両を右側によけることはできるものの、右方から進行してくる車両については左側によけることが難しいためである。

写真: この交差点は交差道路に歩道が整備され幅広の道路になるため、交差道路が優先されると解釈するのが妥当である。
写真: この交差点は自分側のほうが道幅が太いため、自分側に優先権があると解釈するのが妥当である。

ここで気になるのは「優先道路」とは何か?ということだろう。次に整理してみる。

「優先道路」の定義は?

優先道路とは、道路交通法第三十六条2項で以下のように定義されている。

道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路

出典: 道路交通法

優先道路を指定する際の「道路標識等」は以下のものが用いられる。

優先道路は標識がない場合は、交差点に中央線又は車両通行帯が設けられている。つまり、以下のような状態となっている。

図: 交差道路がこのような場合は、相手が優先道路

標識が用いられる場合は、それぞれ以下のように用いられる。

出典: 交通規制基準

(405) 優先道路: 優先道路と指定する始まり、終わりの地点に道路標識「優先道路(405)」を設置し、始まりの地点に補助標識「始まり(505-A/B)」、終わりの地点に補助標識「終わり(507-A/B/C)」をそれぞれ附置する。
(329の2-A/B) 前方優先道路: 優先道路と交差する道路の当該交差点手前の必要な地点における左側の路端に設置する。
(330-A/B) 一時停止: 車両等が一時停止すべきことを指定する交差点又はその手前の直近の必要な地点における路端に設置する。交差点通行の優先順位を明確にし、交通事故の未然防止、危険防止 の措置を徹底させる。

ただし、実際は優先道路側に「(405) 優先道路」が設置されているケースはほぼ無く、「(329の2-A/B) 前方優先道路」も一部を除いて設置されず、代わりに「(330-A/B) 一時停止」が設置される。

つまり、実際は以下のような運用となっている。

まとめ

以上をもとに、今一度まとめてみよう。

標識も信号機もなく自分側と交差道路側が全く対等な場合は、左からくる車両が優先されるが、相手が優先道路や幅広な道路の場合は相手が優先で自分は徐行して交差点に入る必要がある。

優先道路や幅広な道路側の車両は、徐行をせずに交差点を通過できる。

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