見出し画像

【アマノ文筆クラブ】エクレア食べたい|エッセイ


夜が深くなると、街の灯りは眠らずに瞬いている。
私はひとり、窓際に腰かけて、手のひらの温もりを感じながら考えた。

「エクレア、食べたいな……」

甘いクリームとチョコのぬくもりを想像すると、少しだけ現実が柔らかくなる気がした。
でも、夜は決して優しくない。風が窓を叩き、遠くで誰かの笑い声がこだまする。
まるでワルプルギスの夜が、私の心に忍び込むみたいに。

深い闇に溶け込む月光は、エクレアの影を揺らす。
「食べたい」と思うその衝動は、欲望でもあり、救いでもある。
甘さを口に含むことで、少しだけ世界から逃げられるような、そんな気がした。

けれど、私は知っている。ワルプルギスの夜は、待ってくれない。
甘いものも、現実も、すべては瞬間の中でしか存在しない。
だから、今この手で、エクレアを掴むことを選ぶ。

夜は怖くて、甘くて、少しだけ優しい。
そして私は、その夜の中で、自分の欲しいものをそっと味わう。

ワルプルギスの夜にエクレア食べたい

*下記企画に参加させて頂きました*


☆次の作品はこちらです↓↓↓


前回の作品はこちらです↓↓↓


最後までお読みくださり、ありがとうございます😊すず

いいなと思ったら応援しよう!

鈴蘭 読んで下さりありがとうございます!励みになります!